Adgoに聞く:ソーシャル広告のクロスチャネル管理でアクションも自動化

Adgo vs ATARA

ここ近年、ソーシャル広告市場は伸び続けていますが、クリエイティブや入札などの管理や最適化、レポーティングは依然労力のかかるものです。特に複数のソーシャルチャネルを利用しているとなおさらです。そういった状況を自動化によってどのように解決するか、アドゴリズミクス株式会社のみなさんにお話を伺いました。


話し手:アドゴリズミクス株式会社
CEO キム・マイケルさん
営業統括 三上基樹さん
プロダクトマネージャー エリック・佐藤さん


聞き手:
アタラ合同会社 CEO 杉原 剛


※このインタビューは2018年4月23日に実施されました。


ソーシャルの広告に特化したAIプラットフォーム

杉原:まずは、御社の概要について教えてください。

キム:弊社はソーシャルメディアマーケティングの分野でオートメーションを提供する会社です。日本がメインのオフィスですが、登記上はアメリカの会社で、近々シンガポールオフィスも開設する予定です。孫泰蔵さんのミスルトゥや衛藤バタラさんのイーストベンチャーなど、何人かの重要な投資家を中心に支援いただいております。


Adgo マイケル・キムさん


キム:ビジネス的なフォーカスは、過去2年半ほど取り組んでいる日本市場にあります。中でもターゲットユーザーとしているのは広告会社/広告代理店とブランド広告主です。それらの企業が弊社のプラットフォームを使うことで、キャンペーン管理が自動化され、パフォーマンスを高めます。


杉原:ありがとうございます。では御社のプロダクトについて教えてください。創業メンバーは金融業界の出身で、自動取引、電子取引の分野にいました。現在採用しているテクノロジーやアルゴリズムの多くの、その頃のものを取り入れています。


キム:エリックはプロダクトマネージャーで、三上はセールス統括です。まだチームとしては小さいですが、成長しており15名ほどの体制です。


三上:私からはプロダクト概要をお伝えします。弊社が提供するプロダクト「Adgo」はソーシャルの広告に特化したAIプラットフォームで、特にフルファネルマーケティングとして入稿から運用までの自動化╱簡易化が行えるのが特徴です。この部分を簡易化し、マーケターの方がよりマーケティングに注力できる環境を支えることを目指しています。


エリック:現時点ではFacebookとTwitterのAPIに対応し、近日中に対応予定のソーシャル広告もあるので、クロスチャネルのプラットフォームとも言えます。


Adgo エリック・佐藤さん


エリック:では実際の管理画面の説明に入ります。現在、Facebookのとあるアカウントにログインしているという想定です。Facebook上の私の持つユーザー権限と連携しているため、Twitterなどのそれぞれの媒体の権限のあるものはこの管理画面1プラットフォームで一括して確認できます。それぞれの媒体のキャンペーンは各々入稿する必要がありますが、ワークフローは統一されているため、一度やり方を覚えてしまえば3媒体とも簡単に入稿できるようになります。


次にキャンペーンの作成に移ります。今回はサイトへのアクセスを増やすためのキャンペーンを作るとします。それぞれの媒体で広告セット・広告のフォーマットがあり、その作成フローは全部異なります。Adgoの作成フローは、まずはどういう広告を配信したい、どういうユーザーに当てたいという部分を設定し、そこに紐づく作業を行えば簡単にバルク入稿ができるようになります。



早速広告をデザインしていきます。もちろん、1つ1つのバリエーションを作ってもいいのですが、それが手間な場合、配信したい画像を一括して選択し、その後キャッチコピーや見出し、テキスト数バリエーションを一気にアップします。グルーピングも可能で、グルーピングしておけば分析がとてもやりやすくなります。保存してコピーしておけばどんどんバリエーションやグループを増やすこともできます。これで広告の準備は完了です。


