【対談】Adjust 佐々さんに聞く:IDFAオプトイン化によって起きること、今やるべきこと

2020年6月、Appleが公開したiOS14の内容はアプリマーケティング界に大きな衝撃を与えました。IDFA (Identifier for Advertisers)と呼ばれるiOS端末の広告識別子の取り扱いに変更があり、今後IDFAを利用するにはユーザーからの同意が必要、つまりオプトイン化が必要になると発表されたのです。


プライバシー保護の流れがWebだけでなくアプリにもいずれ波及するだろうことは薄々予想されてはいましたが、FacebookがAudience Networkへ大きな影響を受けると発表したほか、詳細な仕様が明らかになっていない中で対応期日が短すぎるなどの批判が相次ぎ、結果としてIDFAオプトイン化は “early next year” 、2021年初めまで延期されました。問題の2021年初め(おそらくQ1中)が近付く中、あらためて影響範囲をおさらいし、実際に今何をすべきなのかをadjust株式会社の佐々さんに伺いました。



※参考リンク:

Read how iOS 14 changes are impacting Audience Network and our commitment to helping developers and publishers during this time.

At Apple, we believe that privacy is a fundamental human right. As announced at WWDC20, App Store product pages will feature a new privacy information s...


話し手:
adjust株式会社
ゼネラルマネージャー 佐々直紀さん

聞き手:
アタラ合同会社
チーフコンサルタント 浅田梨沙


目次

・IDFAオプトイン化によって起きること
・Adjust SDKによって計測イベント数を増やすことができるなどメリットがある
・IDFAオプトイン適用までの間に今やるべきこと



※本記事はオンラインでインタビューを実施しています。



IDFAオプトイン化によって起きること


浅田:今日はいわゆる「iOS14問題」と呼ばれるIDFAのオプトイン化について、どのような影響があるのかとAdjustさんが取り組まれている対策をお聞きしたいと考えています。IDFAのオプトイン化自体は延期されましたが、まずは問題になっている事象について、そしてその影響を簡単にご説明いただけますか。


佐々:今回の発表内容で、特にマーケティングに関わるものとして大きなアナウンスというのは、やはりプライバシーの透明性と保護の強化です。Appleさんから、ユーザーを特定するためにIDFAという端末をユニークに特定するIDを提供されているのですが、今まではそれを基にユーザーの行動を把握したり、リターゲティングをしたりなどの活用をされていました。IDFAはユーザー分析をする際にもキーとして幅広く使われているものでした。


しかし、これは今までユーザーが特に意識をせず使われていたものだったので、Appleさんとしてはしっかりとユーザーの同意を得てから使えるようにしたいのでしょう。iOS13まではLimit Ad Trackingという機能をオンにするとIDFAが読み込めなくなる設定にもできたのですが、それを知っているユーザーは非常に少なかったのです。


今後は、ユーザーの同意がない限りIDFAが取得できないというのが大きなポイントです。つまり、デフォルトが取得オフの状態、ユーザーの同意が得られれば取得設定がオンになるということです。


プライバシーの透明性という点においては、AppTrackingTransparency(以下、ATT)とIDFAをまったく使用しなくても流入元の効果検証ができるSKAdNetwork(以下、SKA)という二つのフレームワークが発表されました。



※参考リンク:AppTrackingTransparencyとは

AppleのiOS 14アップデートについて知っておきたい変更内容と、それがユーザー同意と広告トラッキングにどう影響するかを理解しましょう。

※参考リンク:SKAdNetworkとは

iOS14のリリースに伴い、アプリマーケターがiOSでキャンペーンを計測する方法が変化します。SKAdNetworkがマーケターにとって何を意味するかをご確認ください。


ATTはユーザーに対してIDFAの同意をしっかり取っていくというものです。同意がなされれば、その端末に関してはIDFAが取得でき、今までと同じようにリターゲティングや分析に使うことができます。しかし、IDFAの同意をしないと選択したユーザーや、ポップアップの同意画面が表示された段階で何も押してないユーザーは、許可をしていない状況となるので取得できません。


SKAについては、IDFAを使用せずに計測できるようにするフレームワークです。例えば、広告がクリックされたときに広告に署名が付くイメージです。署名自体がアプリストアからインストールまでずっと引き回されていくようなものなので、アプリ起動時にiOSが署名を読み込むことで、ユーザーがどの広告をクリックし、インストールしたかを特定できる仕組みです。


