【連載】アナリティクス賢者訪問 最終回:大内範行さん「アナリストはアンサング・ヒーローである」



アナリティクスに携わる人は多くいますが、それぞれに分析に対する考え方や思いは異なるもの。同連載は、アタラ合同会社コンサルタントの大友が、アナリティクス業界を牽引する著名な方々のもとを訪れ、それぞれの分析に対する考えや、魅力に感じる部分などをお聞きしています。第7回は、小川卓さんにお話を伺いました。


アナリティクスに携わる人は多くいますが、それぞれに分析に対する考え方や思いは異なるもの。同連載は、アタラ合同会社コンサルタントの大友が、アナリティクス業界を...

アナリティクスに携わる人は多くいますが、それぞれに分析に対する考え方や思いは異なるもの。同連載は、アタラ合同会社コンサルタントの大友が、アナリティクス業界を...





第8回であり、本連載の最終回となる今回は大内範行さん(アナリティクスアソシエーション)にお話を伺います。

話し手
アナリティクスアソシエーション
代表 大内範行さん

聞き手
アタラ合同会社
コンサルタント 大友直人


※本記事のインタビューは、2021年8月に実施されたものです。


目次

・日本IBMで学んだコンピューターの基礎
・検索キーワードには、人間の欲望の塊もビジネスを改善させるヒントも入っている
・データの位置づけをきちんと理解しないと間違った方向に行ってしまう
・分析で得られる喜びと造詣を深める面白さ、それを伝える喜びがモチベーション
・Google アナリティクスとGoogle アナリティクス 4 プロパティは全くの別物
・分析も、アナリストも“アンサング・ヒーロー”である



日本IBMで学んだコンピューターの基礎



大友:まず大内さんの自己紹介をお願いします。


大内:Google アナリティクスやネット広告を中心にデジタルマーケティングのコンサルタントとして活動をしています。Google アナリティクスはGoogleで7年間マネジャーを務めていたので、非常に思い入れのある製品です。


Googleなど企業での経験以外にも、これまでフリーランスやベンチャーの起業などいろいろな働き方にチャレンジしてきました。今回「いろいろな働き方にチャレンジしても全然大丈夫だよ、いいことがあるよ」ということも伝えられればと思っています。


大友:ありがとうございます。それでは簡単なご経歴を教えてください。


大内:日本I B Mのシステムエンジニアがキャリアのスタートです。いわゆる大企業としては、日本I B M、マイクロソフト、Googleなどに所属しました。マイクロソフトとGoogleの間に、自分でベンチャーを起業して、SEOに取り組んだこともあります。


ベンチャー企業を売却後、フリーランスとして独立し、5年間企業コンサルをしたり、書籍執筆をしました。そのころ実はサッカーライターとして物書きもしていました。


フリーランスの頃に、データ分析の協議会も立ち上げました。これが2009年から今も続けているアナリティクスアソシエーション(以下、a2i)というコミュニティです。ウェブアナリストの協議会で、現在約8,600名の登録者がいます。そして現在はGoogleのGMPパートナー企業でVP of Analyticsとして働いています。


大友:最初に日本IBMに入社された背景をお伺いしてもよろしいですか。


大内:新卒の時は何も考えていなかったです。受かったところに入ったという感じです。入社以前はまったくコンピューターについて学んでいなかったのですが、当時の日本IBMはとてもよい会社で、社員に対する教育や研修が充実していました。コンピューターの仕組みを基礎から徹底的に学ぶことができました。日本IBMでの学びが、自分の基礎をつくったと思っています。


大友:学生時代に勉強されていたことは、日本IBMでの仕事とは全く異なることだったのですか。


大内:はい。北海道大学の経済学部で、北海道の地域経済をどう活性化させるかというテーマを研究していました。例えばトヨタと愛知県の関係性がわかりやすいですが、ある地域で大企業が工場を持つと裾野をたくさん持つことができるようになり、地域経済が活性化します。私の大学時代は半導体企業の誘致が盛んだったので、北海道に半導体企業を誘致したら地域経済がどこまで改善できるか、ということを割と本気で研究してました。