次は広告セット、ターゲティングの設定です。今回の場合はFacebook広告ですが、Facebookで利用できるターゲティング詳細はすべてAdgoで設定できます。今回はキーワードベースなので、このターゲットグループにもキーワードと名前を付けていきます。分割も簡単に行えます。今回は一般ユーザーであり、ファネルの一番浅い部分をターゲットとしていますが、サイト訪問ユーザーや類似のオーディエンスをターゲットにしたい場合はコピーしてキーワードを削除、事前に用意した類似オーディエンスを選択するだけです。


今回、キーワードグループと類似のグループの2グループを作成しましたが、例えば一般ユーザーに両方の広告パターンを配信したとして、類似オーディエンスだけは人物だけを配信するといった細かいレベルまで指定できるので、ECサイトの場合はカート離脱ユーザーに対して本当にそのためだけの広告を配信するといったことも可能です。


たくさんのバリエーションをバルクで入稿するので、ヒューマンエラーも発生しにくく、安心できます。あとは期間と予算を設定し、課金選択や最適化設定を行えばすぐにキャンペーンを走らせることができます。


例えば広告会社/広告代理店のお客様で、担当がスポーツブランドのアパレル企業だったとします。別のお客様にも似たようなアパレルブランド企業がいた場合、時間をかけて設定したキャンペーン構造をコピーすることで全体的なワークフローを短縮することができます。


三上:後はキャンペーンを配信すれば、オートメーションが効いた形で配信されます。


エリック:時間をかけて運用することも重要ですが、ものすごく多くのキャンペーンを配信していた場合、すべてを管理するのはとても時間がかかります。Adgoでは予算もすべてアルゴリズムが管理しており、毎日のデータを見て、今日のパフォーマンスを得るにはどういったアロケーションが必要か、すべて計算され、自動的に最適化の効いた状態で運用されます。


他のサードパーティツールでは、分析はするもののアクションを取るのは人、というケースが多く見られます。ほとんどの媒体のシステムは0時に切り替わるので、その瞬間にアクションをとらないと機会損失に繋がります。Adgoはアクションを自動で行うので、予算や機会を損失しません。


もう一つの強みとして、配信されている広告のオンオフも自動でアルゴリズムが管理します。〇〇歳の男性のアクションを取るためにはAの広告が良いかもしれないが、△△歳の倍は全然別の広告が響くかもしれない。ユーザーさんがそれを見て分析する時間があれば良いのですが、そんな時間の余裕のない方も多いと思います。そこをアルゴリズムにお任せするイメージです。



また、ソーシャルメディアに特化したいがどのメディアにどの程度の予算を配分すればいいのかわからない、という話をよくお聞きします。Adgoでは、ユーザーさんがFacebookだけでなくTwitterなどもされている場合、それぞれのキャンペーンを入稿後紐づけさえすれば、媒体間の予算アロケーションも同時に設定できます。


杉原:入稿も簡単ですし、シンプルでわかりやすいですね。


三上:クリエイティブドリブンなレポートなど、マーケターからしてみれば「こういう年代にこういう画像が広告として刺さっている」といったインサイト情報が欲しいと思います。Adgoを使えばそうした情報がリアルに見えてくるので、広告会社の方がブランド広告主などに提案する際に、有益な情報を伝えられるのではないかと思います。


杉原:そもそも、ソーシャルアドに特化しようと思われたのはなぜなのでしょうか?


キム:ソーシャル広告は成長している分野にもかかわらず、このあたりの投資はまだまだだと感じ、ビジネス機会があると感じたことが理由として挙げられます。


35ヶ国以上でキャンペーン配信しているグローバル企業も

杉原:導入事例はありますでしょうか?


三上:エクストリームスポーツのスパルタンレースの広告をお手伝いした事例があります。7キロの距離を20個の障害物を乗り越えながら走るという自分の限界を試すスポーツなのですが、現在35か国以上で実施されています。


もともとAdgoが東南アジアのマーケットにエントリーするために力を貸したのですが、今のところすべての国において、Adgoでキャンペーンを配信している状況です。モデルとしてはツールの契約は広告主と直接結び、広告主からオファーし広告代理店にAdgoのシステムを使っていただきました。

リピートランナー率が非常に高いので、チケットの購入にはユーザーをもっとよく知ることが非常に重要でした。使い方としては、ものすごくスケールの大きいキャンペーンを入稿するためのシステムとして、予算アロケーションやクリエイティブアロケーションに使っていただいています。

