アカウント構成を考える時の注意点-予算設定編

最近、アカウント構成について相談や質問を頂くことが多くなってきています。アカウント構成は同じ業種でも予算規模や状況に合わせて作成しなければならず、経験値の高い運用者でも不安に感じることがあります。しかし、検索連動型広告の成否はアカウント構成に大きく依存しているため、外すことが出来ない最重要ポイントです。


今後数回にわたって、アカウント構成を考える時の注意点を解説していこうと思います。初回の今回は、設計の土台となる予算設定について解説をします。


予算設定を何となくしている方も多いと思います。何となく予算設定してしまうと効果に影響が出てきます。何となく予算設定するのではなく、しっかりと理解して設定しなければなりません。



■検索連動型のアカウント構造の確認

まず、最も基本的なアカウント構造の確認です。


経験値の高い運用者にとっては当然のことで、今更かと思いますが、とても重要なことが書かれています。運用経験が浅い方は、しっかりと確認しておきましょう。


アカウント構造
※Google AdWordsヘルプ:キャンペーンや広告の構成を考えるより引用


Google AdWordsのヘルプには、アカウント、キャンペーン、広告グループについて下記のように記載されています。

AdWords は、アカウント、キャンペーン、広告グループの3層で構成されています。
アカウントには、ログイン メールアドレス、パスワード、お支払い情報を登録します。
各キャンペーンでは、広告予算や広告の掲載先を設定します。
各広告グループは、同じテーマを持つ複数の広告やキーワード(広告表示のきっかけとなる語句)で構成されます。
※Google AdWordsヘルプ:キャンペーンや広告の構成を考えるより



広告予算を設定する場所はキャンペーンです。まず、キャンペーンの予算設定の基本的な仕組みを確認します。



■1日の予算×30日が請求金額ではない?

キャンペーンに設定する予算は1日の予算です。また、設定した1日の予算を最大20%まで超えて掲載される場合があります。(参照:Google AdWordsのヘルプ 請求額と1日の予算の関係


しかし、1日の予算の30.4日分を超える請求が発生することはありませんので安心して下さい。ヘルプには具体例が記載されていますので確認しておきます。

たとえば1日の予算は500円、請求期間は30日間とします。1か月を通して、1日に発生する料金はその都度異なり、200円の日もあれば700円の日もあります。しかし月末に請求される額は、15,200円(予算額の500円×30.4)を超えることはありません。つまり、キャンペーンの広告費用が日によって500円を超えたり下回ったりすることがあっても、1か月の請求額は予算に応じた額に収まることになります。



経験者の方も導入研修で習っているはずですが、意外と覚えていないのが30.4日分が請求金額になる点です。


多くの方が1日予算10,000円×30日=300,000と月額の予算を計算していると思います。しかし、1日の予算を10,000円を設定していた場合は、最大304,000円が請求金額になり、予定よりも4,000円も超過します。


キャンペーンが1つの場合は想定の範囲内で収まりますが、通常は複数のキャンペーンで運用している思います。設定しているキャンペーン数が多い場合は、月額予算を大幅に超過をしてしまう可能性があります。予算管理は運用の基本中の基本ですので、忘れないようにして下さい。


補足説明になりますが、月の途中でキャンペーンの1日の予算を変更すれば、最大の請求金額は、その都度変わります。キャンペーンの1日の予算を頻繁に変更する必要がないような金額を予算設定しておくことが大切です。


しかし、30.4日という数字はどのように算出されているのでしょうか?その答えもヘルプに記載されています。

30.4というのは、1か月の平均日数です(365日/12か月=30.417)。AdWords では、1日の予算にこの数を掛けることで、1か月分の予算を計算しています。



実際に起こりうる例として、1ヶ月(30日)に検索連動型広告を掲載する予算が30万円(税別)の場合を確認して見ましょう。


1日に使える予算は9,868円=300,000円÷30.4です。


実際、キャンペーンが1つで運用することは少ないかと思います。複数のキャンペーンで運用する場合は、1日の予算9,868円を各キャンペーンに配分しなければなりません。


例えば、キャンペーンを10個作成し均等に予算を振り分ける場合は、1つのキャンペーンに配分出来る1日の予算は987円です。キャンペーン数が半分の5個の場合は1,974円と2倍の金額を設定できます。キャンペーン数と1日の予算は反比例の関係にあることは覚えておいて下さい。

■キャンペーン数が多すぎると何が問題なのか?