ポイントは、ATTに関してはAdjustがトラッキングのジャッジメントをしているという点です。Adjustのトラッカーを発行して広告がクリックされた場合、Adjustがそのクリックログを持っていて、インストールされた後にAdjustのSDKがユーザーのIDFAを読み込むことで、Adjustのサーバー上でクリックとインストールのあったユーザーをマッチングする仕組みです。


このようにATTは計測にAdjustが関わっているのですが、SKAの場合Adjustはまったく介在しておらず、Appleさんとアドネットワーク間でのみ通信が成されています。そのためSKAに関しては、流入元を評価する際に、Adjustとしてはアドネットワーク側からそういったデータをもらわない限り、管理画面に反映させられないという違いがあります。


浅田:そうすると、今までAdjustで取得していたデータよりも、粒度が粗かったりデータが減ったりするイメージですか。


佐々:そうですね。SKAはいろいろな制限があって、例えばリアルタイム性があまりないのです。これは、あえてユーザーを特定させないためにリアルタイムではなくしています。インストールの時間を特定すると、もしかしたらユーザーを特定できてしまうという問題が残るので、あえて少しランダムな、最短で約24時間経過後にようやくインストールの情報がアドネットワークに飛んでいく仕組みになっています。つまり、広告を打ってすぐ当日の配信状況を見たくとも、SKAでは見ることができません。


浅田:最短で24時間なので、何時にインストールしたのかということも見られなくなるのですね。


佐々:はい。アドネットワーク側からデータを回収することはできますが、それ自体にインストールの時間がないのです。なので、Adjustのレポート上でSKAの数値を見る場合は、アドネットワークから情報を受け取ったタイムスタンプという形で表現しています。


今までマーケターさんが使っていたようなコホートレポート、インストール後の継続率や実際にユーザーがアプリ内でどの程度課金をしているのかなど、そういった細かな粒度の情報がSKAでは取れません。そうすると、投下したコストに対して、どれぐらいインストールが起こったかという程度の判断しかできなくなります。


浅田:IDFA取得を許可したユーザーしかコホート分析ができなくなるということですよね。


佐々:はい。IDFAを許可してもらえさえすれば、今までどおり見ることができます。ユーザーの端末を特定するキーが持てないと、いくらアプリ内でユーザーがイベントを発火させたり何かを購入したりしたとしても、どのユーザーのアクションかが分からなくなってしまうのです。


浅田:いろいろな資料を読んでいると、IDFAのオプトインを許可するユーザーは10~20%にすぎないだろうという見立てがあるようです。8割から9割のユーザーのイベント計測ができなくなるという理解で合っていますか。


佐々:予測されているレポートのとおりIDFAを許可するユーザーが10~20%だった場合はそうなります。ただ、いろいろなレポートが出ていて、おっしゃるとおり、かなり少ないだろうと予測されている企業さんやメディアさんもいらっしゃれば、約6割のユーザーが許可する準備があると書かれている記事もあり、実際にやってみないと分からないところがあります。要はユーザーがこれを見て、どう理解するかということだと思うのです。


ただし、いきなりポップアップが表示されても意味が分からない人がほとんどでしょうし、多くの人は「怪しいものはNOにしておこう」となってしまうと思います。すると同意率は低くなってしまうでしょう。そこで、最近われわれのブログでもUXチームが提案しているとおり、ポップアップを表示する前にユーザーに対して、しっかり説明するためのアプリ内ページを挟むようにして「次にこういうポップアップが表示されますが、同意してもらえると、こういうメリットがありますよ」ときちんと伝え、透明性を確保することによって、同意率を上げられると思います。



※参考リンク:

直近リリース予定のiOS14のデータプライバシーの変更に対応するため、ユーザーをオプトインに導く最善のUXアプローチを見つけるためのヒントをお届けします。


ユーザーにとっても同意しない場合のデメリットがあり、自分に関係のない広告がどんどん出るようになってしまいます。また、アプリ内広告を収益としているアプリにとっては、最終的にはアプリ自体を有料にせざるを得ないこともあるでしょう。その場合、広告を表示しない有料アプリにするのか、広告は表示されるが今までどおり無料でアプリを使うために同意してもらうか、という選択肢を出すことも検討できると思います。


