【コラム】 Meta、ユーザー数は成長するものの2四半期連続の減収、そしてレイオフへ─2022年Q3の決算報告から

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目次

  • 売上高277億ドルで前期比-4%、前年同期比−5%で2四半期連続の減収
  • 全地域でMAU増加、DAUもアジア地域がけん引し前年同期比+3%の成長
  • Family of Appsの総ユーザー数も両指標で前年同期比+4%と着実に増加
  • 4四半期連続の減収で採用凍結と大規模な人員削減へ



売上高277億ドルで前期比-4%、前年同期比−5%で2四半期連続の減収

Meta Platformsが発表した2022年第3四半期(7~9月、以下「Q3」)の決算報告によれば、今期の売上高は277億ドル、1株あたりの利益は1.64ドルでアナリスト予想の1.89ドルを下回りました。前期も創業以来初となる昨対割れとなりましたが、今期は2四半期連続しての減収を初めて記録しています。


※参考リンク:

Meta Platforms, Inc. (Nasdaq: META) today reported financial results for the quarter ended September 30, 2022. "Our community continues to grow and I�...



マクロ経済の減速や他プラットフォームとの競争激化、さらには広告需要の低下といった逆風が吹き荒れる中、広告収入に依存する収益構造の同社はこれまでにない苦境に立たされています。


Image: Meta Q3 2022 Results



総収入の実に98%を広告収入が占めていますが、下図の通り全ての地域で広告売上が低下していることが分かります。


Image: Meta Q3 2022 Results



広告需要の低下はMetaに限った話ではなく、Google(Alphabet)もYouTubeのマイナス成長を発表するなど、大手広告プラットフォームは軒並み不調を示しています。


※参考リンク:
Google(Alphabet)の2022年第3四半期(2022年7月~9月)の決算発表および最近の傾向をBIツールを使いながら読み解いてみたいと思います。目次1. Googleの2022年第3四半...



発表の中では、広告単価の減少について以下の通りコメントしています。

Ad impressions and price per ad – In the third quarter of 2022, ad impressions delivered across our Family of Apps increased by 17% year-over-year and the average price per ad decreased by 18% yearover-year.


広告インプレッションと広告単価 – 2022年第3四半期、当社のFamily of Appsで配信された広告インプレッションは前年同期比で17%増加し、広告単価は前年同期比で18%減少しました。



メタバース部門である「Reality Labs」の事業についても大幅な失速を見せており、2.85億ドルの売上は前期比-37%、事業単体で37億ドルの赤字となっています。


Image: Meta Q3 2022 Results




全地域でMAU増加、DAUもアジア地域がけん引し前年同期比+3%の成長

収益関連の指標は厳しい結果になりましたが、一方でユーザー数の成長に関してはポジティブな面が多く、まずFacebookの月間アクティブユーザー数(Monthly Active Users、以下「MAU」)は、前期比+0.8%、前年同期比+1.6%の29.6億人となり、微減したQ2から盛り返しています。


Image: Meta Q3 2022 Results



続いてデイリーアクティブユーザー数(Daily Active Users、以下「DAU」)は、アジア地域が全体をけん引する形で前期比+0.8%、前年同期比+2.8%の19.8億人としました。


Image: Meta Q3 2022 Results




Family of Appsの総ユーザー数も両指標で前年同期比+4%と着実に増加

ショートビデオの覇権争いが激化し、対抗馬TikTokとのせめぎ合いが注目されていますが、FacebookだけでなくInstagramやMessenger、WhatsAppなどを含むMetaファミリーの総ユーザー数も成長しています。


月間アクティブユーザー数(Family Monthly Active People、以下「MAP」)は前年同期比+3.6%、前期比+1.6%の37.1億人、1日あたりの総アクティブユーザー数(Daily Active People、以下「DAP」)は前年同期比 +4.3%、前期比+1.7%の29.3億人でした。





Image: Meta Q3 2022 Results



ショートビデオの王座を巡って火花を散らしているTikTokは北米で「TikTok Shop」の提供を開始するなど、前年比2倍(の見込み)と急増する広告売上の勢いそのままにショッピング領域へ注力する姿勢を示しています。


また、”動画”プラットフォームの雄であるYouTubeも当然それを看過せず「ショート」にショッピング機能を導入する計画だとFinancial Timesが報じており、一進一退の混戦から目が離せない状況になっています。


※参考リンク:
TikTokは、2022年11月11日(金)に北米でのTikTok Shopの提供開始を発表しました。目次1. TikTokショップとは2. 今回の発表についてのコメント※参考リンク:1. TikTokシ...

News, analysis and comment from the Financial Times, the worldʼs leading global business publication




4四半期連続の減収で採用凍結と大規模な人員削減へ

創業以来初めての4四半期連続減収を記録し、決算発表と同時に2023年Q1までの採用凍結について言及していました。


Q3時点では前年比で+28%となる採用ペースで従業員の増員を行ってきましたが、売上だけでなく純利益も前年同期比でおよそ半分(-52%)となる44億ドルとなりました。


Image: Meta Q3 2022 Results



決算発表からおよそ1カ月後の2022年11月9日(米国時間)、業績悪化と今後の見通しの悪さが相まったことで1万1000人超のレイオフを正式に発表しました。


これは全従業員の13%相当にあたり、人員削減は全社的に影響を及ぼしますが、継続的な採用凍結を行うことから採用を担当するチームは大きな影響があり、ビジネスサイドのチームは”より大幅な再編“が行われるということです。


CEOのマーク・ザッカーバーグ氏は、このレイオフに際して従業員に向けたメッセージを公表しています。

At the start of Covid, the world rapidly moved online and the surge of e-commerce led to outsized revenue growth. Many people predicted this would be a permanent acceleration that would continue even after the pandemic ended. I did too, so I made the decision to significantly increase our investments. Unfortunately, this did not play out the way I expected. Not only has online commerce returned to prior trends, but the macroeconomic downturn, increased competition, and ads signal loss have caused our revenue to be much lower than I’d expected. I got this wrong, and I take responsibility for that.


(コロナウィルスの始まりによって、世界が急速にオンライン化し、eコマースの急増により収益が大幅に増加しました。多くの人が、これはパンデミック終了後も続く恒久的な加速度であると予測しました。私もそう考え、投資額を大幅に増やす決断をしましたが、残念なことに、これは私の期待通りにはいきませんでした。オンラインコマースは以前のトレンドに戻っただけでなく、マクロ経済の悪化、競争の激化、広告のシグナルロスなどにより、当社の収益は私の予想をはるかに下回るものとなってしまいました。これは私の間違いであり、その責任は私にあります。)

Source: Newsroom -Mark Zuckerberg’s Message to Meta Employees



AppleやAlphabet、Amazon、Twitter、Salesforceなどが採用の減速・一時停止・レイオフを発表するなど、Meta以外の巨大テック企業が厳しい状況に置かれているQ3の決算発表でした。


今後もショートビデオを巡った競争の激化や広告需要の停滞、資本・事業効率の改善など直面する課題が目白押しのMetaがこの状況をどう乗り越えていくのか、今後も注目していきたいと思います。


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