SimilarWebのAviさんに聞く:マーケット・インテリジェンスで日本のマーケッターをサポートしたい

マーケット・インテリジェンス市場を開拓するイスラエルのSimilarWeb。日本支社も開設して間もないですが、そのユニークなデータをどのようにユーザーは活用しているのか、SimilarWebの海外営業責任者にお話を伺いました。


話し手:
SimilarWeb LTD
インターナショナルマーケット担当バイスプレジデント
アヴィ・ワィーゼンバーグさん


聞き手:
アタラ合同会社 CEO 杉原 剛


※このインタビューは2018年4月12日に実施されました。


「マーケット・インテリジェンス」市場の開拓を推進

杉原:まず、SimilarWebについてと、ご自身の紹介をお願いします。


アヴィ:SimilarWebは、マーケット・インテリジェンス、デジタル・マーケット・インテリジェンス市場におけるグローバル・リーディング・カンパニーです。当社では、匿名のユーザー行動を収集することで、世界で最も大きなグローバル・パネルの一つを保有しています。当社では、そのユーザー行動をISPやその他のデータと組み合わせ、世界中の企業がデジタル市場について理解する手助けをしています。オンラインにおけるユーザー行動やデジタル領域で何が起きているかについての独自のインサイトを提供します。


元々、会社は今ブラウザで見ているウェブサイトに類似したウェブサイトを見つけるためのツールバーを提供することから開始しました。創業者であるオアー・オフェルが家業で生産していた宝飾品をオンラインで販売していた頃、彼は自社のウェブサイトに類似したウェブサイトがあることに気づいたのですが、類似するウェブサイトを見つけるのは簡単なことではないと思ったのです。


そのため、非常に優れたアルゴリズムで類似のウェブサイトを探し出すツールバーを開発したのです。そこから取得できるデータは、どのように検索エンジン最適化をすればよいか、どこに広告を掲載すべきか、などデジタルマーケッターをサポートすることができる価値の高いものになると感じました。そして、今のSimilarWebのソリューションの原型になったわけです。


SimilarWeb Avi Wiesenberg


私自身についてですが、海外市場の営業責任者になります。アジア太平洋、ラテンアメリカ、ロシアのそれぞれの地域のビジネスを担当しています。日本はその中でも主要な市場となっており、かつ、非常に成長している市場の一つとなっています。よって、我々にとって日本はもはや新興市場ではありません。最近日本支社を開設したのも嬉しいニュースの一つです。現地のチーム、スタッフ、そしてパートナーも拡大しているところです。


杉原:SimilarWebができることについて教えていただけますか?


アヴィ:SimilarWebの前に「マーケット・インテリジェンス」ができることについて話したいと思います。ウェブ解析やビジネス・インテリジェンスを使って自分のビジネスについての理解を高めることについての価値はすでに広く理解されているかと思います。それから何が起きたというと、競合他社のウェブサイトや市場において何が起きているかをとても迅速に、かつ簡単に理解できるようになりました。


当社が持っているデータによってユーザーは、競合他社のウェブサイト、マーケティング戦略、どんなキーワードで集約しているのか、運用している広告のキャンペーン、パートナーしているアフィリエイトなどについてより深く理解できるようになりました。そして、競合会社のマーケティング戦略を理解できることで、自社のデジタル戦略の立案に役立てることができますし、よりよい形で市場に出ることが可能になります。


また、マーケット・インテリジェンスはさまざまな企業の活動において活用することができます。デジタルマーケティングは言うまでもなく価値を発揮できる分野ですが、それ以外ですと営業部門、M&Aのためのデューデリジェンス部門などでも使われています。また、リアルな世界の反響をデジタルで見ることができる点で、経営企画部門、製品部門でも活用することができます。


さらに付け加えたいのは、SimilarWebを使うことで、データを単独でなく、他との比較や全体の中に当てはめることができるという点です。デジタルマーケティングチームや代理店がデータに基いてマーケティング活動のパフォーマンスを示すのは往々にして難しい面があります。「当社はよくやっています」「ウェブサイトへの流入トラフィックを10%増やしました」などと言っても、それは市場の中ではよいパフォーマンスなのか?平均なのか?と問われたらどう回答しますか?競合他社や市場に対して自社のデータを比較する、競合他社とパフォーマンスの比較ができる点は非常に価値があると考えています。当社のプラットフォームはデジタルマーケティングにおいてベンチマーキングの価値を提供できると思います。