大友:そうなのですね。では、a2iを立ち上げようと思った背景を教えていただけますか。


大内:私がウェブデータの分析に本格的に取り組んだのは2000年代ですが、2005年にGoogle アナリティクスというツールが世に出てきました。そのとき私はまだGoogleにいなかったのですが、興味を持っていじり始めているうちに、本を執筆することになりました。書籍について出版社の方とお話した際、僕だけではなく、他の方の意見も聞きたいと思ったので、ウェブの分析をやっている人たち10人にお話を伺いました。これは大学時代のフィールドワークの活動が活きたと言えるかもしれません。


お会いした方はいずれも、会社に与えられた仕事をやっているというよりも、自分で興味を持ってデータ分析をやっているという人たちばかりでした。企業がまだデータ分析の仕事を認知していない時代でしたから、孤独だったり、他の仕事と兼務だったり、ジレンマを抱えていらっしゃいました。私が話を聞きに行くと、初めて話のわかる人に会えたと、とても盛り上がったのが印象的でした。


出版後も、私の本にたくさんの付箋を貼ってくれた方にお会いしたりしました。こういうデータ分析に興味を持っている優秀な方々が、会社に話し相手がいなくて孤立しているなら、その方たちをつなげればいい、と思うようになりました。そこで協議会を立ち上げました。


大友:8,600名の会員がいらっしゃると伺いましたが、立ち上げ時はそこまで大きくなると予想していましたか。


大内:全く予想していませんでした。最初に集まったのは約20人で、WWFジャパン(世界自然保護基金ジャパン)という国際的NGOの自然環境保護団体のウェブサイトに許可をいただいて、参加者全員でGoogle アナリティクスを使って分析をし、報告し合うというワークショップを開いていました。今でも大きくするつもりはなく、コアなユーザー同士が集まり、お互いに情報や経験を共有できればいいと思いながら運営しています。



検索キーワードには、人間の欲望の塊もビジネスを改善させるヒントも入っている



大友:そもそも大内さんがデータ分析ツールに興味を抱いたきっかけを教えてください。


大内:私がインターネットのログを見始めたのは、日本IBMにいた1992年頃でした。インターネットのかなり初期の段階、GopherやTelnetといったプロトコルもまだ現役だった時代に、プロトコルなど基礎的な仕組みを知る機会がありました。また、インターネットのブラウザを自分で企画して、製品化もしていました。当時社内にそんな仕事はなかったので、自分たちで仕事を作った感じです。Microsoft Windows 95発売前でしたが、その頃からインターネットのプロトコルやログをかなり見ていたのです。


その次の体験が、検索エンジンのキーワードです。マイクロソフトに入社し、マイクロソフトネットワーク(MSN)の立ち上げメンバーになったときに、検索エンジンの裏側でユーザーの検索キーワードを確認できる立場になりました。


これを見ると、もう人間の欲望の塊がそこにすべて詰まっているといった感じで、かなりショックを受けました。でもそこにはユーザーを知るきっかけもたくさんあるし、ビジネスを改善するヒントもあると思いました。検索キーワードやウェブデータの分析に情熱を持って取り組み始めたのは、マイクロソフトの仕事がきっかけです。


ウェブのユーザー行動データや検索キーワードを分析して改善を行っていくと、サイトの改善につながっていくので、データ分析が面白くて、どんどんのめり込んでいきました。


そしてGoogle アナリティクスというツールが出てきました。もともとはUrchinというツールを買収したわけですが、Urchinにも触れていたので、Google アナリティクスにも興味を持って使い始めました。


大友:Google時代のお話も聞かせてください。Googleには7年間在籍されていたそうですが、その間にGoogle アナリティクスの製品自体も大きく変わっていったと思います。7年間 Google アナリティクスに携わってきた中で、どのような苦労がありましたか。


大内:Google アナリティクスで苦労したこと…仕事がとても楽しかったので、苦労した思い出というのはあまりないです。ただ、一つフラストレーションがあったとしたら、ツール提供側だったために、お客さんのところに行ってサイトを一緒に改善するといったことができなくなってしまったことです。


ツールが成長していくのを一緒に体験できたという意味では最高でしたが、もっとウェブのビジネス改善に取り組みたいという思いが次第に強くなりました。



データの位置づけをきちんと理解しないと間違った方向に行ってしまう



大友:Googleのパートナー企業に入社されたのはそういった意図だったのですね。


大内:今の会社はGoogleのGMP(Google Marketing Platform) パートナーなので、Googleとの距離も近く、かつ、お客さんと一緒に仕事ができるという意味で、良いポジションだと思います。


