【イベントレポート】『Google Marketing Live 2022』キーノートスピーチで発表された機能まとめ

Google Marketing Live 2022

米国時間 2022年5月24日、Googleは同社の広告ならびにコマース関連プロダクト群に関する最新アップデートや、開発の方向性を発表するGoogle Marketing Live 2022(以下、GML2022)を開催しました。



※参考リンク:

Welcome to Google Marketing Live! Get your business ready to drive results today and build resilience for tomorrow.


「プライバシー保護」と「広告の成果・計測」の両立米国時間 2021年5月27日(木)、GoogleはGoogle 広告、Google アナリティクス、Google Marketing Platform(以下、GMP...


本記事では、日本時間5月25日午前1時よりライブストリーミング配信されたGML2022のメインセッションであるキーノートスピーチの発表内容に加え、その後ブログやヘルプで発表された内容を統合した上でまとめています。ぜひご一読ください。


May 24, 2022Every year, marketers from around the world gather at Google Marketing Live


目次

・会場は新しいベイビューキャンパス
・ビジュアル、リッチ。検索と動画の強化へ
・検索とYouTubeを横断しマーケティングの未来を再構築する
・自動化とインサイトでより良い結果を出す
・変化する環境下でのレジリエンス(適応力)の構築に向けて
・その他の発表
・発表された新機能一覧
・今回の発表のコメント




会場は新しいベイビューキャンパス



オープニングトークは、Googleの最高業務責任者であるPhilipp Schindler氏が務めました。同氏は新型コロナウイルス感染症に罹患した関係で、会場での直接の参加は叶わなかったものの、今回の会場であるGoogleのサステナブルな新社屋であるベイビューキャンパス(Google Bay View)の紹介を行いました。


Google ベイビューキャンパス


世界初の「ドラゴンスケール(龍の鱗)」と呼ばれる太陽光パネルと近所の風力発電施設を合わせれば、9割は再生エネルギーで運営できるとしています(2030年までに24時間365日、カーボンフリーなエネルギーで稼働することを目標と掲げています)。このキャンパスには、今回の発表を行うAds Teamを中心とした4000人が執務を行っています。




ビジュアル、リッチ。検索と動画の強化へ



広告部門のヴァイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー(以下、VP / GM)のJerry Dischler氏は、自然かつ直感的な検索体験を継続的に目指していくとした上で、2022年4月に発表した”multisearch”(マルチサーチ)をあらためて紹介しました。


※参考リンク:

Googleは、2022年4月7日、同社ブログにおいてオンラインショッピングをより快適にするための検索体験である"multisearch”(マルチサーチ)を新たに発表しました。※...



マルチサーチの話に続き、検索結果ページを”Rich visual content”(ビジュアル要素を増やしたリッチなコンテンツ)にすることで、ビジュアル検索の体験を増やしていくとのことです。それにともない、検索結果に表示される広告に関しても”More visual ads”と言っています。広告含め、ユーザーの検索体験がテキストからビジュアルに変わっていることに対応していく方針が見て取れます。

マルチサーチで今後の世界感を示しつつ、Dischler氏は、今、マーケッターが求めているテーマを三つ提示しました。このテーマにそって、各担当者が登壇し、新機能や事例を紹介していきました。


  • Reimagining the future of marketing across Search and YouTube(検索とYouTubeを横断しマーケティングの未来を再構築する
  • Delivering better results with automation and insights(自動化とインサイトでより良い結果を出す
  • Building resilience in a shifting landscape(変化する環境下でのレジリエンス(適応力)の構築


検索とYouTubeを横断しマーケティングの未来を再構築する


1. YouTube Shortsへの広告配信をフルローンチ

Dischler氏は、以下のような事実にも触れ、広告配信先としてのオンライン動画の重要性を強調したうえで、昨年よりテストを実施していたYouTube Shortsへの広告配信をフルローンチしたことを発表しました。動画アクションキャンペーンならびにアプリキャンペーンの配信先の一つとして追加されます。


・オンライン動画視聴が1日に占める時間の割合が34%以上
・YouTube Shortsの1日の平均視聴数が昨年比4倍増の300億回




2. YouTube検索とYouTube Shortsに商品フィードを表示

今年後半に、YouTube検索とYouTube Shortsにも商品フィードが表示されるようになることも発表されました。以下画像はYouTube Shortsへの商品フィード表示例です。


