Google Marketing Live 2018 キーノートスピーチで発表された機能まとめ

すべての広告主の手に機械学習を

米国時間2018年7月10日(火)、Googleは、AdWords、DoubleClick、Google アナリティクスなどのマーケティング関連プロダクトに関するアップデートを発表する Google Marketing Live 2018 (以下GML2018)をサンノゼで開催しました。


このイベントは去年の5月に行われたGoogle Marketing Next 2017(以下GMN2017)を引き継ぐイベントです。去年の発表については下記の記事をご参考ください。


2017年のテーマは機械学習米国時間 2017年5月23日(火)、Google はAdWords、Google Analytics、DoubleClick などの広告関連プロダクトに関するアップデートや、開発の方...


イベントのタイトルが”Next”から”Live”に変更されたこともあり、昨年までの、新しいプロダクトや開発の方向性を示す内容というよりも、すでに発表したプロダクトの意義などを改めて紹介し、Googleのマーケティング関連製品の“今”を伝えるイベントになったように感じます。


Googleの広告製品を統括するシニアヴァイスプレジデントのSridhar Ramaswamy氏は、「Pharmacy near me」(「near by」ではない)という検索語句を例にあげ、モバイルデバイスの普及によってユーザーは位置情報などを含めたよりパーソナライズされた情報を求めるようになっていることを指摘しました。


このようなユーザーの動きの変化に対応するために、Googleは機械学習を使ってユーザーがより価値を感じる広告製品を開発していくことを表明しました。



GML2018のキーノートスピーチで発表された主要なプロダクトを下記にまとめました。Unyoo.jpで既に記事にしているものもありますが、この機会にぜひまとめてご一読いただければ幸いです。




1. AdWordsを「Google広告」に改称


Google Ads

画像: Google Ads Official Blog


「AdWords」は、インプレッション保証型のテキスト広告「プレミアム広告」に次ぐ、Googleの2番目の広告プロダクトとして2000年10月に米国で350の広告主とともにスタートしました。2001年2月には米国で正式にサービスが開始し、日本では2002年9月にサービスが開始されました。


初期のAdWordsは、検索連動型広告はもちろんのこと、ディスプレイ広告でもウェブサイトの文言を解析して「キーワード」を使用してターゲティングする「Google Content Network」という仕組みだったため、Ad”Words”という名称はサービスの実態をよく表した名称でした。


しかしながら、DoubleClickの買収を期にcookieを使用したオーディエンス情報によるターゲティングや、YouTubeへの動画広告の出稿などをはじめ、ターゲティング手法や配信フォーマットが多様化するなかで、「キーワード」への依存度は年々低くなっており、名前とサービスの実態に乖離が大きくなっている状況でした。


このタイミングで”Word”を外して「Google広告(Google Ads)」に改称したことは、サービス名を製品の実態に合わせていくとともに、ターゲティングや配信面のさらなる進化を目指すGoogleの強い意志が感じられます。


2. DoubleClick と Googleアナリティクス360 を「Google Marketing Platform」へ統合

Google Marketing Platform

画像: Google Marketing Platform Official Blog


「DoubleClick」の広告主向け製品と「Google アナリティクス 360」は「Google Marketing Platform」にサービス名称が統合され、これまでの各製品は下記の名前に集約・改称となりました。


「Display & Video 360」に集約
・DoubleClick Bid Manager (GoogleのDemand-Side Platform)
・DoubleClick Campaign Manager(メディアプランニング、レポーティング)
・DoubleClick Studio(リッチメディアのクリエイティブ作成ツール)
・Google Audience Center 360(広告配信用のオーディエンスデータ管理ツール)


「Search Ads 360」(検索広告 360)に改称
・DoubleClick Search


また、「Googleアナリティクス360」と「Display & Video 360」を1クリックでデータ連携が可能になる「Integration Center」というツールが利用可能となる模様です。



3. DoubleClickのパブリッシャー向け製品を「Google Ads Manager」へ統合

Google Ads Manager


また、今回のキーノートスピーチでは直接言及されませんでしたが、DoubleClickのパブリッシャー向け製品である「DoubleClick for Publisher」と「DoubleClick AdExchange」は「Google Ads Manager」という名称に統合されます。


