【座談】Kenshooに聞く:Amazon広告を効率化しスケールさせる「Kenshoo-eCommerce」とは

Amazon広告は引き続き強く成長しており、米国での広告収入は2019年に53%増加し113億3000万ドルとなる見込みで、これは米国でのデジタル広告支出全体の8.8%に相当します。


もはやAmazonがデジタル広告市場において重要なメディアのひとつであることは疑う余地がありません。

しかし運用者目線に立つと、マニュアルでの調整やアカウント構成の細分化によるコントロールが求められるため工数負担が大きくなりやすく、効率化は課題としてよく挙げられます。

手を掛ければ掛けただけ成果に直結する楽しさがある一方で、ひとつのアカウントだけに時間を割き続けることは難しいのもまた現実でしょう。

そこで、2019年に日本でもリリースされたAmazon広告の運用管理を効率化するツール「Kenshoo-eCommerce」を使うとどんなことが可能になるのか、Kenshoo Japanの皆さんにお話を伺いました。


話し手:
Kenshoo Japan
金田 信和さん
Pan, Shenyuさん
Marder, Seanさん


聞き手:
アタラ合同会社
チーフコンサルタント
浅田 梨沙


目次

・成長を続けるAmazon広告をさらにスケールさせる
・オートメーションとオプティマイゼーション
・シミュレーションを確認しながら自動最適化
・Amazonの最も強力なパートナー




成長を続けるAmazon広告をさらにスケールさせる


浅田:まずは自己紹介をお願いいたします。


パン:パンと申します。Kenshoo Japanのクライアントサクセスマネージャーをしておりまして、Kenshooのプラットフォームをご利用いただいているお客様にそのトレーニングやツールのどういった機能を使えばパフォーマンスの向上に役立つかなど、アドバイザー的な仕事をしております。


ショーン:ショーン マーダーです。シアトルの弊社のeコマースチームに所属しております。実際にAmazonとrelationshipが強く、Kenshoo-eCommerceの運用エキスパートとしてマネジメントサービスを提供しています。



金田:金田と申します。私はKenshoo Japanの日本マーケットのsalesを担当しております。新しいパートナー様、代理店様開拓と場合によってはその先の広告主様も含め、開拓をしていくことが主業務です。



浅田:ありがとうございます。今回お話しいただくKenshoo-eCommerceについて、どのようなものなのか教えていただけますか。


金田:Kenshooはもともとデジタルマーケティングのオートメーション、オプティマイゼーション、レポーティング機能といったものを提供するテクノロジープラットフォームです。




金田:現在、Amazon広告の勢いが凄く、これから先もまだまだ伸びると思いますが、同時に運用面での課題も多く、Amazon広告のプラットフォームは発展途上と言えます。

検索エンジンに比べても、利用者はより明確な購買意欲をもって商品検索をされるので、リスティング広告に比べてもAmazon広告のコンバージョンレートは10倍以上高いという社内データもあります。

多くの広告主様や広告代理店様がAmazon広告自体は非常に魅力的で使いたいと思っているものの、現状では運用に手間がかかるのでスケールするのに非常に困っておられます。そこを我々のプラットフォームで解決していただきたく、日本でも2019年2月にリリースしました。

海外での導入実績も多く、Kenshoo-eCommerce導入後、Amazon広告に投じる広告費が、前年比5倍以上になったというケースもあります。つまり今まで運用が大変でスケールが難しかったものが、我々のプラットフォームを使っていただくことでスケールできるようになったということです。日本でもこれから力を入れて展開していきたいと思っております。




オートメーションとオプティマイゼーション


浅田:私もAmazon広告を運用していて、工数は大きな課題となります。具体的にどういった機能で解決できるのでしょうか。


パン:大きく分けて2つの軸があります。オートメーションとオプティマイゼーションの2つです。

オートメーションというのは様々な条件を設定して、それに符合した結果に対して何かしらのアクションをとるということをサーバ上で自動化できます。例えばキャンペーンの日予算について、使い切ってしまうと配信が止まってしまいますが、特にプライムデーなど、多くのトラフィックが見込まれる時間や時期は大きな機会損失になってしまいます。だからと言って運用担当者が24時間張り付いているわけにもいかないので、現状の大きな課題です。