YouTube Shorts Ads



3. Discoverフィードへの動画広告配信テストを開始

また、Discoverフィードへの動画広告配信テストも開始します。Discoverは、人々がお気に入りのパーソナライズされたコンテンツをスクロールして、アイデアやインスピレーションを得る場所です。Googleのフィードに短い動画アセットを導入する方法を検討しているとのことです。





4. ディスプレイ&ビデオ360でコネクテッドTVのターゲティングが可能に

ディスプレイ&ビデオ360で、HuluやPeacockといったYouTube以外の広告配信付きコネクテッドTVアプリに関しても、アフィニティオーディエンスや購買意向の強いユーザーといったGoogleオーディエンスをターゲティングとして利用できるようになるとのことです。




自動化とインサイトでより良い結果を出す


昨年フルローンチされ、直近アップデートの発表もあったP-MAX(Performance MAX)キャンペーンですが、Googleが注力するAIドリブンな広告の一つとして、GML2022においてもさらにアップデートが発表されました。

5. A/Bテストツールの提供(今年後半グローバルローンチ予定)

6. 検索広告360ならびにGoogle広告モバイルアプリでのキャンペーン管理

7. 店舗での販売最適化(今年後半から利用可能予定)

8. 新しいインサイトと説明(今年中にグローバル展開予定)

9. 最適化スコアと最適化案(今夏より提供予定)


P-MAXインサイト


先日アップデートのあったP-MAXキャンペーンの「新規顧客の獲得」目標について、今年後半には他キャンペーンにおいても利用予定になる見込みで、以下ヘルプページに記載の通り、本機能を利用するにあたっては、カスタマーマッチの併用が「強く推奨」されるとのことです。


※参考リンク:

Googleは2022年4月26日、同社ブログでP-MAX(Performance MAX)キャンペーンに関する新機能を発表しました。目次1. 新規顧客開拓に注力できる新しい目標2. 新しいインサ...

The new customer acquisition goal enables you to efficiently acquire new customers through your Google Ads campaigns. You have an option to either optimize t...


登壇者の一人であるGoogle広告のVP / GMであるVidhya Srinivasan氏は、冒頭Googleの機械学習プロセスのスピードが格段に上がっており、これが検索広告における部分一致キーワードとスマート自動入札の組み合わせをより強固なものにしていることを強調しました。その上で、実際にこの組み合わせが特定のキャンペーンにおいて機能するかをテストできるone click experimentを提供するとのことです。


インサイトページでは、消費者需要の新たな機会を特定し、パーソナライズされたトレンドデータを取得することができます。今後数カ月間に世界中で展開される予定の三つの新しいレポートが紹介されました。


10. アトリビューションインサイト

アトリビューションインサイトは、検索、ディスプレイ、YouTubeなどのGoogleプロパティ上において、広告がどのように連携してコンバージョンを促進しているかを示します。


アトリビューションインサイト


11. 予算インサイト

予算インサイトでは、予算を最適化するための新しい機会を見つけ、予算目標に対する支出のペースを表示します。


12. ファーストパーティデータのオーディエンスインサイト

ファーストパーティデータのオーディエンスインサイトは、カスタマーマッチで作成した顧客セグメントがキャンペーンのパフォーマンスをどのように促進しているかを示します。


13. レスポンシブ検索広告の自動生成アセットで広告の関連性を向上

レスポンシブ検索広告に関しては、仮にオプトインした場合、ランディングページや既存の広告のコンテンツに基づいて、Google広告が自動的にアセットを作成します。そして、自動作成されたアセットと広告主から提供されたアセットを組み合わせて、最もパフォーマンスの高い組み合わせを表示し、広告の関連性を高めることができます。今年後半には英語で展開され、その後、他の言語でも展開する予定です。


レスポンシブ検索広告の自動生成アセットで広告の関連性を向上


14. レスポンシブディスプレイ広告の新しい縦長フォーマット

先日プレビューされたレスポンシブディスプレイ広告のモバイルファーストの新しいレイアウトにより、広告主はフルスクリーンの縦長広告でブランドをアピールできます。また、商品フィードに基づくスクロール可能な広告や動画を導入し、より魅力的なショッピング体験を提供します。グローバルな展開は、年内に完了する予定です。


※参考リンク:

Googleの広告担当ヴァイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのジェリー・ディシュラー氏は、同社ブログにおいて、5月25日(日本時間)に開催されるGoogle Marketing L...