浅田:ポップアップを表示する前に、メリットを説明するページを出すというご提案がありましたが、IDFAのオプトインポップアップはいつ表示させてもよいのでしょうか。


佐々:実は具体的にどのタイミングで表示しなければいけないのかは、まだ明示されていないのです。さらに流動的な情報として、Appleさんのガイドラインをよく見てみると、われわれのような計測SDK自体も起動するためにはユーザーの同意が必要ですと書かれているところもあります。そうなってしまうと、もう完全にSKAに頼らざるを得ないので、アプリの初回起動時に表示することになりますが、それはまだ可能性の一つです。


ATTはIDFAに同意してもらえればユーザーのマッチングができます。もしそれができなかったとしても、AdjustのSDKさえ起動すれば、フィンガープリントによる確率的なマッチングの方法がまだ取れるのです。それはリアルタイムのクリックの情報、つまりほぼクリックが起こった際にユーザーエージェントなどの情報を取得し、実際にアプリが起動した場合も同じ情報を取得、それらを一つ一つ突き合わせていくことで「このユーザーはおそらく同一人物だ」ということがIDFAを使わなくても分かります。なので、仮にATTでユーザーが同意しなかったとしても、Adjustでは95%ぐらいのマッチング精度があるのです。


そのフィンガープリントとATT、さらにSKAという三つの計測手法が残されている状況ですが、仮に初回起動時にユーザーの同意が得られず、AdjustのSDK自体が起動できない場合、フィンガープリントも使えなくなってしまいます。そうすると、もうSKAで計測するしかない状況になる可能性があります。ただ、これに関しては今後もいろいろ動きが出てくると思われます。


浅田:この状態はAdjustさんだけではなく、言ってしまえば業界の計測SDK全てに大打撃ですよね。


佐々:そうですね。計測のためのSDKということだけではなく、リターゲティングなどに使用するところも含まれているので、あらゆる分析系のSDKやアドネットワークが出しているSDKや各プレイヤーさん、パートナーさんが提供しているSDK全てに影響するということです。本当にそこまでいくのかはまだ分かりませんが。ガイドラインには書いてありつつも、厳密にどこまでそれがルールとして定められるかという部分は、また別の問題です。


浅田:ガイドラインには記載があるけれど、実際はそこまで踏み込まれないということがあるのですね。


佐々:ガイドライン遵守はもちろん重要です。ただAppleさんに確認をしながら必要な対応を見極めていく必要があると考えています。あとはアプリ内メッセージでユーザーの同意を求めていく部分についても、Appleさんはどういう表現ならOK・NGなのか、今後具体的な話が出てくると思います。例えば海外のメディアを見ていると、ユーザーにインセンティブを提供することによって同意を得ましょうという提案も見ました。インセンティブにもいろいろありますよね。ゲームのコインやアイテムのようなものを提供するというやり方が本当に大丈夫なのかというと難しそうな気もしますし、その辺りの具体的な例も今後出てくると思います。


浅田:どこまでが許されて、どこからNGなのかという詳細は、適用されるまで分からないものなのでしょうか。


佐々:ある程度具体例は出てくると思いますが、最終的にはアプリストアの審査に関わってくるので、Appleさんに確認するのが一番確実だと思います。なのでいくつかのパターンを実験しながら、今後マーケターはAppleさんの審査ガイドラインに沿った内容で、同意率の高い設計や、どういったメッセージがよいかを考える必要が出てくると思います。


浅田:なかなかハードですね。


佐々:ハードですよね。iOS14はリリースされましたが今すぐに同意のポップアップを出す必要はないと、猶予期間ができたというのが今の状態です。現時点でiOS14が出ているので、本番環境で実装しようと思えば実験もできてしまいます。ただ、今はまだやらないことをお勧めしています。


というのもユーザーに取得拒否されてしまったら、そのユーザーのIDFAはもう取れなくなってしまうからです。まだ本番の環境では実装せずに、内部でどのようなパターンなら同意率が高いのか検証されるとよいと思います。


浅田:適用されたら、もう統一しないといけないのですよね。


佐々:はい。実際に開始の日付はまだ発表されておらず、今のところはポップアップを出さなくても今までと同じようにIDFAは使える猶予期間ですが、来年のどこかの日付以降はポップアップが表示されない限りはIDFA自体が取得できないということに、がらっと変わってしまいます。


浅田:いっそ、許可のポップアップは出さないという判断をすること自体もあり得ますか。


佐々:それもあり得ます。デベロッパーさんやパブリッシャーさん自体が特にIDFAがなくてもいいというアプリに関しては、ほとんど広告を実施していないアプリも世の中にはあるので、そういった場合はIDFAが取れなくてもそこまで影響はないことも考えられます。