Kenshooを使えば、日予算を使い切ったキャンペーンがあれば自動的に予算を増やす設定をしておくことができます。さらにメールでの通知機能もあるので、ルールに合致したキャンペーンの一覧とその結果をEmailで通知することも可能です。

日予算の例を挙げましたが、Kenshoo上で行える編集作業であればなんでも自動化することができます。


また、複数アカウントを紐付けることができるので、ブランドアカウントを横断して、一画面でパフォーマンスの確認やオートアクションを使っていただくことで、ブランドをまたいだ運用が非常に便利になります。




日予算を使い切ったキャンペーンのイメージ(クリックで拡大)




Automated Action(クリックで拡大)


また、Amazon広告にはAPI上にしか存在しない指標があり、例えばコンバージョンウィンドウは、Amazonの管理画面上では、14日間のみですが、API上では、広告をクリックしてから1日以内の売上などより細かい情報を見ることができます。
さらに、管理画面上だと過去のデータは60日前までしか遡れず前年度比較ができないのですが、Kenshooではデータをサーバに保存しますので、去年と今年のデータを比べて今年のプライムデーの戦略立案に活かせる、分析、施策づくりがやりやすくなります。


浅田:データの蓄積量に応じて従量課金になりますか?


金田:料金形態は広告費に対してパーセンテージでいただいていますので、過去データをいくら蓄積しても変わりません。

そのほか、Amazonは在庫切れや収益性の低下といった理由で広告が停止してしまいますが、どの広告がどんな理由で止まっているのかもAPIから取得し、オートアクションと組み合わせて対応を自動化することができます。

こういったルールベースのアクションを応用することで非常に有用なインサイトを簡単かつ自動的に取得することができます。


浅田:外部のダッシュボードと連携して確認することもできるのでしょうか?


パン:Googleデータポータルと連携して確認いただくことができるようになりました。Emailでレポート出力機能もありますので、そのcsvファイルを他のツールに取り込んでいただくことも可能です。



パン:特にAmazonはプロダクトがすべてといっても過言ではありません。プロダクトマネージャーという機能では、プロダクト単位でデータをセグメントし、貴重なインサイトを得ることが可能です。


浅田:プロダクト単位というのは?


パン:ASIN単位です。


※ASIN…「Amazon Standard Identification Number」の略で、Amazonグループが取り扱う、書籍以外の商品を識別する10けたの番号


浅田:たとえば1ASINを3つのキャンペーンで広告しているとしたら、その3つ分のキャンペーンデータの統合を確認できるということですか?


パン:そうですね。今現在このプロダクトをプロモートしているキャンペーンが何個あるのか、ビューキャンペーンのボタンをクリックすると、Kenshoo上でそのキャンペーンのビューまでジャンプして詳細も確認できます。



プロダクトマネージャ(クリックで拡大)


浅田:なるほど。Amazon広告だと1ASINを複数キャンペーンで広告することが多いので、まとめて実績を確認できるのは便利ですね。


パン:ここまでがオートメーションに関連する部分で、もう一つがオプティマイゼーションです。Kenshooはアルゴリズムが非常に優れています。Bid to ROIというポートフォリオ型のオプティマイザーをご利用いただけます。ポートフォリオというのはキャンペーンの集合体です。


浅田:この場合のポートフォリオというのは、Amazonの管理画面で作成することができるポートフォリオとは別のものでしょうか?


