加藤公一レオはなぜ、LTVを重要視するのか?

加藤公一レオさんは胡散臭い!?

有園:株式会社売れるネット広告社の・・・・・・お名前は、加藤レオ公一さんですか。

レオ:加藤公一レオです。日本語ではミドルネームという概念がないので「公一レオ」で一つの名前という認識です。

有園:レオさんとしてはミドルネームという認識で「レオ」と付けているのでしょうか。

レオ:いや、本当にミドルネームなんです。

有園:登記上も公一レオですか。

レオ:そうです。たまに、ミドルネームを付けている人がいますが、そういう人ってミドルネームを後ろに付けていますね。某IT企業の社長でも「なんとかなんとかロバート」って人いるじゃないですか。

有園:なるほど。知らなかったです。じゃあ公一レオさんですね。レオさんと呼んでいいですか。

レオ:いいですよ(笑)

有園:ということで、本日はレオさんにお話を伺います。「100%確実に売上を上げる」という本を出されています。正式名称は・・・・・・。

レオ:「100%確実に売上がアップする最強の仕組み」です。

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有園:出版はいつですか。

レオ:2015年3月頃です。一日限定ですがAmazon総合1位をとりました。

有園:それはすごいですね。

レオ:ニッチな分野で出した本がAmazonで1位なんて、なかなかですよね。まぁ、通常2時間50万円いただいているコンサル内容を初公開していますからね。

有園:私も読んでいますが全ては実践できていません。勉強させていただいております。レオさんが独立されて何年経ちましたか。

レオ:6年弱です。

有園:独立されてアドテックで人気スピーカー1位をどんどんとるようになってから私自身はレオさんのお名前を知るようになりました。自分は、電通さんや博報堂さんとお仕事をさせていただくことが多いんですが、正直に言うと、レオさんって広告業界的には、ちょっと胡散臭いって思われているじゃないですか。

レオ:よく言われますね(笑)

有園:(笑)すみませんね、ストレートに。エッジの立った過激な発言を意識的にされているので、そういうのを敬遠する人も業界の中にはいると思うんですよ。正直、僕は最初「なんだこいつ」と思っていました。でも、レオさんがネットとかで連載されている記事を読むにつれて「けっこう、いいこと言っているな」と思って。比較的、目についたら読むようにしているんです。そんな中でレオさんに対して興味を持ち、今日は福岡までやって来ました。

僭越ながら共鳴しているところがありまして。僕自身は、オーバーチェアにいたときに、大手アルバイト情報や大手アパレルECサイトなどを担当していて、ECをやっていました。単品通販は一回ぐらいやったかなという感じなので、領域は少し違うかもしれませんが、共鳴するところが多いです。

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「ライフタイムバリュー」や「年間ROAS」の指標について

有園:最初に伺いたいのが、「ライフタイムバリュー(Life Time Value)」や「年間ROAS(Return on Ad Spend)」の指標について重要視している。本の中でも最初のほうに書かれていますが、その辺の考え方に至った理由をあらためて伺えますか。

レオ:2つあります。もともとは私自身も広告屋で、ADKでネット広告をやっていました。当たり前ですが、広告を投下するほど私は儲かるわけですが、クライアントのLTVが低いとクライアントからのCPA目標の要求が厳しくなるんです。逆に、めちゃくちゃ高いLTVを作り出せば、ズバリCPAが甘くなる。その結果ガンガン広告を打ってもクライアントは採算がとれる。イコール自分の売上が上がる。正直、もともとその流れというのもありましたね、いち広告マンとして。

有園:実は、それを聞きたかったんですよ。正直ですね。クライアントのLTVを改善することで、広告代理店の売上も上昇する。

通販会社が生き残るために

レオ:仮に、LTVが5,000円しかないようなクライアントなら、CPOを2,000円取らなきゃなりません。でもCPO2,000円で取れる媒体って、リスティング広告やアフィリエイト広告などでちょこまかやるしかないんですよ。それって結局、釣り堀レベルの世界です。ちっちゃいところで、ちょこまかと。

ただ、商品種類が少ないネット通販の場合、数十億円の売上を稼ぐには、絶対に「純広」を攻略する必要があるんですよね。“釣り堀”のようなリスティング広告などとは違い、「純広」は果てしなく広がる“海”で魚釣りをするようなものなので。

しかし、いち広告屋として、ヤフーのブランドパネルをバーンとやって、5,000万インプレッションで2,500万円みたいな枠は、残念ながらCPOが2,000円や3,000円は取れないんです。ああいうのだとCPOが1万円ぐらいかかる。では、どうすればいいかというと、5,000円あったLTVを2万円や3万円にしていく。そうしたらクライアントは採算が取れるわけです。そうなると、CRMを中心に改善してLTVを最大化することに注力するのはありますよね。

ぶっちゃけ10年前に比べてネット広告のCPAやCPOが悪くなっているんです。リスティング広告も採算性がどんどん悪くなっていく。「純広」でもCPAが悪くなっていく。