4. Google 広告設定

また、ユーザーの広告体験の透明性とコントロール性の向上のため、なぜ広告が表示されるのか、その理由をユーザーが理解しやすくするように「Google広告設定」ページを公開しました。



リンク:Google 広告設定


配信される広告の種類は、ログイン中の行動に基づいて推測された興味関心や、Googleアカウントに追加した情報などが含まれます。また、Googleのパートナーの情報サイトにアクセスした場合や、ニュースレターに登録した場合などによっても決まります。


今後、Google検索、YouTube、Google Play、Gmail、Googe Mapsなどで広告が表示される際に、「Why this ad?」という機能が表示されるようになります。これにより、ユーザーは特定の広告が表示されている理由を知る事が可能になります。



YouTubeはマーケターにとっても魅力的なプラットフォームに成長


ここからは、動画広告を統括するプロダクトマネージャーのNicky Rettke氏が登壇し、YouTubeの月間ユーザーが19億人を越え、1日に10億時間以上の再生数を越えるまで成長したことを明かしました。



YouTubeは単にエンターテイメントのためのプラットフォームではなく、マーケターにとっても魅力的なプラットフォームになっていることを強調し、次の3つのプロダクトを紹介しました。


5. TrueView リーチ(TrueView for reach)


TrueView for reachは2018年4月に発表された機能で、他の動画の再生前、再生中、または再生後に動画広告が再生されるインストリームの形式を取り、ユーザーは視聴完了前に広告をスキップできます。一方で、入札戦略は広告視聴単価(CPV)ではなくインプレッション単価(CPM)となり、この点で従来のTrueViewインストリーム広告と大きく異なります。


これまでAdWordsの動画キャンペーンにおいて、CPMでの入札はバンパー広告のみ可能でした。一方、スキップ不可の6秒動画という点で、ユーザーのエンゲージメントを伴ったリーチをバンパー広告単体で実現することは難しく、TrueView動画広告と併用するケースがほとんどかと思います。今回のTrueView for reachにより、広告主はリーチとエンゲージメントのバランスを取りながら動画キャンペーンを展開することができるでしょう。


ユーザーへのリーチを重視したインストリーム広告2018年4月2日(日本時間で4月3日)GoogleはTrueView動画広告の新たなフォーマットとしてTrueView for reachを発表しま...




6. TrueView アクション(TrueView for action)


TrueView アクションは2018年4月にすべての広告主に公開された機能です。これまでのTrueView動画広告は、商品やサービスの認知向上や態度変容を目的に開発された広告フォーマットですが、TrueView アクションは動画の再生中と再生後に任意のテキスト内容で「行動を促すフレーズ」とテキストの見出しをオーバーレイで表示することが可能で、これまでのTrueView動画広告よりも視聴ユーザーをウェブサイトへ誘導してコンバージョンにつなげやすくなります



また、2018年3月にはカスタムインテントオーディエンスがYouTube動画広告でも使用可能となっているので、TrueView アクションと併用すると効果を発揮するでしょう。


検索履歴に基づいたターゲティングがYouTubeで可能に2018年3月13日(日本時間で3月14日)GoogleはYouTube動画広告においてカスタムインテントオーディエンスが近日中に...




7. スマート自動入札の「ブランドリフトの最大化」


「ブランドリフトの最大化」では、動画広告の視聴によって購入検討につながる可能性が特に高いユーザーに、広告を表示しやすくなります。「ブランドリフトの最大化」はスマート自動入札の戦略のひとつとして提供されます。オークション単位で自動的に入札単価を調整することによって、コンシューマージャーニーの各段階で動画広告がブランドイメージに及ぼす影響力を最大限に高める仕組みです。