パン:別のものです。元々Kenshooで使っていた名称だったのですが、あとからAmazonのポートフォリオ機能ができてかぶってしまいましたね。(笑)

KenshooのアルゴリズムはKenshooのポートフォリオの範囲で作用します。どういうことかというと、たとえば8キャンペーンを1つのポートフォリオにまとめます。この8キャンペーンの中には何千個というキーワードが登録されていますが、毎日自動で入札調整することで設定したROI、目標に対してパフォーマンスを最適化していくことが可能になります。



パン:先ほどお話ししたオートアクションと違う点は、オートアクションは要するにルールベース、ユーザーが設定したルールに従ってサーバ上で特定のアクションをとり続けるというのに対して、Bid to ROIはマシンラーニングベースであることです。

マシンラーニングベースというのは実際にこの8キャンペーンの過去のデータを参照し、1000個のキーワードがあったら、1000個のキーワードそれぞれに対して今の入札から1円上げたらどれくらい売上が上がる、10円上げたら、2倍にしたら、といった予測のカーブを毎日算出し、最終的な入札の判断をしています。

ということは、1000個のキーワードの中でポートフォリオ全体のROIの向上に貢献度が高いキーワードの入札を最適化できるということです。逆の言い方をすれば、今ある予算から未来を見たときに、どのキーワードの入札を調整すれば合理的なのか、最も効果的なのかを随時判断して、入札を行っているわけです。

この点が、ルールベースの最適化との大きな違いです。


浅田:Amazon自体にも自動入札機能がありますよね。「ダウンのみ」と「アップとダウン」。その機能と、Kenshooさんの自動最適化はバッティングしませんか?


パン:はい。なので、Bid to ROIを設定するにはマニュアルのキャンペーンを対象にする必要があります。おっしゃる通りバッティングしてしまいますから。
おそらくどのアルゴリズムを使ってもそうだと思いますが、アルゴリズムAを使っているときに別のアルゴリズムBが動いていると、お互いに良くありません。


浅田:そうですよね。Amazon自体の自動入札機能か、KenshooさんのBid to ROIか。ユーザー目線としては比較検証して活用していきたいと思います。




シミュレーションを確認しながら自動最適化


パン:ポートフォリオ型のBid オプティマイザーで一定期間を経た次のステップとして、シミュレーション機能と長期間の最適化を実現させることができます。
まずポートフォリオをさらにまとめた「インベストメント」というものを作ります。さらにアルゴリズムに運用を任せたい期間:「プラン」を設定します。
これにより過去のデータを分析して、これくらいSpendしたらこれくらいの売上、ROIはこれくらいになるというシミュレーションが出せます。



バジェットナビゲーター(クリックで拡大)


パン:右のforecastのグラフで右肩上がりが売上、売上が上がるに従ってROIが下がる。横軸の青い線がSpendです。
例えば、このSpendの値を29,000ドルから31,000ドルに変えたらどうなるのかというシミュレーションをすることができます。
最適な組み合わせを決めたら、優先するのはSpendなのかROIなのかを選ぶと、最終的にこの期間内に目標内で着地するよう自動的に運用されます。


浅田:シミュレーションを確認しながら、達成したい目標に合わせて自動運用ができる。


パン:はい。これは先ほどのポートフォリオと組み合わせて使っていただく機能です。ポートフォリオの動きをバジェットナビゲーターという別のアルゴリズムが細かく調整することで、実現しています。たとえば今月の前半はバジェットナビゲーターが「多く配信しよう」と判断すれば、そのようにROIの目標を多少緩めて多く配信させて、ある意味ヒューマンライクな最適化が簡単にできるようになっております。


浅田: 1年を通して最適化したいという設定も可能なのでしょうか?


パン:最短が7日間、最長が100日間です。1ヶ月ごとに3プラン作ることもできます。


浅田:1ヶ月ごと作るのと、まとめて100日分作るのだとどういった違いがありますか。


パン:100日間で1つのプランにすると、場合によっては最初の2ヶ月に集中配信されて、最後の1ヶ月はあまり配信されないということも可能性としてはあります。
おすすめとしては、日本の広告主様の場合は、月ごとの予算が決まっていることが多いので、30日間で1プランになるよう設定していただいています。