また、スパルタンの社内チームはクリエイティブを努力して作っています。この年齢の男性にチケットを買ってもらうには、楽しんでレースしている写真が良いのか、辛そうな表情のものが良いのか、一人か集合写真なのか・・・まずは我々のシステムでキャンペーン構造をセットし、様々なパターンでテストを繰り返しています。AIによるレポートも出しており、この年齢・性別ではこのクリエイティブが良かった、実際のアクションに繋げるにはあのクリエイティブが良かった、といった情報を見ています。ゴールは広告の配信結果なのですが、それ以外にもクリエイティブを使ってメールマーケティングなど他のマーケティングにも活用できるように、幅を広げることもできます。


Adgo 三上さん


杉原:結果を見るだけでなく、そこから得られた知見を使って他のマーケティング施策にも広げることができるのは、面白いですね。


エリック:アメリカ50州ある中で、様々なレースを行っており、担当者もそれぞれ異なります。しかしキャンペーンの入稿フローや構造、用語は統一しているので、それぞれのマネージャー間で話もしやすいということです。


シンプルに使いやすく

杉原:では、今後の日本での戦略についても聞かせてください。どんなふうにブランド広告主、広告代理店に寄り添っていこうと考えていらっしゃいますか。


三上:大きく3つのカテゴリに分けて考えています。まずは広告会社/広告代理店カテゴリ。そして複雑なキャンペーンを利用する大手の広告主のカテゴリ。さらに広告主の中でもメディアをお持ちのお客様で、ソーシャル上の集客に広告を使われる方のカテゴリです。つまり、集客管理ツールとして使っていただくというアプローチです。メディアのタイアップ広告にソーシャルの誘導力をつけて、コンテンツとソーシャルでの誘導を商機にするお手伝いができればと考えています。


ハイクラスの広告会社/告代理店さんだと自社開発をされているところもあります。一見するとAdgoと領域が被ると思われがちなのですが、我々がフォーカスしているのは入稿と運用です。手間とのトレードオフのない複雑なキャンペーンを作ったとしてもそれを自動で運用するというのことが強みだと思っているので、お客様への提案の際はその点をどのようにお伝えするかが肝だと考えています。


またAIといっても、アルゴリズムに則って何がどれくらい悪いかを適切に判断し、そこに予算投資のポートフォリオを組めますというシンプルな仕組みです。ブラックボックスに入れて、よくわからないけれど効果が返ってくるというのを期待されているとそれはイメージに合わないと思います。すごくロジカルに動いているというのをきちんとお伝えしたいですね。


杉原:各社のプラットフォーマーの認定についてはいかがですか。レポーティングだけでも苦労しているお客様は多いと思いますが、プラットフォームのアップデートが激しいので、使えていたものが使えなくなることでさらに大変になっている方も多いと思います。認定を受けることということは、そういった状況をきちんと把握してコミットできるということだと思うので、今取得を進められていることにはとても意味があると思います。


三上:広告会社/広告代理店の現場に行くと、ツール=すべての不便を解消してくれるというイメージを持たれていると感じる場面が多々あります。ただ、FacebookにしてもGoogleにしても、世界有数のエンジニアが多数参加して開発しているプラットフォームですし、それを我々がさらに使いやすく変えていく、というのは無理だと思います、ですので、我々はある部分にフォーカスし、シンプルに使いやすく、を追求していこうと考えています。


エリック:我々も日々アップデートをしていて、それはクライアント様のニーズベースで行っています。ちなみに、日本の広告代理店と海外の広告代理店とでは、求めている機能がまったく異なることに驚かされます。例えば、日本では入稿前のダブルチェック機能や、グロスとネットの表記などの機能が喜ばれます。逆にプラットフォーム側が実装している機能で、グローバルでは活用されているものでも、日本では絶対に使われないものもあります。そういったリアルな日本での必要不必要は、日本で展開しないと絶対にわからなかったことですね。


杉原:興味深いお話をありがとうございました!

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