「ブランドリフトの最大化」は現在ベータ版として提供されており、年内には他のすべての広告主にも順次提供予定とのことです。




ここからは、Product Management DirectorのAnthony Chavez氏は機械学習の力を活用した広告商品を紹介していきます。



8. レスポンシブ検索広告


広告主は、広告見出しを最大15種類と広告文(説明行)を最大4種類入力するだけで、見出しと説明のさまざまな組み合わせをGoogleが自動的にテストし、あらゆる検索語句に対して最も効果的なパターンを学習していきます。このため、ユーザーが同じ語句で検索した場合も、コンテキストによって異なる広告が表示されます。


Googleによればレスポンシブ広告をテストした広告主は、平均で獲得クリック数が最大15%増加しているとのことです。日本語のレスポンシブ検索広告は、今後順次提供を開始される予定です。



9. Landing Page Speed Score


50%以上のユーザーが、ロード時間が長いと購入を諦めるとの調査結果があります。ランディングページのロード時間を短縮することが重要になります。Googleは過去にもPage Speed Insightなどのツールを公開してロード時間の短縮を支援してきました。また、昨年のGMN2017では検索広告のランディングページのAccelerated Mobile Pages(AMP)への対応を発表しましたが、2018年の今年もAMP化の重要性を訴えています。


Google広告の管理画面に10段階評価でランディングページのロード時間の良し悪しを評価するカラムを表示することが可能になるようです。スコアは日ごとに更新されるようなので、品質スコアなどと同じように定期的にチェックしてみることをお勧めします。この機能は2018年7月10日より順次各アカウントへの反映される模様です。



2018年2月26日、Googleはバルセロナで開催されたMobile World Congressで、他社とサイトの表示速度を比較できるMobile Speed Scorecardと、表示速度が改善された場合の...


10. Googleアナリティクスのクロスデバイスレポートとリマーケティング


クロスデバイスレポートでは複数のデバイスにまたがるデータを整理してまとめて分析することができるため、一見すると無関係に見える接点、セッション、行動が相互にどのように関連しているかをより明確に把握できます。


たとえば、あるセグメントのユーザーは同じ日にモバイル端末で検索し、タブレットで何かを購入したこと、別のセグメントのユーザーはモバイル端末で広告をクリックし、翌日 PC でサイトを閲覧し、1 週間後に戻ってきてタブレットで購入したことなどがわかります。


クロスデバイス レポートでは、デバイスに関するデータと複数セッションでのアクティビティに関するデータを結びつけて見ることができるため、サイトのユーザー像に加え、コンバージョンに至るプロセス(最初の接点から長期的なリピート利用まで)の各段階におけるユーザー行動をより的確に把握するうえで役立ちます。もちろんこのデータから個人を特定することはできません。


クロスデバイスによるリマーケティングは、2016年9月の時点でAdWords、DoubleClickで対応しており、2017年5月にはGoogleアナリティクスでも対応しています。



画像:Inside AdWords




ここからは、Product Management DirectorのKim Spalding氏が、自身がシアトルで経営していたワイナリーでの経験を踏まえて、中小企業向けの広告製品について紹介しています。



11. 自動アシストキャンペーン(Smart Campaign)


自動アシストキャンペーンは、マーケティングに専任の担当者を置いていない中小企業向けにデザインされたキャンペーンで、ウェブサイトを持っていないビジネスオーナーをも対象にしています。店舗や会社の住所や電話番号などを登録するGoogleマイビジネスと連携することで、広告の作成をサポートすることはもちろんのこと、ランディングページの自動生成ができるようにテストをしているとのことです。




自動アシストキャンペーンはユニバーサルアプリキャンペーンと同様に、検索、ディスプレイ、YouTubeなどのGoogleのネットワーク上に自動で広告を配信します。ウェブの閲覧履歴や位置情報、デバイスなどの様々なシグナルを使用してオーディエンスのターゲティングを自動化します。自動アシストキャンペーンはGoogle広告の新規の広告主のデフォルトのキャンペーンとなる予定で、AdWords Expressの後継プロダクトとなります。


Smart campaigns is the new ads experience from Google Ads. Create ads in minutes, get the results you want most, and quickly get back to running your business.