これからはCPAが良くなる時代って来ないと思うんですよ。世の中、DSPとかいろいろありますが、どうやっても結局、低いCPAでとれることはもう無いと思います。通販のビジネスは、初回受注はあくまできっかけであって、その後のリピートやクロスセルで利益を出すビジネスモデル。なので、広告の“費用対効果”はLTVで見ないといけない。企業の決算が一年であるように、ネット広告の決算も年単位にすると、より正確に“効果”を把握できる。通販会社であるクライアントが儲けるためには、1回客をいかにして100回客にするか。極端な話ですが、一回来て終わりではなく、いかにお客さんに100回来て買ってもらうかをベースに考えていけば売上は上がっていくんです。

そういう観点から、LTVやCRMに特化し始めたというのはありますね。

競合がいなかった

レオ:もう一つは、競合がいなかったんです。私はいち広告マンとしてADK時代からずっとやってきているんですが、多くの広告マンや広告代理店は、せいぜいバナーを作って広告の媒体枠をExcelで売っていくみたいな世界だったんです。そのほうが一見、効率よく見えるじゃないですか。ばんばんテレアポしてExcelの表を持って決めていく。本質的に考えると、媒体枠なんかアホでも買えるんですよ。5,000人の代理店だろうが10人の代理店だろうが、媒体枠は買えるわけです。そこに何も価値はありません。ヤフーは誰が買っても一緒です。そういう世界では媒体を売るだけで競争にさらされます。なので、僕が十何年前からやり始めたのが、クライアントのCPAだけじゃなく、その後のCPOやLTVにも責任を持つことでした。

有園:それが20代後半ですか。

レオ:28歳ぐらいから、それをやり始めました。

有園:通販をやっている人にとってはCPA、CPO、LTVって常識なのかもしれませんが、ネット広告を僕もずっとやっていますが、CPAとCPOを区別せずに使っている方は、けっこういらっしゃいます。そこの違いを説明していただけますか。

CPAとCPOの違い

レオ:弊社の売り方というか、通販王国九州と言われていた頃のやり方は、どちらかというとツーステップマーケティングです。いわゆる、一回目はサンプルを申込ませて見込み客を集め、そこからメールを中心にフォローして本商品もしくはサービスを買わせて2回目、3回目と。あるいは、クロスセルで他の商品を買わせます。我々の会社のやり方として主流になってきたのは、CPA(Cost per Action)というとサンプルを中心に見込み客を集めています。サンプル一人あたりの獲得コストをCPAと定義付けています。CPO(Cost per Order)というのは、本商品もしくは本サービスを買わせたときの獲得コストを表現しています。

有園:基本、無料サンプルですか。

レオ:無料サンプルや500円のサンプルやモニターという、何らかのサンプルやトライアル品です。

有園:それについてはCPAと呼んでいるんですね。僕らの世界だとメールの申込みや資料請求とかも一応CPAですが、単品通販の世界では基本はサンプルのモニターなんですね。

レオ:そうですね、でも、概念はきっと一緒です。見込み客一人あたりですね。

有園:CPAは、見込み客一人あたりの獲得コストということですよね。CPOはオーダーだから、お金を払って買ってくれる人に対するコストということですね。

レオ:そうですね。結局、我々は媒体枠を売るんですが、そこだけだと価値がない。もっというと、クライアントのためになっていないんです。

広告代理店や広告マンというのは、なかなかCRMの分野まで入ろうとしません。単純に面倒くさいから。もっというと、いままではCPAの見込みをとった後のCPOが悪かったら広告代理店はクライアントに「もしかしたらCRMがダメなんじゃないですか」という会話で逃げてた。我々は、そこに踏み込むことによって、CPOまでつなげる、その後のリピートも含めてLTV全体に責任を持つ。そんなところに入ってくる人はいなかったので、そこが一番のポイントかなと思っています。

もちろんバナーやLPとかも作りますが、先方のフォローメールから引上LPやリピートLP、DMからパンフレットからコールセンターのスクリプトまでCRM周りを全部こっちで作りました。それが大きかったですね。いまだに競合はいません。

有園:いわゆる総合代理店みたいなところにはいませんね。ネット専業でも、あんまりいませんね。

レオ:僕が唯一、ネット専業でできていると思っているのは○○○という代理店です。○○○グループというダイレクトマーケティングで有名な会社の子会社で、まぁまぁできるかな。どこの総合代理店やネット専業を見ても、競合と思えるところはいません。僕にしてみれば「いつでもこっちに来いよ」という感じです。

代理店もCRM領域へ

有園: CPAが見合わなかったら「それ以上お金を出せません」と、そこで煮詰まっちゃうクライアントさんっていっぱいいるんです。LTVで見れば、ちょっと違うってときに、そこに踏み込んで来る人っていないんです。面倒だからだと思うんですが。つまり、広告代理店さんがCRM領域に、もうちょっと踏み込んだほうが結果的にはいいんじゃないかな。

レオさんの得意分野からずれるかもしれませんが、DMPの導入コンサルみたいなことを何件かやったことがあります。あれも結局、CRMです。DMPとCRMが合体してくる。そこって、専業の代理店も総合の代理店もできていません。細かいリタゲぐらいしかできないので、もっとその辺に入ってきたほうがいいと思っています。「LTVまで見ます」ってとこを成功させれば代理店も売り上げは上がるじゃないですか。冒頭で広告マンとして売上が上がると思ったからだと、すごいですよね。