金田:予算がシビアな場合には、少し余裕を見てBudgetを低めに設定していただき、残り数日間だけマニュアルで運用いただく方法もあります。


パン:アルゴリズムに全部任せるということをリスクに感じられる方も多いかと思いますが、セットペーシングという機能を使って、ある程度ペーシングをコントロールすることも可能です。たとえばプライムデーなど一時的に大きな変更を加えたい場合ですね。

セットペーシングに変更を加えると、バジェットナビゲーターにも影響を与えます。去年の同時期のデータを参照して運用することも可能なので、アルゴリズムを活用しつつも運用者がコントロールしやすいような機能になっています。


これがオプティマイゼーションです。

オートメーションとオプティマイゼーションを使うことで、一人の運用者が同じ時間で運用できる量が飛躍的に向上します。Kenshooのプラットフォームを使うことでAmazon広告のポテンシャルを引き出していただくことができる、というのが最大のメリットです。


浅田:そうですね。Amazon自体の進化も目まぐるしいですが、まだ仕様上や工数面の課題がある中で、こういったプラットフォームを活用することで効率化できそうだと感じました。APIでしか取得できないデータを確認できるようになるのも分析の観点でインパクトがあります。




Amazonの最も強力なパートナー


浅田:Kenshooはグローバルで提供されているサービスですよね。海外ではKenshoo- eCommerceはどのような立ち位置にあるのでしょうか?


金田:現在、500以上のブランドで使っていただいています。


ショーン:ほかのプラットフォームの中でも、Kenshooは最も強力なパートナーであると認識いただいております。実際にAmazonともパートナーシップが強く、Kenshooを推奨してくださっています。Kenshooはサーチから始まってソーシャル、eコマース、と広告プラットフォームとしての歴史が非常に長いです。この10年以上で蓄積されたノウハウで大きなアドバンテージがあります。


金田:一番のアドバンテージはクロスチャネルのプラットフォームを提供できるということですが、日本の広告代理店様は媒体ごとにチームを分けられていて、サーチの運用はこのチームです、eコマースはこちら、と分断されている事が多いですね。本来は横断して全部管理されるチームがあると、Kenshooサーチ、ソーシャル、eコマースを包括的に見られるので非常に効果的です。




クロスチャネルでの一覧イメージ(クリックで拡大)


浅田:そうですよね。Kenshoo- eCommerceは今年日本でもリリースされて、今後の日本での展開について詳しくお聞かせいただけますか。


金田:既存のパートナー様やお問い合わせいただいたところとの取り組みに奔走しているという状態ですが、今年は特にKenshoo- eCommerceに注力してやっていきたいと思っています。あとはAmazon広告についての勉強会、啓蒙もやっていきたいです。


浅田:Kenshooの利用はしていない方でも、ということですか?


金田:そうですね。やはりAmazon広告が非常に伸びていて、広告代理店様がチームを作りました、これからやっていきますというところで、でもどうしたらいいか分からないという部分のサポートを。


パン:やはりAmazon広告をある程度運用された方はKenshooのバリューにすぐ気づいてくださるんです。そこでKenshooを有効に使っていただいて、Amazon広告のポテンシャルを存分に引き出していただく、ということですね。


浅田:なるほど。興味はあるものの知見がない方にとっては心強いですね。

今後の機能面での進化についてもお聞かせいただけますか?


ショーン:我々がお話しできる範囲では、引き続きAmazonと一緒に、我々のアルゴリズムのチューニングをよりシャープにしていくということが最優先です。

あとはKenshoo- eCommerceというプロダクトがなぜ「Kenshoo-Amazon」でないのかというところ、つまりAmazonだけではなく、いろんなパブリッシャーと協働していくということをゴールにしています。


金田:これはマーケットの大きさやプラットフォームの強さ、それがグローバルでどれくらい展開しているかという部分を目安にしています。


浅田:具体的にどんなところと取り組まれていくのか楽しみです。では最後に一言お願いします。


金田:自信を持って、非常に良いプラットフォームだと言えます。有効に使っていただくことでAmazon広告がさらに伸び、効果があるということが広まっていくと良いなと思っています。


浅田:本日はありがとうございました。




著者

Related posts

Top