【連載】第4回 Googleアナリティクスの新機能「コンバージョン見込み」の活用法(Googleアナリティクス講座)

コンバージョンの確率をスコアで評価

2018年4月下旬に、Googleアナリティクスのレポートに「コンバージョン見込み」が反映されています。レポート上では、 [ユーザー] > [行動] > [コンバージョン見込み] から確認することができ、コンバージョンするユーザーの確率を1~100のスコアで表示します。(1 か月あたり1,000回以上のeコマーストランザクションが必要になります)


リンク:アナリティクスヘルプ – コンバージョン見込み


「コンバージョン見込み」は「スマートリスト」や「セッションの品質」と同様の機械学習を用いて、今後コンバージョンに至る確率を判断します。「コンバージョン見込み」はどのようなレポートなのか、どのように利用すれば効果的かなど、活用のベストプラクティスをご紹介します。




「コンバージョン見込み」の概要

前回の記事では、ユーザー軸を意識した行動把握とレポートの活用方法をご紹介しましたが、今回の「コンバージョン見込み」も、「ユーザーレポート」のうちの一つです。


リンク:【連載】「ユーザー」軸を意識した分析と行動把握(第3回Googleアナリティクス講座)

このシリーズでお伝えしたいこと2005年にGoogleが米国のWeb解析ソリューションプロバイダーであるUrchin社を買収し、Googleアナリティクスが誕生してから12年が経ちまし...


アナリティクスヘルプによると、「コンバージョン見込み」は、各ユーザーのトランザクションを評価して得られたコンバージョンの確率を、期間中すべてのユーザーに対して1〜100の平均スコア(「1」が最も確率が低く、「100」が最も確率が高い)で表示します。値が「0」の場合、選択した期間でコンバージョン見込みが測定されなかったことを示します。


「コンバージョン見込み」ディメンションと「平均コンバージョン見込み」指標を測定するには、レポートビューのeコマーストランザクションが月に1,000回以上発生していることが前提条件です。




多数のシグナルを機械学習で分析

広告を運用されている方は既に活用されていると思いますが、Googleアナリティクスの機能に「スマートゴール」「スマートリスト」といったものがあります。セッションやコンバージョンデータを機械学習によって分析し、最も品質の高く、コンバージョンに至る可能性のあるユーザーやセッションを作成し、管理します。「コンバージョン見込み」も「スマートゴール」や「スマートリスト」と同じデータモデリング手法を使用しています。サイトに関する様々なデータを分析し、「コンバージョン見込み」ディメンションと「平均コンバージョン見込み」指標を測定し、ユーザーが今後 30 日間にコンバージョンに至る確率を判断します。



画像1:「コンバージョン見込み」レポート画面


1.コンバージョン見込みバケットで表したセッション数の分布、ならびにトランザクションが行われたセッション数と行われなかったセッション数の分布をヒストグラムで確認できます。「デフォルトチャネルグループ」、「参照元」、「メディア」のディメンションが選択し、直帰率やコンバージョンの指標が確認できます。


2.各ディメンションのコンバージョン見込みの平均「平均的なコンバージョン見込み」が表示されます。




「セッションの品質」との違い

「コンバージョン見込み」と非常に似たレポートとして「セッションの品質」があります。レポートを見る限りあまり区別がつかないですが、両者の違いは以下となります。



画像2:「コンバージョン見込み」



画像3:「セッションの品質」


上記画像の「セッション(青枠)」やセッションに紐づく数値(トランザクションなど)は両者ともに同じですが、[画像2] の「コンバージョン見込み」は「ユーザー」がレポートに反映され、さらに「平均的なコンバージョン見込み」が表示されます。「セッションの品質」は各セッションのコンバージョンまでの近さを表示するのに対し、「コンバージョン見込み」はユーザーが今後30日間にコンバージョンに至る確率を判断し、1~100の平均スコアで表示します。


少しややこしいですが、例えばリマーケティングリストを活用する場合、「セッションの品質」ではなく、今後コンバージョンに至る確率を判断する「コンバージョン見込み」を軸にしてリストを作成すると、リマーケティングもより良い効果が期待できます。




アドバンスセグメントとして使用する

「コンバージョン見込み」レポートでは、チャネル別や参照元別に「平均的なコンバージョン見込み」を確認し、どのグループが最もコンバージョンに近いユーザーかを把握できますが、より効果的で深く分析するために、「アドバンスセグメント」を使用してみます。


先ほどの「コンバージョン見込み」レポートの、「コンバージョン見込み」列の右にあるボタンをクリックすると、「コンバージョン見込みのセグメントを作成」という画面が出てきます。セグメントの名前と、どのビューで有効化するかを選択し、「セグメントを作成」をクリックすると、アドバンスセグメントが反映されます。



画像4:「コンバージョン見込みのセグメントを作成」画面



画像5:「セグメントビルダー」設定画面


上記のように「条件」フィルタでコンバージョン見込みを指定していますね。これで「コンバージョン見込みが51-100のユーザー」をセグメントすることができました。



画像6:アドバンスセグメント「コンバージョン見込み 51-100」


実際に、上記レポートで「コンバージョン見込みが51-100のユーザー」をアドバンスセグメントにかけてみると、[Referral] 流入が最も多いようです。コンバージョンしやすいユーザーが、どのページからサイトにやってきたかを確認すれば、そのページに対して施策を考えることができます。


反対に、「コンバージョン見込み」が低いユーザーセグメントを作成すれば、それがどのチャネルからの獲得なのか、何曜日が最もトラフィックが多いのか、など多角的な視点から対策を打てるかもしれません。




リマーケティング ユーザーリストを活用する

「コンバージョン見込み」の高いユーザーは、コンバージョンまであと一歩という状態であり、すでに商品を詳しく調べ、購入意思は他のユーザーより強いはずです。コンバージョンに近いユーザーをもとに「リマーケティング ユーザーリスト」を作成して、綿密なリマーケティングを配信できます。コンバージョンを達成する「最後の一押し」をリマーケティング広告で訴求しましょう。


また、作成したユーザーリストをGoogle Optimizeに送信して、ターゲット設定も行うことができるので、「コンバージョンしやすいユーザー」を軸としてテストを実行し、サイトコンテンツの改善に役立てるかもしれません。


リンク:Optimize ヘルプ – オプティマイズでのターゲット設定の概要




分析の自動化によって求められるスキル

「コンバージョン見込み」レポートは、コンバージョンに至る確率の高いユーザーを、さまざまなシグナルを用いて自動的に判定し、レポート上に表示してくれます。Googleアナリティクスのレポートに反映されている数値を確認し、人の手で一から分析して「コンバージョンしやすいセグメント」を判定する場合と、あらゆるシグナルを用いて機械学習によって分析したレポートでは、効率でも効果でも後者が勝ると思います。今回のお話に限らず、リスティング広告においても同様のことが考えられます。


機械学習によって分析したレポートは、今後も増えていくことが予想されます。自動化がより進むことで、担当者は与えられたデータをどのように活用していくかを考え、あらゆる選択肢を考慮し、意思決定のスキルを磨いていくことが求められるのではないでしょうか。


Googleアナリティクスは、今後も「ユーザー」を軸とした機能を積極的にリリースすると思います。「分析の軸がセッションからユーザーに変わる」というGoogleのメッセージを受け取りながら、今後のさらなる機能アップデートに期待しましょう!

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