レオ:そうですね。あとは、競合環境に置かれないために。当然のようにレスポンス回りは普通の代理店もやっていますが、CRMまで手を付けてこそ全部を牛耳ることができるんです。下品な言い方だけど、相手の金玉を握るので、あっちは二度と離れません。

あとはクライアント側も、ネットで成功したいなら、最低でも広告代理店に「クリエイティブ」を作らせ、メールをベースとした「CRMプログラム」を作らせること。むしろ通販会社はクリエイティブやCRMを提案しない広告代理店は出入り禁止にするべき。媒体のみを買ってあげるなんて、広告代理店に楽をさせすぎ。枠売り広告マンに価値は無い。甘やかしたらあかんで~!

有園:(笑)

レオ:「あなたなしでは生きられないのよ」みたいな状態にしちゃっているわけです。現に、そういうのができているわけですから、他の代理店は一切入ってきません。

具体名を出すなら、AAA社、BBBBBBBBB社、CCCCC社とかが、ヤフーのマージン単価を5%に・・・・・・いや、うちは4%に・・・・・・、3%に・・・・・・なんてアホかと。3%でビジネスをやるなんて。

有園:それでけっこう、こき使われていますからね。

一切、値引きをしない

レオ:クライアント側も5%とか値引きしてどうするのって。うちは一切、値引きをしませんよ。たまに会ったばかりのクライアントで「媒体費を5%負けてよ(=代理店のマージンを削ってよ)」と言うクライアントがたまにいるが、そういう時には『じゃ、他の代理店を使えば?コストを“5%”下げたいで すか?それとも売上を“500%”上げたいですか?』と返します。クライアントの売上を徹底的に上げれば、コスト値引きなんて誤差の世界なんです。

この5年間、弊社の“費用対効果”の平均的なアップ率は6倍です。以前の代理店に比べて、広告の費用対効が最大で18倍とかありました。1,000万円を使って、いままでは500万円しか儲からなかったのが、いまは3,000万円儲かるという世界を作ってきたんです。

1つ目はクライアント、お客さんが儲かるため。2つ目は競合に置かれないために一番大事なところを握っておく。大きくはこの2つの理由です。

CRM領域に入るコツ

有園:CRM領域に入っていくのって大変だったと思うんですが、どうやって入っていったんですか。お客さんに「CRM領域まで面倒みさせてください」と言ったのか「フォローメールを作らせてください」と言ったのか。いままでやっていないのに、いきなりすぐにやらせてもらえるとは限らないので、そういうのって、どういうふうにやっていったんですか。

レオ:最初は、僕のクライアントの、やずやさんでやり始めたのですが、すんなり受け入れてもらえました。

有園:信頼関係ができあがった上で、やり始めたんですね。

レオ:そうですね。見ての通り、いまでは弊社のクライアントも大手がいっぱいです。いまのところ、うちがCRMまで全部握っています。うちがCRMまでやっていないクライアントはいません。他の代理店は媒体の枠売ばかりやっていたから、我々が入っていくと「待っていました」って感じなんです。自分たちでやるよりプロに任せたほうがLTVは上がるなら、全部丸投げしたいっていうのがありますね。

有園:クライアントの方が「待っていました」と。

レオ:そうですね。そういう傾向がけっこう強いですね。

有園:実際、御社ではメールを作るわけですよね。

レオ:作ります。なにより仕組み化しています。「売れるネット広告つくーる」をベースに。あれにはうちのノウハウを全部入れています。

2_売れるネット広告つくーる

単純にメール原稿を作るだけじゃなく、日数別配信で、どのタイミングで送れば一番いいか、A/Bテストを繰り返し、どういう表現をすれば一番レスポンスが来るか、どういう件名、文章、どの時間に送れば、2回目、3回目とリピートしてくれるのかなどなど、ずーっとA/Bテストをやっていて、一番いい手法を横展開していくやり方です。

有園:総合代理店の中には、レオさんのことをあんまり好きじゃない人もいると思うんですが、見習ったほうがいいと思うんです。CRM領域に入っていくことはDMPと絡んできているし。

レオ:総合代理店にいたから分かるんですが、それって総合代理店ではやっぱり難しいんですよ。総合代理店って通販だけじゃないので。

僕は昔から総合代理店の現場にいたけど、営業マンもクリエイターもアバブ・ザ・ライン(above-the-line)の話しかしない。「テレビCMがこうで」「このコンペがこうで」みたいな話しかしないじゃないですか。一番大事なポップとかチラシとかは「ちょっとそこら辺の制作会社に投げておいて」みたいな。

結局、華やかで派手な部分にだけ力を入れて、一番重要であるビロー・ザ・ライン(below-the-line)の実際のコンタクトのところはおざなりです。その腐った文化が未だに、このネット時代でもつながっているんです。「ブラパネを売っとけばいい」みたいなね。フォローメールなどCRMなんかしてられるかみたい話。そういう発想だからCRM領域までいかないんです。