加えて外資系で、透明性の高いグローバル企業なので、欧米やインド、シンガポールなどのアジアのスペシャリストたちに手伝ってもらいながら、日本のお客様のプロジェクトを進めています。日本だけでは分からないソリューションやノウハウを共有しながら働けます。しかもGoogleとのパートナーシップが強いので、Google アナリティクス製品の最新情報に触れたり今後の方向性をGoogleと話したりすることもできます。


大友:内側からその製品自体を変えられてきた経緯もあり、それをまた外側からコンサルティングして、企業さんをサポートする。それをグローバルで提供できるのは非常に面白そうですね。


大内:そうですね。特に最近はプライバシー保護への対策が重要な課題になってきました。それに伴ってアナリティクスがどんどん変わろうとしています。その影響で、導入設定が一段と難しくなってきました。どのようにタグを設定するとか、同意しているユーザーと同意してないユーザーをどう振り分けていくとか、タグをクライアント側からサーバー側の発行に変えるとか、導入設定すべき作業が非常に多くなってきています。そういった細かな設定やデータプラットフォーム構築を、事業会社の担当者さんが全て把握するのは不可能なレベルに来ていると思います。その意味で、事業会社さんはいいパートナーを選ぶことが大切だと実感しています。


大友:今後アクセス解析やデータ分析を支援する会社にはどのようなことが求められると思いますか。


大内:プライバシー保護への対策が重要になればなるほど、データの取り方や今取得しているデータの詳細をきちんと把握理解している人がいないと、間違った方向に行ってしまうと思うのです。きちんと設定するためにはそれなりの技術力と経験が必要になってきますが、もう事業会社の担当者では賄えないレベルに来ていると思います。


しかも、その設定は直接売り上げアップにはならないので、予算化が難しい面もあります。企業にとって必要不可欠なものだということを、きちんとお客さまに分かってもらう必要があります。ここをお互いに認識していないと、その後プロジェクトが思うように進まない可能性があります。お客さまとパートナーがきちんと取り組んでいくということが大事になってくると思います。


大友:いちコンサルタント、ビジネスマンとして求められることは何でしょうか。


大内:インターネットの初期の頃は自分一人で、なんとかなる世界だったので、1人で学べば十分対応できる世界でした。しかし今はチームで動かないと駄目ですし、社内だけに限らず国境や会社を超えたつながりをどんどん活かしていくことが求められると思っています。



分析で得られる喜びと造詣を深める面白さ、それを伝える喜びがモチベーション



大友:では大内さんがこれまでアナリティクスツールを活用されてきた中で、どういったところに魅力を感じていらっしゃいますか。


大内:例えばお店なら、店員としてお店に立っていれば、お客さんがきているか、喜んでいるか、どのぐらいお店にいたかなどが分かるのですが、ウェブサイトもアプリも触っているユーザーが見えないですよね。アナリティクスツールを活用すれば、データからユーザーの行動を知る(=見る)ことができます。そこに魅力を感じています。見えないユーザーについてデータから推測して分かるということが、アハ・モーメントになります。データ分析からの発見が魅力の1つ目です。


2つ目は、深く知っていくことの喜びです。私はいつでも何か1つのことを始めると、裏側の仕組みまで学ばないと気が済まない質です。例えば好きな歴史のことを調べ始めると、国会図書館まで行って資料に当たるなど、ハマりやすい性格なのです。なのでSEOをやっていた頃は、Googleという検索エンジンがどのような仕組みで動いているのかとか、Googleのファイルサーバーがどのような構成でどのような形式のデータを取っているのかといったことを、論文を読みながら学んだりしていました。ちなみにそれらが蓄積されて、『日経パソコン』で検索エンジンの仕組みというテーマで連載を持ったこともあります。デジタルマーケティングやデータ分析も、同じように深く学ぶ喜びが魅力の2つ目です。


3つ目はアナリティクスを通じて伝える喜びがあると思います。私は文章を書いたり、ストーリーを作ったりすることが好きなのですが、自分の理解した複雑なことをわかりやすいストーリーにして伝える、そうした努力がチームを動かしてビジネスを改善できると思うのです。そのため、伝える喜びがある点が魅力の3つ目になります。