15. アカウントレベルのアセットライブラリ

新しいアセットライブラリで、デジタルクリエイティブアセットを管理。世界中の広告主は、新しいアカウントレベルのアセットライブラリを使用して、すべてのデジタルクリエイティブアセットを保存し、管理することができるようになりました。また、YouTubeに最適化されたテンプレートを使って動画広告を作成し、Google広告アカウントにリンクされたYouTubeチャンネルに直接アップロードできる機能も近々提供予定とのことです。



※参考リンク:

アセット ライブラリは、広告の作成に必要なすべてのアセットに 1 か所からアクセスできる、Google 広告のアカウント単位の機能です。この機能を使



16. 最適化スコアの対象キャンペーンの拡大

最適化スコアの対象キャンペーンの拡大により、最もインパクトのある変更を優先的に行えるようになりました。最適化スコアは、キャンペーンがどの程度のパフォーマンスを発揮できるように設定されているかを推定するものです。数カ月後には、世界中の広告主が利用するGoogle 広告の全てのキャンペーンタイプに最適化スコアが適用される予定です。


17. リードフォーム表示オプションの改良によるエンゲージメントの向上

キャンペーンのリードフォーム表示オプションの改良を行い、2,500以上の質問から選択できます。使用したい質問がない場合は、カタログへの追加を提案できるようになりました。近日中に他の言語のサポートも追加する予定です。


18. Zapierとの統合

ZapierとGoogle 広告の統合により、何百ものCRMと簡単に統合できるようになりました。広告経由のリードがいつコンバージョンに至ったかなどを把握できるようになり、入札や将来のリードの質を向上させることができます。


19. リードファネルレポート

新しいリードファネルレポートにより、リードがどのように生成され、販売に至ったかを簡単に可視化できます。




変化する環境下でのレジリエンス(適応力)の構築に向けて


20. サーチリフトとコンバージョンリフトテストがGoogle 広告とディスプレイ&ビデオ360で可能に

リフトテストの導入により、広告のビジネスインパクトを理解することができます。今年の後半には、Google 広告とディスプレイ&ビデオ360で、検索とコンバージョンのリフトテストを直接実行できるようになります。コンバージョンリフトテストでは、ユーザーと地域に基づいたコンバージョンの増加を測定することができ、サーチリフトテストでは、YouTubeキャンペーンがGoogleとYouTubeのオーガニック検索を促進する効果を測定することができるようになります。




21. グローバルサイトタグがGoogleタグへ

今後数週間で、グローバルサイトタグがGoogleタグとなり、タグ設定をより簡単かつ効率的にする新機能を利用できるようになります。既存のグローバルサイトタグの実装は引き続き機能します。

22. プライバシーセーフな興味関心ならびにリマーケティングのテスト開始

今年後半より、Google 広告とディスプレイ&ビデオ360において、アップデートした興味関心ならびにリマーケティングキャンペーンのテストをグローバルで開始するとのことです。このテストには、新しいPrivacy Sandbox APIからのシグナルが組み込まれます。

23. 「My Ad Center」を2022年後半にも提供

ユーザーのプライバシー保護の重要性に触れた上で、Google I/Oで発表されたMy Ad Centerもあらためて紹介されました。「My Ad Center」を使うことで、ユーザーは広告体験をコントロールし、ブランドをフォローできるようになります。


※参考リンク:

Googleは、インターネット広告のプライバシーなどを設定できる「My Ad Center」を2022年後半にも提供することを発表しました。目次1. 今回の発表の内容2. 好きなブラン...