逆にネット広告代理店は、根性でテレアポしてExcel持って行って「数あたれ!」みたいな文化で兵隊方式。「お前、なにフォローメールなんか作っているんだ」みたいな。本当は、そっちの方が将来的には儲かるんですけどね。

全てをA/Bテスト

有園:いまの「総合代理店は華やかな部分にだけ力を入れる」という話で思ったのですが、カンヌとかで賞を取るようなクリエイティブを狙っている人に発注するなという話をレオさんご自身もよくされます。僕は総合代理店の近くで仕事をしているので言い難いところではあるんですが、ぶっちゃけ「これはどうかな」って思うクリエイターがいるのも事実ですよね。

僕は一番長くやっていたのがリスティング広告で、いわゆるタイトル・アンド・ディスクリプション(Title and Description)を自分なりに要素分解して、たとえば、「ネット限定」とか「夏限定」とか「無料で」とかっていうように分解して、「ネット限定」とか「夏限定」って広告文に入れた時と入れてない時ってCTRとCVRがどのぐらい違うかっていうテストをやっていました。「広告文の要素分解分析」って呼んでたんですけど。

そうするとCTRは上がるけどCVRはそんなに上がらないって言葉が出てくるんですよ。「無料」なんかがそうですけど。「無料」ってCTRは上がる一方で、CVRはそんなに上がらないケースが多い。

一方でさっきも言った、「ネット限定」とか「夏限定」とかはCTRも上がるしCVRも比較的上がるということがあったりする。なので、CTRが上がるものとCVRが上がるものを、この2つをうまく組み合わせて広告文を作ると一番効果が出やすい。

この話とレオさんがよく言っている、コピーとか写真とかデザインとかを要素に分けてA/Bテストしていくというのは似ているなと思っています。この要素分解分析は、バナーとかで全部やっているんですか?

レオ:バナーというより全部でやります。LPからフォローメールも全部、要素分解してやります。

有園:その発想が同じだなと思って。「あ、なんか共感する」と思ったのが、そこだったんです。この人、僕と同じ発想でやっていると。

CTRが高い要素とCVRが高い要素を組み合わせると、結果的に良いものができると話しても、やったことがない人には「そうだっけ?」みたいな反応をされることがあります。

レオ:うちの発想は、一要素ずつ分解していって、それをA/Bテストしていく。キャッチコピーだけのテストを1週目とかにヤフー使ってやってみて、次に写真をやって、それからデザイン要素をやって、ガッチャンコ。

有園:これを話すと・・・・・・。

レオ:ミーハーなクリエイターは嫌いますよね。

でも、数字が全て

有園:やっぱり嫌いますよね。そんな簡単なもんじゃないだろうって。僕も言われましたもん。広告文を分解して組み合わせて。日本語として不自然でなければ、それでいいと言うと、コピーライターから「いや、そんなもんじゃない」と。

レオ:ネットの気持ちのいいところは「わかりました、テストしましょう」っていうところ。「あなたが作ったやつと僕が作ったやつで勝負しましょう」と。そしたら面白いですよ。3、4倍ぐらい勝つんです。ドヤって。

所詮、クリエイティブなんて掛け算。今まで、あなた達はわけの分からない不透明なところでやっていたから自分たちのロジックが正しかったけど、数字が全てってところに持っていけるのがネットの素晴らしさです。

ワールドカップの日本代表と一緒じゃないですか。それぞれのチームがあって、ナンバーワンのディフェンダー、ナンバーワンのフォワード、ナンバーワンのミッドフィルダー、ナンバーワンのゴールキーパーをガッチャンコしたら日本代表ができあがる。そういうのが最強のチームで、どの国でもそういうふうに選んだものをワールドカップに出していくんです。

ネットというかオフラインも含めて、クリエイティブも所詮そんなもんです。一番強いやつをガッチャンコしたら一番良くなる。それってキレイ事ではないんです。

有園:基本、僕は9割5分ぐらい賛成なんですが、電通・博報堂と付き合っていると、5%ぐらいは、すごいクリエイターがいます。人の心を動かして、売上にもつながるキャンペーンのクリエイティブを作っちゃう人。そういう人たちって、A/Bテストはやってないじゃないですか。

レオ:でもね、そういう人たちも、きっと頭の中で、どっかでA/Bテストしていると思うんです。我々のやっているようなA/Bテストじゃないけど、経験の中でいろいろな引き出しがあって、過去に良かった要素をガッチャンコしている。僕はそう思っているんです。

自分の才覚で我々みたいなA/Bテストじゃなくて、過去の経験則で良かったのを少し足し合わせているような気がするんです。本当に商品を売るようなクリエイティブは。なんとなくですが。

有園:たしかに、経験値や感性、世の中の情報を集める嗅覚みたいなものがあって、A/Bテストじゃないけど、その人の頭の中で計算されたものが出てくるんだと思っています。A/Bテストに頼らなくても、すごく売れるクリエイティブ、目立つというか人の心を動かせるものを作れる人がいるんだなと。

