【連載】データビジュアライゼーション玉手箱:第2回 データ活用に踏み切れない企業の特徴

データビジュアリゼーション


『データビジュアライゼーション玉手箱』は、データビジュアライゼーションについて、さまざまなデータソースを取り上げたり、効果的な可視化・見える化の手法について試行錯誤した結果を共有するシリーズです。第2回となる今回は、業務内で起こり得る、データ可視化を阻む要因とはなにかを考えてみましょう。


※第1回:データをコンテキスト化しよう

データは、その量も種類も日々、加速度的に増えています。どの企業もデータをうまく活用したいと考えていますが、どんなデータがあるのか、それを、どう使えばビジネス...


目次

・人は慣れ親しんだ数字や表から離れたくない
・データが揃うのを待っていてはいけない






人は慣れ親しんだ数字や表から離れたくない

データ活用がうまくいかない企業に対して、「データを集約し、可視化し、ビジネス意思決定とアクションを迅速化しましょう」といった解決策を示したとしても、それに対する反応は実にさまざまです。今現在の方法はもっと改善が必要だと潔く認め、新しいやり方にチャレンジしてみようという場合もありますが、これまでやってきた方法を変えたくないという企業も実に多いのが現実です。


これまでやってきた方法を変えたくないというのは気持ちとしては理解できます。誰でも変化は怖いものです。例えばExcelレポートで社内報告を行ってきたという企業があったとします。そのExcelレポートを作るのにいかにデータ担当者の時間や労力が相当使われていたとしても、そこからあまりインサイトを得られずに、適切な打ち手につながっていなかったとしても、慣れ親しんだ表や数字から離れたくないのです。


場合によっては、その仕事を与えられ、日々レポートの作成に苦心しているデータ担当者に対して、もっと楽な別の方法を提示したとしても、当の本人が抵抗感を示す場合もあります。


こういう場合は特に、経営層やマネジメントが方向性を示すことが重要になります。今現在の状況でうまくいっている部分と課題となっている部分、目的、目指すべき姿、データ担当に担ってもらいたい新たな役割、道筋とゴールイメージ、実現する上でのハードルを共有します。


これは一度きりではなく、組織に浸透するまで何度でも明示します。それだけ経営層やマネジメントがデータ活用にコミットしていることを示さないと、企業文化は簡単に変わるものではないということです。




データが揃うのを待っていてはいけない

また、もっとも変化を阻むのが、「必要なデータがきちんと揃ってから取り組みます」という企業のケースです。なぜかと言うと、データが完璧に揃うことはないということと、実際にデータ活用に取り組み始めないと、どんなデータを揃えるべきか、どう活用すべきなのか、それにビジネス上の意味はあるのか、などが理解しづらい側面があるからです。


古くからあるITシステムの開発モデルに「ウォーターフォール型」というモデルがあります。これは、きちんと要件定義をした上で、各工程を順番に完了していくというものです(もちろん何かあれば前行程に戻ることもできます)。一方、もっと迅速に試行錯誤を繰り返す形を「スパイラル型」と呼びます。


データを可視化するダッシュボードの製作はどちらかというとスパイラル型のほうが向いていると思います。「このデータがあればこう見ることができる」「このデータとこのデータを掛け合わせてみたら面白いインサイトが得られた」「このグラフではなく、別のグラフのほうがパッと意思決定できた」など、実際にやってみてわかることが実に多いからです。


スパイラル型開発


ある程度の計画性を持ち、試行錯誤も覚悟しつつ、データ環境を整備していく。「まずは飛び込みつつ、一つ一つの小さな成功体験を積み重ねていく」ことが、最終的には近道になることも多いですし、データ・ドリブンな発想文化を企業内で醸成するのに役立つと考えています。


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