発見の喜び、知識を深める面白さ、それをわかりやすく伝えて人やビジネスを動かす喜び、この3つが私自身の中で大きなモチベーションになっています。また、自分の成長にもつながっていると思います。これは誰にとっても大事な点だと思います。これにアナリティクスがぴったりはまるからこそ好きというか、面白いと思っています。


大友:反対にアナリティクスやツールを触るときに、難しい点はありますか。


大内:いつの時代も分析には立ちはだかる壁があります。最初の壁はやはりデータをうまく取れないという壁です。Google アナリティクスひとつ取ってもタグをちゃんと設定しないといけないのですが、きちんと設定できているサイトはまだまだ少ないです。


コンバージョンが取れていなかったり、訪問トラフィックの区別ができていなかったり、会員登録のデータがきちんと取得できていなかったりするので、そういったところがいつでも壁になります。今後プライバシー保護への対策が重要になるので、データを取ることがさらに難しくなっていきます。壁はより高くなるでしょう。そこをどう克服していくかがやはり一番難しいところです。



Google アナリティクスとGoogle アナリティクス 4 プロパティは全くの別物



大友:2020年にGoogle アナリティクス 4 プロパティ(以下、GA4)が発表されました。これはGoogle側の思想や業界の流れもあって誕生したのではないかと推察しているのですが、大内さんはどのようにお考えですか。


大内:誤解を恐れずに言えば、最初にGoogleがUrchinを買収して、Google アナリティクスとしてスタートとき、実はそこまで大きな目的はなかったのではないかと思うのです。大事なデータをほかの企業に取られるぐらいだったら、Googleがちゃんと持ちたいという、その程度の思惑で買収されたのではないかと思います。当初は有料で出す計画だったのですが、決済手段を構築しようとしたら膨大な時間が掛かるということが分かったので、無料で出すという決断になったというエピソードもあります。


無料で提供されたこともあって、Google アナリティクスはどんどん広がっていきました。最初はサイトのアクセス解析ツールという認識でしたが、Googleの強みでもある広告との連動が強化され、自然検索と広告の比較や、改善につながるセグメントの抽出などを通じて、トラフィック全体からみた広告効果が分析できて、活用できるようになっています。


今までセッションやページビューで分析していたものを、もっとユーザー、つまり人の単位で長期間分析ができるツールとして発展して、今はさらに機械学習を活用し、改善まで自動化していくツールを目指すステップに来ていると思っています。


GA4が出てきた背景ですが、1つはもう「ページ」という単位が古くなったということがあります。アプリが出てきましたし、ウェブのページもどんどん長く、リッチになってきています。いわゆる「ページ」「ページビュー」の計測単位が、どんどん時代遅れになってきています。


そのため、イベントでユーザー行動を取っていくという決断になり、それならデータ構造から考え直さないといけないということになりました。また、デスクトップとモバイルなど、クロスプラットフォーム分析が必要になってきました。ユーザーIDをキーにしてつなげたり、Googleのアカウントの情報を基礎にしたGoogleシグナルを部分的に使うといったことが必要になってきています。今までのユニバーサルアナリティクスにも機能追加はされてきましたが、中途半端で限界があり、新しいプラットフォームとして作り直したということです。


GA4は今までのGoogle アナリティクスとはまったく別のツールです。過去のデータも引き継げません。導入も、これまでのバージョンの置き換えではなく、並行導入です。実は、これまでのツールの延長と思って使うと、とても使いにくくて、不満が大きくなります。私自身はもはやこれまでの分析ツールの延長版だとは思っていません。GA4は新しいデータプラットフォームという位置付けで捉えています。


大友:今現在だとGA4を導入している企業はそこまで多くないのではないかというイメージがあります。GA4の中でマイナーアップデートが繰り返されたり、いきなりUIが変わってしまったりするということが大きな理由だと思うのですが、GA4が多くの企業に浸透するまでにはどのくらいの期間が掛かるとお考えでしょうか。


大内:特に具体的な時期はありませんが、いつかGoogleが今のユニバーサルアナリティクスをやめるというメッセージを出すと思っています。GoogleからのメッセージがきっかけになってGA4が普及していくということは考えられます。