レオ:僕もそう思っています。

有園:レオさんは天才肌なのかもしれませんが、僕みたいな人間は、要素で分解して一生懸命テストをしています。

レオ:それは僕もまったく一緒です。

有園:カンヌを取りたいって頑張っている人がいます。それは、クリエイターの生き方としてはありだと思います。

ところで、最近、テレビ番組制作会社とかCM制作会社からネット広告勉強会の依頼がチラホラ来るようになりました。テレビが今後どうなるか分からないという状況で、ネットで生きていかなきゃいけないと思っていらっしゃる。

それで、「じゃあどんな動画やどんなクリエイティブが今まではいいとされていたんですか」とクリエイティブディレクターの人に聞いたら「人の心を動かすものだ」って。

では、「人の心を動かすいいクリエイティブっていうものができたら、その結果どうなるといいのですかね?」という話をしていたら、「結果的にはそれによってクライアントの商品が売れるのがいい」と。「でもそれ、測ってないですよね」みたいな感じの話になって。

理屈としては「人の心を動かすことができて、かつ、売上につながる」っていうのがいいっていうのはわかっている。でも、要素分解をされるのは嫌だ、しかも自分のクリエイティブをテストするとかになるとそれは嫌だってなる。

良いクリエイティブは、人の心を動かす?行動を動かす?

有園:「人の心を動かす」という、クリエイターが一生懸命に考えていることが、今後は売りにもつながらなきゃいけない。そういうところをクリエイターが目指してくれれば、いいんじゃないかなぁと思っていて。

レオさんはA/Bテストでやる訳ですが、たぶんレオさんは人の心を動かそうとは、必ずしもしていない?

レオ:人の「行動」を動かそうとしていますね。

有園:結果的に売上につながるってことは、「行動」を動かすこと。で、「行動」を動かすってことは「心」が動いている。

レオ:まぁ、そうですね。

有園:言い方次第だと思いますが。

A/Bテストでノウハウをためる

レオ:僕は、日本一A/Bテストをやってきたという自負があるんですが、本音を言うと、実は自分のためなんです。クライアントさんのためでもあるけど。僕の特徴は、さっきの有園さんと一緒で一要素しかテストしないんです。どんなキャッチコピーにすれば、どんな写真を撮れば、どんな制作物が、アイコンは何色にすれば、一番レスポンスが上がるか。商品の呼び名もサンプルモニターとか、どれが一番レスポンスは上がるか。

全てを要素分解してテストをすると、言い方が悪いけど、自分のノウハウになるんです。僕は今まで、ADK時代から200億円ぐらい運営して、そこで何百回とA/Bテストを繰り返してきました。めちゃくちゃ自分のノウハウになっています。当然、クライアントのノウハウにもなります。いろいろなクライアントをやっている分、僕は日本一のノウハウを持つことになる。ある意味ずるいけど、それが一番大事だと思うんです。

売上が上がるのは一番大事。だけど、全く違う要素をA、B、C、Dやって「これが勝ちました」っていう結果があっても、なぜ勝ったのかが個人にまで落ちていかないのが僕は嫌いなんです。

要素分解したA/Bテストだと個人に落ちていく。個人のノウハウとして。その人は、別の商品で横展開した場合でも成功します。同じパターンで作れば。

これが好きなんです。いわゆる確実性です。自分個人のノウハウが積み上がるという欲が満たせるのも大好きだし、積み上げたノウハウは、どの商材にもっていってもうまくいくんですよ。ぶっちゃけ。

初めてA/Bテストをするときに不安はつきもの?

有園:初めてA/Bテストをする時は、クライアントの前で「たぶん、このAとBだとAの方がいいと思います」とか仮説の説明をするのでしょうか。

レオ:「AとBで、どちらの方がいい」というのはやりません。キャッチコピー1つにしても20案ぐらい出します。ヤフーは4つぐらいしか入稿できないから、その中から4つぐらい選定するときに「それじゃあ、こっちの方が今までの経験則でいいだろう」って選びます。

有園:「4つのうち、どれか1つがいいかもね」というのはやらないんですね。

レオ:「トップ4は、これが一番大きいところのトップ4だと思うよ」ってところまでやって、あとは実際にやってみる。

有園:最初にA/Bテストをやるとき、不安ってありませんか。

レオ:元のやつに勝つかどうかは不安があります。ずーっと勝っているキャッチコピーってあるじゃないですか。複数の案を出しても元に勝てないことって稀にあるんですよ。あまりにも強すぎて。そういう時は唯一不安ですね。せっかくクライアントが制作費を払ってやってくれているのに。

有園: そうなんですよ。制作費がかかりますね。そんな大した金額じゃないにしても。僕自身、AとBといろいろ仮説がある中で、一番不安を抱いたテストがありました。

10年以上前ですけど大手アルバイト情報サイトA社をやっていた頃、3位狙いのリスティング広告、3位狙い戦略っていうのをやっていました。1位になるとCPCが上がってしまうけど、3位は、そこそこクリックも取れて良いポジションだって価値観です。