あるいはSKAだけで流入元の評価分析ができればいいという方もいらっしゃると思います。同意のポップアップ自体を表示しないという選択肢はあります。


浅田:同意のポップアップを出すタイミングやメッセージの検証工数もかかりますし、もう今後はIDFAを取得しなくていい、計測SDKももう使わなくていいという判断をされるアプリベンダーもいるのではないかと思ったのですが、いかがでしょうか。


佐々:実はあまり懸念はしておらず、計測や細かい分析をしたいニーズは続くと思っています。また、一時的かもしれませんが、まだAndroidに関しては環境が変わっていません。


流動的ではあると先ほど言いましたが、AdjustのSDKが起動さえできれば、95%の精度でフィンガープリントは使えるので、これが残されている以上は今までとほぼ同じような細かな粒度のデータ、継続率のデータが取得できます。もし仮にユーザーがIDFAに同意しなかったとしても、約95%の精度のマッチング方法は残されていて、さらにSKAも併用できるので、計測環境自体がそれほど壊滅的になるとは思っていません。


もう一つ重要なこととしては、いったんユーザーが許可しなくとも再挑戦できるということです。回数の制限は今のところ公表されていないのですが、例えばeコマースのアプリだと購入完了時、ゲームのアプリだとレベルの達成など、アプリに対してユーザーが満足しているであろうタイミングで、あらためて「今あなたは許可していない状態ですが許可していただくと、こういうことが起こります」とメリットと説明を表示させることができます。そこで設定を変更していただくこともできます。なので、こういった継続的な努力の下に、iOSにおいてできるだけ細かいデータをマーケターさん同士、情報を共有し合いながら業界全体で確保していこうということが一番大きなテーマではないでしょうか。



浅田:確かに、こういう仕組みではオプトイン率が高かった、低かったという事例を共有して協力していけるといいですね。


佐々:われわれとしても社内にUX専門スタッフがいますので、今後段階的にブログなどでアイデアを出し、サポートの一環として情報配信していこうと思っています。


浅田:SDKベンダー各社の発表内容を見ていて思ったのですが、Adjustさんはマーケターが何を考えて実施すべきかという提案まで踏み込んでくださる印象がありました。それで今回インタビューのお願いをさせていただきました。


佐々:ありがとうございます。小手先のテクニックでユーザーをだますのではなく、機能のメリット・デメリットをユーザーにしっかり理解してもらい、判断を仰ぐことが重要だと思うのです。それこそがまさに、Appleさんが取りたかったプロセスですよね。勝手にIDFAがいろいろなところに使用されている環境を変えたかったというのは、Appleさんの目的にも則していると思います。


浅田:はい、今回の変更は大打撃ではありますが、ユーザー目線で考えたら、ユーザーにとってよい環境をつくろうとしていて悪いことではないはずですね。


佐々:そうですね。こういったユーザープライバシー保護の動きはブラウザなどでも起きていますし、通るべき道なのではないかと思います。そこでパニックにならず、データを取れるソリューションに関してしっかり吟味し、KPIの見方が変わる場合はどうするかといった話を、自社内や広告代理店、アドネットワークなど各パートナーと準備をすることが重要だと思います。


われわれとしては、なるべく具体的なUXのご提示もしながら「同意がなくてもフィンガープリントのような方向で引き続き精度の高いデータを確保できますよ、さらにSKAも登場しましたよ」という説明をすることによって、状況的には落ち着いてきていると思っています。




Adjust SDKによって計測イベント数を増やすことができるなどメリットがある


佐々:Adjustの最新版SDKではATTとSKAの両方をサポートしています。なぜ両方かというと、アプリデベロッパーさんが自分たちでポップアップを出す仕組みやSKAで計測される仕組みなどを一からコーディングしなくても、Adjust SDKの中にパッケージとして入っていますという意味です。つまり、開発時間が大幅に節約できるというのも、Adjustとしてアピールしたいポイントです。


さらに今後、Adjustの管理画面にSKAのレポーティング環境も追加します。粒度は劣るとはいえ、なるべく多くの示唆を得るために見やすく工夫しているものをリリースしています。


SKAのレポートはアドネットワークやDSPの管理画面で見ることはできますが、複数のネットワークを一つのプラットフォーム上で比較分析できるという点にAdjustのような計測プラットフォームを使う利点があると思います。