先ほど確認したようにキャンペーン数が5個の場合と10個の場合で設定できる1日の予算は大きく異なります。必要以上にキャンペーンを作成し過ぎると、各キャンペーンに配分出来る1日の予算は当然少なくなります。1日の予算が少ないと掲載が抑制されることがあります。


【予算抑制がされている例】
予算抑制


掲載を開始している場合は、上の図のステイタスの部分のように「予算による抑制」が赤字で表示されています。また、「予算による抑制」がどれくらいの割合で発生しているかは「検索インプレッション シェア損失率(予算)」で確認可能です。


アカウント構成は、この「予算による抑制」が発生しないように考え、各キャンペーンに1日の予算を潤沢に設定することが、とても重要です。


既に掲載しているアカウントで「予算による抑制」が発生している場合は1日の予算を変更するか、既存のキャンペーンを統合し1日の予算を潤沢に設定できるように変更することを推奨します。


過去の運用経験では、成果が出ているキャンペーンの「予算による抑制」を解消した結果、成果数が大きく伸びたアカウントがあります。キーワード追加、広告文検証など工数がかかる施策のもっと前に、実施すべき施策が潜んでいるということです。しっかりと足元を固めた運用が重要です。



■掲載したいキーワードに予算を割り当てる

アカウント構成を考える時、上記の様に「予算による抑制」が起きないように考える必要があります。


エクセルの掛け合わせ表を使い機械的にキーワードを作成することがよくあると思いますが、残念ながら、掛け合わせによって生成されたキーワードの検索数や予測費用の確認をせずにキャンペーンにまとめて登録してしまうことが多く、1日の予算を正確に設定出来ていないケースを頻繁に見かけます。


また、機械的に組み合わせたキーワードは、検索数がほぼゼロだったり、実際に検索しないような組合わせも多く発生してしまいがちで、実際に掲載を開始しても、ほぼ表示回数が出ないキャンペーンが多数できてしまうことも多いはずです。


機械的にパターンで組み合わせるキーワード作成法は、短時間で大量のキーワードやキャンペーン構成をつくることができるため、開始までの準備を短縮することができます。しかし、成果に結びつけるためには入稿前に「生成キーワードの検索数」「意味のない組み合わせの精査」など、確認する工程を入れる必要があります。


成果に結びつかないキャンペーンが多数できてしまうと、成果に結びつくはずのキャンペーンに潤沢な予算が割当られず、掲載したいキーワードでの広告が表示されないということが起こりますので、機会損失と予算のムダ使いが同時に起こってしまいます。十二分に注意しなければなりません。


キーワードの検索数や予測費用は、Google AdWordsではキーワードプランナー、Yahoo!プロモーション広告ではキーワードアドバイスツールが提供されています。Google AdWordsやYahoo!プロモーション広告が提供しているツールを最大限に活用しましょう。


【Google AdWordsのキーワードプランナー】
キーワードプランナー


【Yahoo!プロモーション広告のキーワードアドバイスツール】
キーワードアドバイスツール

■まとめ

今回はアカウント構成を考える時の注意点として予算設定について解説してきました。最後にポイントを整理します。


・キャンペーンの1ヶ月の予算金額は「1日の予算✕30.4日」が最大請求金額
・「予算による抑制」が起きている場合、1日の予算を上げる or キャンペーンを統合
・キャンペーン数の数が増えると、1日の予算に設定できる金額は少なくなる
・掲載したキーワードの検索ボリュームや費用予測を把握し、必要な予算を割り当てる


初歩的な部分かもしれませんが、予算設定はキャンペーン数に深く関係し、掲載したいキーワードの検索ボリュームや予測予算を把握して設定しなければなりません。


経験値が増えれば、なんとなく、こんな感じにといった感覚でアカウント構成を作成してしまうことがあります。しかし、アカウト設計で成果は大きく変わります。なんとなく、こんな感じにではなく、しっかりと根拠と意図のあるアカウント設計を心がけていきたいですね!

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