1位にしたほうがCPAは下がる

有園:そのとき僕は「1位にしましょう。1位にしたほうが必ずCPAが下がります」って言ったんです。なぜならば、コンバージョンレートが上がるから。

いくつか分析している中で、波がありました。順位の波が。3位狙いでも2位や2.1位だったり、3.8位になっていたり。当時、すでに1万キーワードくらい入れていましたが、すべてのキーワードで2.1位のときと3.8位のときでブレがある。ブレの中で順位が上がっている時のほうが、若干、コンバージョンレートが高いという現象が分析して見て取れたんです。

僕の仮説としては、競合に当時、アルバイト情報B社っていうのがあった。調べたんですが、A社とB社の2つって東京のアルバイト案件だとかなり重複している。渋谷のウェイターなら同じアルバイト先の案件が両方に掲載されている。

そうすると、検索してアルバイト情報B社で渋谷のウェイターに応募するとするじゃないですか。応募したら、これは仮説なんですけど、今度は3位のアルバイト情報A社のサイトに入って同じスタバの同じ案件に2回も応募しないだろうって思ったんですね。

なので、同じ商材が重複している競合がいればいるほど1位のコンバージョンレートが高いはず。これは大手書籍ECサイトとKKK書店ECサイトでもそうだったんです。本って同じ本を2冊買わないですよね。

だから1位と2位だと1位のほうがコンバージョンレートが高い。だったら先に見せないと競合に取られちゃう。で、提案書を作ってクライアントに話して、一週間だけでいいから全部1位にさせてくれと言って、それでCPAが下がらなかったら…すみません、っていう…。(笑)

レオ:(笑)

有園:そのテストが一番緊張しました。「CPCが上がって媒体費が増えて、ヤフーとグーグルが儲かるだけじゃないですか」って言われて。「いやいや、そんなことはないはず。コンバージョンレートが上がります」って言って。

ある意味、賭けですよね。そしたら、実際にCPAが半分ぐらいまで落ちたんですよ。一時的にね。ずーっとは続かないんですよ、競合が入札競争してくるので。ただし、半分ぐらいまで下がったCPAが少し戻っても、結局、当初の80%ぐらいで落ち着いた。つまり、少し安くなった。そのテストした一週間安くなって。その後からアルバイト情報A社は1位戦略に変わりました。

レオ:確かに、同じ商材を扱っているいろんな会社があれば、それは正しいですね。

有園:これは大手アパレルECサイトとかもあてはまって。ただ、ひとつ条件がありました。ブランド力があって、ウェブサイトのコンバージョンがしやすくて、商材の競争力がある。それであれば1位に出したほうがいいんですよ。ほとんどが。

大手アパレルECサイトもそうだし、大手書籍ECサイトもそうだし、大手アルバイト情報サイトも。レオさんは知っていると思いますが。

レオ:いや、でも面白いですよ。あまりそういう発想でリスティング広告をやってこなかったし、リスティング広告自体あんまりやっていなかったので。リスティング広告だったら、そういうロジックも完全にありですよね。順番に見ていかなきゃいけないから。

A/Bテストから逃げてはいけない

有園:自分の中の「こう来るだろう」っていう仮説をクライアントに言って実施するときは不安です。それは、クリエイターが自分の作ったクリエイティブをテストされるのが嫌だっていう心理と同じなのかなと。僕はクリエイターではありませんが、自分が作った広告文やコピーとかに数字が付いてくるっていうのは、やっぱり不安です。あるいは、テレビCMと検索数に相関があるという仮説をテストしたときも不安でした。でも、それが嫌だって言っているクリエイターって、実は弱いんじゃないかなって。

レオ:そうだと思いますよ。僕なんか楽しくてたまんないですもん。

有園:A/Bテストを続けたら数字が出てくるというのは厳しい世界です。でも、有名クリエイターも、自分のクリエイティブで、どれぐらい売上が上がっているのか、もっと検証したほうがいい。

いまテレビCMはざっくりとした相関分析、重回帰分析ぐらいしか手法が無いけどね。でも、オンライン動画では要素分解してA/Bテストができるようになってきたので、もっと積極的にやるべきです。人の心も動かしつつ、かつ、クライアントの売上にも貢献するクリエイティブかどうかを検証していく。レオさんなら共感してもらえるかなぁと思って。

広告は販売業

レオ:本当にそうなんですよ。僕は、ネット通販のダイレクトマーケティングですが、どんなブランド系、イメージ系のマスメディアの広告マンだろうと、広告なんて所詮、販売業だってことを理解すべきですね。決して、アートでもないし、エンターテイメントでもない。広告はズバリ販売業です。でも、誰も認めません。電通も博報堂も「お前ら、販売業だからな」って言っても認めない。「俺は広告マンだ」と。いや、販売業だよ。

有園:受託産業だって言葉を聞いたことがあります。クライアントからお金もらって引き受けてやる仕事だから、どんなにすごいクリエイターであっても、オリエンがあって、クリエイティブブリーフがあって、それに則って作ります。そこからはみ出していくのはダメで。そうすると、販売業、どっちかって言うと、ファンドマネージャーに近いイメージだろうなと思っていました。予算をお預かりして、倍返しするってレオさんよくいうでしょ。

