【コラム】マーケッターに捧げるシステムズエンジニアリングのすすめ(前編)

ITの分野では、IoT(もののインターネット)時代に入り、システムやサービスの開発をソフトウェアの専門家だけで進めるということが難しくなってきました。
そのため、様々な専門家(ソフトウェア、ハードウェア、セキュリティ、通信、AI、法律などなど)の成果をインテグレートさせる新しいアプローチの導入が必要とされています。
そのアプローチが「システムズエンジニアリング」であり、IT分野では導入が推進されています。


システムズエンジニアリングの推進(情報処理推進機構)


マーケティングの分野でも、デジタル化の時代に入り、従来からのマーケティング、広告の専門家だけではなく、様々な専門家(各種デジタル広告媒体、トラッキング、データ分析、システム開発、システム連携、個人情報取り扱い、などなど)の成果をインテグレートさせる必要に迫られているように見受けられます。


似たような課題であれば同じアプローチで解決を試みることができるかもしれません。
ということで、マーケティング分野の皆様に「システムズエンジニアリング」を知っていただき、課題解決の手掛かりにしてもらえたらと思っています。


システムズエンジニアリングとは

「システムズエンジニアリング」とは何かの前に、まず「システム」とは何かについて確認しましょう。


システム(system)は、相互に影響を及ぼしあう要素から構成される、まとまりや仕組みの全体。

引用元:ウィキペディア(システム


システムと聞くとコンピュータを使った業務効率化の仕組みのことをイメージしがちですが、システムの定義そのものはかなり漠然としたものであることが分かるかと思います。
例えば「太陽系」のことを英語で「Solar System」と言いますが、これも相互に影響しあう要素(太陽、惑星、衛星など)から構成されるまとまりであるので、太陽「システム」なのです。
ですので、マーケティング業務も相互に影響しあう要素(企画、制作、入稿、運用など)から構成されるまとまりであるので、マーケティングシステムと呼ぶことができます。


「システムズエンジニアリング」はINCOSE(International Council on Systems Engineering)というシステムズエンジニアリングを推進している組織によって以下のように定義されています。


システムの実現を成功させることができる複数の専門分野にまたがるアプローチおよび手段。

引用元:INCOSE SE Handbook,2000


対象とするシステムが何であれ、そのシステムの実現を成功させるためのアプローチがシステムズエンジニアリングであること、また、成功のために複数の専門分野にまたがる、つまり様々な専門家の力を結集させるアプローチがシステムズエンジニアリングであるということです。


システムズエンジニアリングのアプローチ

ではそのアプローチおよび手段とはどのようなものでしょうか。
残念ながらというか当たり前というか、ある決まった手順の通りに取り組めば成功できる、というアプローチや手順はありません。


システムズエンジニアリングでは4つのポイントを押さえることで、システムの実現を成功しやすくする、というアプローチを取っています。


そのポイントとは、

  • 目的志向と全体俯瞰
  • 多様な専門分野を統合
  • 抽象化・モデル化
  • 反復による発見と進化

です。


次回はこれらの4つのポイントについて見て行きたいと思います。

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