SKAのイベント計測の仕組みについてもお話しします。アプリ内のイベント、計測したいポイントはパブリッシャー側で自由に設計できます。例えばeコマースのアプリだと、検索した、お気に入りに入れた、カートに入れた、購入したといったアプリ内で計測したいポイントを、Adjustの管理画面から自由に設定していただいています。これを設定しておけば、インストールユーザーがアプリの中でどういう行動をとったか、例えばあるネットワークからカートに商品を入れてくれたユーザーは何%いるのかといった分析をするために、非常に重要な指標が取得できます。


SKAをAppleの仕様に基づいて実装した場合、最終的に計測できるイベントは1種類だけなのです。イベントを複数設定しても、最終的に把握できるのが1個だけなのです。そうなってしまうと、アプリ内の行動率を把握できないという問題があります。そこでAdjustの管理画面から設定していただけば、最大六つまではイベント発火を把握できるよう工夫をしています。


浅田:SKAで計測できるイベントは1種類のみということは変わらないにもかかわらず、Adjust SDKを入れていることで擬似的にというか、計測イベントを増やせるということですか。


佐々:はい。AppleさんのSKAではコンバージョンバリューという設定があり、これは2進数の数字で6桁のものです。000000という数字から111111という数字で、最大64種類のイベントの種類を設定できるのですが、最終的に送られるコンバージョン値は1個だけに絞られます。


Adjustは、その000000と111111というところに着目して、6桁それぞれの桁にそれぞれのイベントが発火した、発火してないというのを01で表現することによって、イベント発火を把握できるという仕組みです。これはAdjust独自の技術ではなく、Appleさんの定めた6桁の数字の扱い方を少し工夫することで、6種類のイベントの連続的な発火も把握できるという意味合いです。


浅田:ありがとうございます。まとめると、Adjustさんが提供されているソリューションは大きく三つ。三つ目のSKAのサポートの部分に、複数のイベントを計測できるようにする点が入ってくるということですね。


佐々:はい。最新のSDKで、ATTとSKAも対応しているというのが一つ目。そしてSKAの分析環境としてグラフをカスタマイズし表示できる管理画面をリリースしましたというのが二つ目。最後にSKAのイベント計測も管理画面からコントロールできるようになるというのが、現時点でご提供する具体的なソリューションです。



浅田:ありがとうございます、よく理解できました。




IDFAオプトイン適用までの間に今やるべきこと



浅田:最後に今後の対策とIDFAオプトイン適用までの間に、今やるべきことについてお聞きしたいと思います。まずIDFAオプトイン適用までにやるべきことは何でしょうか。


佐々:われわれとして一番お願いしたいのは、まずはSDKのバージョンを最新バージョンにしていただくことです。最新版にATTとSKA両方に対応する仕組みが備わっているので、ユーザーにオプトインしていただくための戦略構築、UXの部分を進めていただくとよいと思います。


また、SKAでどういったコンバージョンを計測していくか、イベントを六つまで設定できるので、六つをどこに当てはめるかとか、実際にSKAに対応しているネットワークにテスト配信してみて、レポートに反映されるまでのテストをするなどをおすすめしています。これらはテストを実施できるネットワーク側の準備が完了した後に、できるだけ早く整えておくとよいかと思います。


また、内部の分析環境でIDFAをキーとして使っている場合は、それも見直さないといけないので、現在IDFAをどう使っているのか確認する必要もあると思います。社内外、特にパートナーさんと今後どういったKPIで運用していくかの確認も必要ですね。そして不明点はAppleさんに直接問い合わせて、どんどん解消していくのが一番早いと思っています。


どういったアプリ内イベントを計測するかは今のうちに分析できます。ライフ・タイム・バリューが高くなりそうだとインストール後の初期に判断できるイベントは何か。それこそがSKAで測定すべきイベントになるでしょう。現在のデータをまず分析してポイントを押さえておくことが重要です。


IDFAは特に使わないというパブリッシャーさんも中にはいらっしゃるということを考えると、SKAに対応するネットワークは今後どんどん増えると思います。SKAで計測できるところはSKAで計測し、Adjustのトラッカーも使いつつ、今までと同じように細かな粒度のデータも見ながら、SKAでの分析も並行していく、という環境を活用されるとよいと思います。


浅田:これからもAdjustさんのブログや発信に期待してもよろしいですか。


佐々:もちろんです。これから続々と出す予定のものがあります。今後もいろいろとAppleさんの新しい動きが出てくると思うので、その都度出していきたいです。


浅田:楽しみにしています!

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