レオ:世の中のメーカーの人は、そんなに給料が高いわけじゃないですか。ハッキリ言って。広告業の方が高いわけですよ。ある意味、クライアントの社員から奪っているんです。数10万円、数100万円と。本当は給与とか賞与として全員に渡せるのに、広告という何百億円の投資のために、一人ずつから奪っているようなものなんです。その大事な命の金を広告業界が自分の趣味のために、泡遊びのために使っちゃダメだっていうのがあって。僕はそれが大嫌いなんです。

僕は、それをよく批判するから、大手広告代理店の人たちは僕が嫌いなんですよね(笑)命の金ですよ。本当は社員に払うべきだと思うんです。でも、一人ずつから集めた金で、未来に向けての投資として広告をやっている。万が一、失敗したら大損ですよ。社員それぞれにとってね。その下には奥さんもいて、子供もいて。裏切りですよ。

有園:自分で会社をやるようになってから、そう思うようになりましたか?それとも、昔からですか?

レオ:昔から、そういう思いが強かったですね。ADK時代に、一回だけですがクライアントが倒産したことがあります。通信会社でした。資本は多かったので、それなりの規模はあって、お金も持っていたんですが。

僕が広告業界に入った25歳頃、バンバンテレビをやらせて、バンバン新聞をやらせて。でも、商品がそこまで売れなかったんです。今、考えると「あれじゃあ売れないわ」っていう広告を作っていたんですよ。キリンビールの広告とかを作っているミーハーなクリエイターを入れて。契約をとらなきゃいけないんで、ミーハーな新聞をガンガン打たせて。僕は儲かったけど、そのクライアントは倒産してしまった。その会社にいた社員たちもいなくなってしまった。そういう苦い経験があります。

広告は売ってなんぼ

レオ:だからそれ以降、僕が思ったのは「やっぱり広告って、売ってなんぼだなぁ」と。そうじゃないと、クライアントとその社員も死んじゃう。そこから、ダイレクトマーケティングをすごく勉強しだしました。九州のやずやさんをやりながら勉強して。

クライアントを儲けさせたら、社員のボーナスも上がって、会社としても伸びていく。広告マンに対しても、翌年どんどん戻ってくる。

こうした考えを、僕は昔から持っていました。苦い経験があったからかもしれません。少なくとも28歳以降、ダイレクトマーケティングとして独立してから、クライアントのお金を自分のお金より考えてきました。自分の想像力やアイデア力、広告マンとしてのセンスは日本トップだと思っていませんが、クライアントのお金を自分のお金のように考えられる能力だけは日本一だと思っています。

自分のお父さんのお金、お母さんのお金って、一生懸命、考えられるんですよ。自分のお父さんのお金だって考えたら、どんな広告マンでも命がけで絶対に売るためのクリエイティブを作るでしょう。テレビ局や新聞社、ネットの媒体社とかをどんどん叩いて「値引きしろ、値引きしろ」ってね。一円でも安く買いたいから。そして、ミスをしないように運用する、構成する。そういう基礎的なことを自分からやると思うんですよ。

クライアントの広告費を消化しない

レオ:でも、みんなサラリーマン的思考でクライアントの広告費を消化するっていうイメージだから、うまくいかない。

有園:「消化する」って言いますもんね。

レオ:僕は、自分のクライアントには絶対そんなふうにしません。当然、世の中の経営者は全員分かっていますよ。ただ、残念ながら世の中の人達は雇われなので。しかも、大手に入ったら麻痺しちゃって、その感覚がなくなるんです。「広告費を取りに行く」って言いますからね。それが投資だってことを分かっていない。「運用する」ってマインドがないんです。

広告業界ではCPC/CPAを“短期的”だとか、“卒業・脱却しなくちゃ”とほざく“CPC/CPA否定主義者”が多いけど、ぶっちゃけ『CPC/CPA至上主義』でよくない?って思います。そういう否定主義者の人たちは媒体社や代理店のリーマンの立場だからそう言えるんです。もしあなたが自分の会社(金)でディスプレイ広告を出稿したとして、100万人がそれを見て、クリックもコンバージョンもほとんどなかった時、あなたは本当に心から「ヤッホー!ブランディングができた~♪」と喜べるか?と問いたいですね。超余裕のある金持ちのびのびクライアントでない限り、CPC/CPAを求めるのは当たり前で、業界の“大人の思惑”を押し付けるなと思います。

僕自身、そこは日本一強いと思っているし、実はうちの会社の一番の強みがそこなんです。「売れるネット広告社」は、そこの教育を徹底しています。人事評価の指標が売上じゃないんで。「ビフォー・アフター表」っていうものです。

有園:それ、いいですね。

レオ:「ビフォー・アフター表」に、ビフォーは現時点での自分たちが担当し始めるときの、もしくは年末の1月間の数字をもらうんです。アフターでは、そのCPAがどこまで改善するか改善について評価される。

有園:CPAなの?

レオ:いや、全部。

有園:CPA、CPO、LTV、ROAS全部?