当社のデータの提供形態は3つです。まずはSimilarWeb有償版です。これは、誰もがログインして使えるプラットフォームです。無料版もご用意しています。ログインしたらすぐに世界中のどのウェブサイトについて分析することができます。そのウェブサイトについて、どこからのトラフィックがどの程度きているのか、ダイレクトトラフィックの量や直帰率、平均滞在時間はどのくらいか、などさまざまなことがわかります。


このデータをAPI経由で提供することも可能です。DomoやTableau、Salesforce.comや自社開発のシステムに当社のデータを組み込みたい場合はAPIを使うことで可能になります。普段使っているシステムでSimilarWebのデータを活用することで、より一層パワフルなものになります。


最後に、当社ではカスタムレポートを提供することができます。より深いデータが必要な際、例えば、特定のある商品がアマゾンでどの程度売れているか、特定のウェブサイトにおいて最も検索されている商品名は何かと言ったことを知りたい場合は、そのような特定のニーズに対応できるサービスをご用意しています。


杉原:なるほど。実際の企業がSimilarWebをどのように活かしているか教えてもらえますか?


アヴィ:実際は会社やデジタルマーケティングチームによりますが、例えば、SEOで注力するキーワードを特定し、デジタルの投資効率を改善するということもそうですが、例えば検索連動型広告やアフィリエイトについて理解するだけでなく、あなたがそれらの施策にとっていかに重要かというような相互関係を理解したり、それらの施策に他のどの企業が取り組んでいるかを知ることもできます。デジタルの世界は完全に透明で、そのような相互関係性を見ることができます。それらを理解し活かすことは大きな価値を生むと思います。そのような形で、当社のプラットフォームはマーケッターが正しいマーケティングキャンペーンを展開し、他社に対してよりよい形で競争し、しかも勝つサポートをしていると思います。


SimilarWeb Avi Wiesenberg


それ以外では、例えば営業チームがより見込み客、適切な顧客をを特定しやすくなったという例は多くあります。メディア/パブリッシャー企業は、適切な広告主が理解でき、協業すべきディスプレイ広告ネットワークがどこかがわかります。また、競合メディアがどのような動きをしているのかを把握し、より競える環境を作ることができます。


日本では現在までに300社ほどの有料版のユーザー企業がいます。中にはグーグル、リクルート、パナソニック、サムソン、ソニー、eBayなど様々な業種の大手グローバル企業も数多くいます。電通、オグリヴィなど大手のグローバルエージェンシーはほとんど使っています。WPPも最近契約し、同社の戦略的なマーケット・インテリジェンスプロバイダーの一つになっています。


日本市場への投資を本格化

杉原:日本市場にこのタイミングで本格参入した理由を教えてください。


アヴィ:日本はこれまでもずっと参入意義のある市場でした。もはや我々にとっての新興市場ではありません。成長しスケールする可能性のある市場ですし、データ・ドリブンな市場であると理解しています。デジタルでも成熟しているので、日本のマーケッターはデータの価値を理解し、それをどううまく活用するべきかもわかっているとすぐに思いました。ですので当社にとっては当初から日本市場に参入することはロジカルな判断だったと言えます。


ここ数年間、2つの面で日本市場への投資をしてきました。一つはプロダクトのローカリゼーションです。フル機能を日本語で使うことができます。もう一つ、特にここ最近力を入れているのは日本向けのデータです。日本のユーザーには精度の高いデータを提供したいので、データプロバイダーから最も精度の高いデータを入手できるよう、大きな投資をしています。


杉原:営業面ではどのような戦略を考えていますか?


アヴィ:成功のための戦略には3つの要素があります。ユーザーの成功、パートナーの成功、当社の成功の3つです。そして、この3つは非常に密接な関係を持っています。日本支社を開設したのはSimilarWebがグローバルで蓄積してきたノウハウやベストプラクティスを共有したかったためです。もちろん日本のユーザーやその成功から学ぶことも含めてです。



また、当社のパートナーに、よりよいサポートを提供し、パートナーエコシステムを拡大していくことです。パートナーがSimilarWebを展開するための正しいツールを持っているかも重要ですし、ユーザーの声をSimilarWebがきちんと聞き入れて、パートナー経由でユーザーの満足度を高めることも必要です。進出している国におけるニュアンスやニーズに応えながらグローバルにスケールすることが求められます。


杉原:自社の市場全体がどうなっているか、競合他社のパフォーマンスはどうか、については日本でも当然興味が高いですが、データ収集の難しさもあって、これまでデータ活用が進んできていなかったと思います。ですが、おっしゃられたようにベンチマーキングする対象がはっきりすることで、真のパフォーマンスや目標を知ることができるというのはとても価値があることだと思います。日本での展開を楽しみにしています。本日は貴重なお話をどうもありがとうございました!

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