もう1つは、いわゆるサイト分析ツールだと期待してGA4に接すると、おそらくそこまでいいツールではないと思うでしょう。そうではなく「Google BigQueryとGA4と合わせて、新たなデータプラットフォームを作って、できるだけ改善を自動化する、そのためのツールなんだ」という認識を持てば、良いかなと思います。例えば広告に投資している方々は、CRMと連動させたり、店舗のデータと連動させたりして、今までできなかったことを目指せば、GA4が活用できると思います。


大友:まさに機械学習や自動化が1つのポイントですね。GA4は、集計自体は非常にシンプルな部分があります。それが機械学習に適用しやすい大きな特徴だと思うのですが、そこに関連して今後のアナリティクス業界やGoogle アナリティクスはどのように変わっていくと予想されていますか。


大内:ウェブサイトのデータ分析は、大きく2つのカテゴリに分けて対応する必要があると思います。1つは、サイトに来るまでのユーザー行動の分析です。トラフィック分析の部分です。もう1つはサイトに入ってきたあとどれだけきちんと歩いてくれたか、サイト内の行動分析です。


トラフィック分析と改善のところは、どんどん自動化されていくでしょう。そして今後GA4とGoogle BigQueryを中心に、自動化プラットフォームを構築する必要性が高まるでしょう。


ただ、サイト改善のところは、自動化がまだ難しいです。そもそもGoogleアナリティクスのデータだけでは限界があります。サイト改善をする際、私の場合はデータを見るのではなく、データ以外の情報、例えばユーザーテストやユーザーのインタビューやアンケートをしたり、分析をするにしても個票といって1人のユーザーがサイトをどう歩いたかを見たりしています。サイト改善は、データよりも、もっとユーザーの行動や意図そのものを知る必要があります。


ユーザーの行動を自分が擬似体験できて、初めて改善の思いつきができます。まだまだサイト改善は、人の知恵に頼る割合が大きいと思います。発見や仮説が出てきて、それに基づいて改善施策が実行できてはじめて、それを確認検証するためにデータを見る、という感じです。私にとってサイト改善におけるデータ分析は、検証のためのもので、いつでもデータはあとです。ユーザーの発見という意味ではもっと別のものを頼っていく必要があると思っています。


その意味ではGoogle アナリティクスで全てができると誤解をせず、調査手段をいろいろ持っていくということが大事です。



分析も、アナリストも“アンサング・ヒーロー”



大友:Google アナリティクスだけだと目の前の数字に踊らされてしまいがちですよね。では最後に、アクセス解析に携わっている方へのメッセージをお願いします。


大内:Googleの中でGoogle アナリティクスは“アンサング・ヒーロー”、つまり歌われることのないヒーローだと思うのです(アンサングヒーロー=「達成した偉業を正しく評価されることのない名もなき英雄」)。非常に大事なデータを扱っているにもかかわらず、売り上げを伸ばしたりGoogleのビジネスに貢献したということが、なかなかはっきりとは見えにくいものです。それでも必要不可欠なので、広がってきているということだと思います。


なので私はGoogle アナリティクスに対してよく「アンサング・ヒーロー」という言葉を使ってきました。アナリストやアナリティクスに関わる方もそういった黒子の存在なのではないかと思っています。世の中に直接出たりアピールできることは少ないかもしれませんが、そこには、発見の喜び、深めていくという喜び、それを人に伝えるという喜びがあります。その結果何か改善ができれば、チームの喜びにつながります。直接ゴールを決めるわけではないのですが、2本ぐらい前のパスで貢献している。それで良いのではないでしょうか。


結局は売り上げをあげた担当者や責任者がヒーローになるので、アナリストの方は常に裏方でアシスト役ですが、目立たなくても根源的な喜びがあるからこそ携わる価値のある仕事だということを私は伝えていきたいです。


大友:なるほど。本日はありがとうございました。


大内:こちらこそありがとうございました。



おわりに

アナリティクス業界を牽引する著名な方々のもとを訪れ、それぞれの分析に対する想いや考え、魅力に感じる部分などをお聞きする新連載「アナリティクス賢者訪問」。各回でスペシャリストの方にお伺いし、本連載は今回で最終回となります。


毎回テーマは同じものの、賢者によっては思想や考え方が異なることもありました。多くの方にとって大変参考になれれば幸いです。取材にご協力いただいた皆さま、読者の皆さま、本連載を温かく見守っていただきありがとうございました!

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