その他の発表

24. Googleアナリティクス4(以下、GA4)のホーム画面が刷新

GA4のホーム画面が刷新されました。よりインサイトに主軸を置いたカードで構成されています。Google広告の分析情報ページにもGA4同様の予測分析を活用したアトリビューションインサイトカードなどが追加される予定です。

25. 検索広告からビジネスメッセージを送信可能に

検索広告からユーザーがメッセージを送れるビジネスメッセージの機能がローンチ予定とのことです。

26. Googleショッピングでロイヤルティプログラムを訴求

今後数カ月以内に、米国内のユーザーがGoogleで買い物をしているときに、ロイヤルティプログラムのメリットを宣伝できるようになります。




27. AR機能による3Dモデルのアップロード

マニュファクチャセンターに3Dモデルをアップロードすれば、ショッパーはGoogleアプリ上でAR機能を使用して、対象の商品を実際のスペースに置くことが可能です。




28. ビジュアルで表示できるカルーセル形式のショッピング広告

よりリッチなビジュアルで表示できるカルーセル形式のショッピング広告が紹介されました。こちらは現時点では米国に限って提供されるフォーマットのようです。





発表された新機能一覧

Google Marketing Live 2022イベントおよびヘルプ(まとめ)で発表された新機能一覧は以下の通りです:

  1. YouTube Shortsへの広告配信をフルロンチ
  2. YouTube検索とYouTube Shortsに商品フィードを表示
  3. Discoverフィードへの動画広告配信テストを開始
  4. ディスプレイ&ビデオ360でコネクテッドTVのターゲティングが可能に
  5. A/Bテストツールの提供
  6. 検索広告360ならびにGoogle 広告モバイルアプリでのキャンペーン管理
  7. 店舗での販売最適化
  8. 新しいインサイトと説明
  9. 最適化スコアと最適化案
  10. アトリビューションインサイト
  11. 予算インサイト
  12. ファーストパーティデータのオーディエンスインサイト
  13. レスポンシブ検索広告の自動生成アセットで広告の関連性を向上
  14. レスポンシブディスプレイ広告の新しい縦長フォーマット
  15. アカウントレベルのアセットライブラリ
  16. 最適化スコアの対象キャンペーンの拡大
  17. リードフォーム表示オプションの改良によるエンゲージメントの向上
  18. Zapierとの統合
  19. リードファネルレポート
  20. サーチリフトとコンバージョンリフトテストがGoogle 広告とディスプレイ&ビデオ360で可能に
  21. グローバルサイトタグがGoogleタグへ
  22. プライバシーセーフな興味関心ならびにリマーケティングのテスト開始
  23. 「My Ad Center」を2022年後半にも提供
  24. Googleアナリティクス4(GA4)のホーム画面が刷新
  25. 検索広告からビジネスメッセージを送信可能に
  26. Googleショッピングでロイヤルティプログラムを訴求
  27. AR機能による3Dモデルのアップロード
  28. ビジュアルで表示できるカルーセル形式のショッピング広告




今回の発表のコメント

例年以上に盛りだくさんの内容でした。ローンチスケジュールが示されているものだけではなく、近未来の取り組みに至るまで、かなり積極的にGoogleの取り組みを紹介した印象です。


まず、冒頭の検索フォーカスは、きたるべきプライバシーガバナンス問題の影響で受けるであろう広告事業へのインパクトを見越し、不可侵と考えられているwalled garden内部に置かれるコア事業の検索を再定義の上、大幅に強化し、eコマースおよび広告における他社との覇権争いでリードをという強い意志が読み取れます。


YouTube Shortsのマネタイズに関しては先日の第一四半期決算発表で、アナリストとの電話会議でも質問されており、その時点ではやや慎重な回答でした。仮説ですが、かなり前倒しでローンチしたのではないかと思われます。


ここ最近の傾向からP-MAXへのフォーカスは明白でしたが、やはり相当強化を打ち出してきましたね。あとは、クリエイティブに対する強化と、ファーストパーティデータの活用をサポートする機能にも着手してきました。Zapierとの統合は、今後に向けてかなり大きなステップかと思います。最後に、規制などによる制限には適切に対応しつつも、マーケッターによる正しい意思決定とアクションにつながる計測と評価が可能になるよう、さまざまな努力をしているということも伝わってきました。


Googleは現状の混沌とした業界の状況の中でも、フォーカスすべき点を明確にし、プロダクト横断で解決に向けて動いていると感じさせるイベントでした。





Related posts

Top