Facebook広告で入札オプションが重要なワケ

ここ1年は広告製品に限らずアップデートが多い Facebook ですが、動画広告にビュー課金が登場(詳しくはこちら)したように、入札オプションも徐々に多様化してきています。各入札オプションで課金対象が異なるのはもちろんですが、それぞれに役割があり、選択した入札オプションによって結果は大きく異なります。今回は入札オプションにスポットライトを当てたいと思います。



まずは構造の整理を

まずは2016年1月時点で提供されているオプションを整理したいと思います。以下の画像は、キャンペーンの目標を「コンバージョン」に設定した際に表示される設定画面です。

※広告アカウントによっては当記事でご紹介する内容と表記が若干異なる場合があります。


Facebook_Bidding-Options_2


まずは「広告配信の最適化対象」の項目を設定しますが、ここで選択した内容によって課金のタイミングが変わります。次の画像は「広告配信の最適化対象」をクリックすると表示されるプルダウンメニューです。


Facebook_Bidding-Options_1


画像では4種類の最適化対象が表示されていますが、基本的に表記の通り最適化が働くよう配信されます。なお、CPC を希望する場合は「ウェブサイトへの誘導」を選択することでのみ CPC で入札することができます。


Facebook_Bidding-Options_3


デフォルトのままでは入札額を自動で決定するよう設定されますので、手動の CPC を希望する場合は「自分で設定」を選択し、推奨入札額を参考に金額を入力します。上記画像では「¥92-¥273」と表示されていますが、ターゲットの設定や他社の入札状況でこの金額は常に変動しますので注意して下さい。



キャンペーンの目的と入札オプションの関係性

最適化対象や課金の形態はキャンペーンの目標に応じて選択できる項目も変わります。2016年1月時点で提供されているメニューをまとめた表が以下になります。


Facebook_Bidding-Options_4


それぞれの目的で赤字にしているのは現時点でFacebookが推奨している入札オプションです。基本的には推奨しているものがキャンペーンの目的を達成しやすくなるアルゴリズムで作られていますので、推奨項目で出稿されることをおすすめします。

なお、課金形態の「CPA」は Cost Per Action を指し、投稿にエンゲージメントが発生したタイミングでコストが発生、「CPI」は Cost Per Install、つまりインストール課金になり、「CPL」は Cost Per Like でいいね!を押されたタイミングでコストが発生します。また、全ての「CPM」は自動/手動を切り替えることが可能で、自動入札の CPM は Optimized Cost Per Mille で「oCPM」と呼ばれています。



大半のキャンペーン目的でCPCを推奨しない理由

結論から申し上げると、「CPCはあくまでクリックに対して最適化されるのであって、その先まで最適化が働かないから」です。


例えば、キャンペーン目標が「コンバージョン」だった場合、多くの場合はコンバージョン数を最大化するのが目的であり、トラフィックを増加させることが目標ではありません。しかし、CPCを選択することで Facebook のアルゴリズムはコンバージョンを度外視してリンクのクリックを増やすことを目的にします。この段階で本来の出稿目的と矛盾が生まれていることがわかります。

以下のグラフは CPC と、先述した oCPM で設定した場合の配信イメージです。


Facebook_Bidding-Options_5


CPCで入札すると、クリックを最大化すべく配信されるため、特定のユーザーにインプレッションが集中します。ここで問題なのは、”積極的にクリックするユーザーがコンバージョンする可能性の高いユーザーではない “ということです。

以前までは全てのアクション(リンククリックの他、いいね!等も含む)をクリックと定義されており、2015年7月の発表(詳しくはこちら)からはキャンペーン目標に沿ったアクション以外はクリックとして判断しないようになっていますが、それでも上記問題点がクリアになったわけではありません。


ここでも例を出します。

CPC 100円でインプレッション可能なユーザーAと、CPC 300円でインプレッション可能なユーザーBがいるとします。ユーザーAは日頃から広告に対して積極的にアクションを起こしていますが、平均のコンバージョン率(以下CVR)は1%です。一方ユーザーBはアクション数自体は極めて少ないですが、一度クリックするとそのままコンバージョンするケースが多く、CVRが10%だったとします。


Facebook_Bidding-Options_7


この場合、CPCで入札するとほぼ間違いなくユーザーAに対して何度も入札します。理由はただ単に”安価かつ何度もクリックしてもらえる可能性が高いから“です。


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ただ、コンバージョンする可能性が高いのは明らかにユーザーBなので、oCPMで入札していればユーザーBに対して積極的に入札をかけます


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仮にユーザーAに似たグループとユーザーBに似たグループがあったとして、入札オプションでA/Bテストを実施するとどういう結果になるかは明白です。Facebook はデモグラフィックのデータに加え、現行のFacebookピクセルはウェブサイトの全ページに実装することで離脱ポイントや購入した製品の詳細まで特定できますので、個人レベルで「どういった製品に興味があり、実際の購入しているのは何か」というデータまで持っています。この圧倒的なユーザーデータを持つ Facebook の配信アルゴリズムに手動のCPCで立ち向かうのはほぼ不可能だと言えます。



CPCを選択した方が良いケース

とは言いつつも、筆者も比較的大規模なアカウント(¥800,000/日程度)で、全く同じターゲットに全く同じ広告と条件を揃え入札オプションのみ変えたキャンペーンでA/Bテストを実施した事があります。結果的には CPC のキャンペーン(広告セットの概念がない時代)が oCPM のキャンペーンにやや劣る、といった具合でしたが、CPC のキャンペーンは運用リソースに大きな負荷がかかる割に効果が見合わない、ということでやはり oCPM のキャンペーンを残しました。当然例外になるアカウントもあることと思いますが、大半の場合は oCPM で配信するのが良いのではないかと思います。


では、「どういったケースで CPC を選択すれば良いのか」ですが、”ターゲット数の少ない広告セット“では有効な入札オプションになり得ます。概ね50万人以下の小規模な広告セットの場合、自動入札の oCPM では配信そのものが滞るケースがあり、インプレッションすら出せないということもあります。そういった場合は CPC で推奨価格のアッパーより高い額を設定されることをおすすめします。理由は2点あり、

① Facebookは(日本は特に)入札額の変動が激しいため、入稿時の推奨入札額は参考程度でしかない
② 最低限の CPC では質の高い(≒よりアクティブで、より購買活動が活発な)ユーザーにインプレッションできない

という理由です。高額の CPC で入札するのはなかなか勇気のいることですが、「どうしてもこのターゲットにしか配信できない」というケースがあればテストしてみてください(管理画面を覗く頻度は上げましょう)。




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今回の記事を書くに至った経緯として、Facebook広告の運用でご相談頂ける方の多くが CPC で入札している、というのがあります。日本の広告主の多くはおそらくインターネット広告の先駆者である Google や Yahoo! の流れで CPC を選択されていらっしゃるのではないかと思いますので、当記事が何かのきっかけになれば幸いです!

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