ここからは、Group Product ManagerのPhilip MacDonnell氏がショッピング広告やHotel Adsなどのデータフィードに関連するプロダクトを紹介しています。



12. Automated-feed


Automated-feedはECサイトをクローリングして自動的にショッピング広告用のデータフィードを作成する機能です。詳細についてはキーノートスピーチ上では十分に触れていなかったので、新機能なのかどうかはわかりませんが、マーチャントセンター用の構造化データのマークアップを使用することで、自動的にショッピング広告用のデータフィードを更新することは可能です。



13. スマートショッピングキャンペーン

スマートショッピングキャンペーンは、指定した目標を基準にパフォーマンスを最適化できる新しいタイプのショッピングキャンペーンです。このキャンペーンは、ユニバーサルショッピングキャンペーンやスマートディスプレイキャンペーンなどと同様に、手動で管理を行ったり、個々の商品に入札単価を設定したりすることなく、目標を達成するのに役立ちます。


これから数ヶ月以内に、この機能がさらに改良され、従来のコンバージョン値の最大化に加えて、来店数や新規顧客の数を目標として指定できるようになります。機械学習により、様々なデータを元に目標に繋がるクリックを予測し、それに応じて入札単価が自動調整されます。


ショッピング広告の掲載先(Google 検索、イメージ検索、YouTube、その他ウェブ上に存在する何百万ものサイトやアプリ)や、ピックアップする商品も、機械学習によって最適化されます。その際には、季節に応じた需要の推移や価格設定など、幅広いシグナルが判断材料となります。


キャンペーン管理の省力化を図るため、主要eコマースプラットフォームへの対応も進めています。 今後、スマートショッピングキャンペーンの作成や管理を、Google 広告だけでなく Shopify でも直接行うことが可能になります。



14. ローカルキャンペーン

商品購入が最も多く発生するのはやはり実店舗で、企業によってはECサイトをを持っていないというケースも多々あります。多くの広告主にとって、店内イベントやプロモーションの時期など、特に実店舗への来店促進は重要で年々ニーズが増えてきています。


ローカルキャンペーンは、来店の促進に特化した新たなキャンペーンタイプです。店舗の住所や広告クリエイティブなど最小限の情報を設定しておくだけで、さまざまな掲載先でより多くの顧客を店舗に呼び込めるよう、自動的に広告が最適化されます。



ローカルキャンペーンは今後すべての広告主に順次提供される予定です。


15. ホテルキャンペーン

ホテルキャンペーンの前身のHotel Adsは、ベータ版を含めると2010年頃から欧米で提供されていました。以前は Hotel Price Ads という名前で、宿泊金額の比較サイト的な機能として Hotel Finder を中心に広告の配信が行われていましたが、2014年11月のカルーセル表示の見直しや、2015年3月の画面表示の大幅改善などを経て、Hotel Adsにつながっていました。


Hotel Ads はこれまでAdWords とは別の仕組みとして提供されており、Googleマーチャントセンターと同様に「ホテルリストフィード」と「料金フィード」の2つが必要でしたが今回の発表によって、ついにひとつのプラットフォームへの統合となります。


16. Google Measurement Partners


Google Marketing Platform は優れたツールですが、エンタープライズ向けの商品のため、使いこなすためには十分な知識が必要です。特に、Brand LiftやBrand Safetyの計測に関してはキャンペーンの設計をしっかり事前に行っておく必要があります。そのサポートパートナーして、Google Measurement Partners プログラムが紹介されてました。Integral Ad ScienceやNielsenなどが口頭で紹介されていましたが、AdWaysやCyberZなどの日本の広告代理店のロゴも散見されます。


Google Marketing Platformを使用した専門的な分析を行う際は、下記のページからGoogle Measurement Partnersを利用してみるのも手かと思います。


The Marketing Mix Model program helps advertisers and their partners with access to the data and practices needed for today’s complex digital strategies.



以上、簡単にキーノートの発表をまとめましたが、今年も例年に引き続き盛りだくさんな内容だったかと思います。個人的には「スマート〇〇」、「ユニバーサル〇〇」といった名前のプロダクトが今後のスタンダードになり、「スマート」や「ユニバーサル」といった名前は次第に外れてくるのではないかと思います。機械学習の力がどこまで広告を進化させていくのか今後が楽しみです!


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