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レオ:この指標全部。これを全部、上げなきゃいけないんですよ。CPO も上げなきゃいけないし、フォローをやって引上率も上げなきゃいけない。CPAも改善しなきゃいけないし、購入単価も上げていかなきゃいけない。年間購入回数も上げていかなきゃいけない。LTVも上げて、最終的には年間ROASですね。年間の“費用対効果”、つまりはLTV割るCPOで。

で、新入社員も含めて、これが10枚なら10社分ですけど、この数字を全部クライアントからもらってこいと。ここに現状のクライアントの数字を入れさせて、一年後にアフターがどれぐらいになったか、ということで評価されます。

で、これさえ上げていけば、そこまでやったらクライアントがぞっこんになるんで絶対にお金がよってくるんですね。で、結局うちの売上があがるんですよ。

だから売上を上げろ上げろって言ってもしゃーないんですよね。こうやって効果を上げろ、と。この文化を根付かせたらどうなるかというと、僕と同じ夢が今の新入社員に浸透していく。クライアントの“費用対効果”をあげるために何をすればいいか、そればっかり考えるようになる。

有園:僕は今日最初に、LTVと年間ROASの話をしたじゃないですか。単品通販の世界ではかなり浸透しているのかもしれませんが、LTVを計ろうとしてないクライアントも結構、多い。なので、LTV、そして、年間ROASが重要だという話は、ぜひ、もっと広めていったほうがいい。でも、レオさんのクライアントはみんなやっているみたいですね。それはすごいですね。

LTVを上げなきゃ売上が上がらない

レオ:むしろ、LTVを上げなきゃ売上が上がらないことを分かっているんです。

有園:それって教育するんですか?

レオ:弊社の場合は、すでに教育されています。弊社の特徴は営業を一切しないことです。

有園:ちなみに、うちも営業を一切しないんですよ。

レオ:それって大事ですよね。コンサルは営業をしないって大事だと思うんです。うちってバツ2のクライアントしか来ないんですよ。だいたいが、大手総合代理店に騙されて、大手ネット広告代理店に騙されて、うちに来ます(笑)大体、大手広告代理店や大手ネット広告代理店に騙されたところばっかりです。被害者の会ですよ、うちのクライアントは。最終的に泣きついてくるんです。

いろいろな広告代理店と付き合って、通販がスタートして3年ぐらい経ったクライアントがうちに来るんです。全然、採算が取れない。会社から「部署を消すぞ」って言われているようなクライアントばっかりくるんです。バツ2の会。2回、離婚しているんですよ。

だから、過去データがあるので、ベースのLTV、この指標は100%持っている。なので、絶対に比較軸はできるんですよ。

有園:通販をやっているところは、LTVをみんな持っているものなんですか?

レオ:持っています。しかも、単品通販なら、ほぼ100%持っています。逆に、通販を新規事業で始めたところは、みんな分からないってところはありますが、3年もやっていたら、だいたい組織としては把握しています。単品通販というのは、ある意味、共通のKPIなんです、業界全体が。だから、すごく分かりやすく比較しやすいんです。

有園:僕の経験からも、一番大事なのはLTVとROASを年間で計ること。

レオ:そうですね。企業の決算と同じです。企業の決算が一年ごとであるように、通販の広告の“費用対効果”も一年単位で見ていかないと分からない。

有園:短期で見てもしょうがない。一年で見ていく。ある意味、マス広告も本当は同じであるべきだと思っています。投下した広告に対して、売上がどれぐらい上がっているのかを1つの指標にして年間でみていく。

レオ:僕はむしろ、マスメディアでも、そこを最重要視しています。短期的にはどうこう、長期的にはっていうのが逃げにしか聞こえないんですよ。そういうのは大っ嫌いで。うちも一年単位で見ますが、一年後に全部ビシッと詳細まで分析して結果を出します。結果を数値化する。これが必要だと思います。逃げとしての短期的、長期的ではなくて、長期的でも一年後の約束の期限に全部、通信簿を出すことをやっています。

有園:素晴らしいです。参考になりました。ありがとうございました。

レオ:ありがとうございました。

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《対談者プロフィール》

株式会社 売れるネット広告社
代表取締役社長 加藤公一レオ

1975年ブラジル・サンパウロ生まれ、アメリカ・ロサンゼルス育ち。 西南学院大学経済学部卒業後、三菱商事株式会社に入社。 その後、Havas Worldwide Tokyo、株式会社アサツーディ・ケイにて、一貫してネットビジネスを軸としたダイレクトマーケティングに従事し、担当した全てのクライアント(広告主)のネット広告を大成功させる。 やずやベストパートナー賞 受賞。 Webクリエーション・アウォード Web人貢献賞 受賞。 「アドテック」「宣伝会議」「日経デジタルマーケティング」「通販新聞」など講演多数。 アドテック東京2012 公式カンファレンス 人気スピーカー1位。 アドテック九州2013 公式カンファレンス 人気スピーカー1位。 アドテック九州2014 公式カンファレンス 人気スピーカー1位。 「九州インターネット広告協会」の初代会長も務めた。 著書に『単品通販“売れる”インターネット広告』(日本文芸社)。    『100%確実に売上がアップする最強の仕組み』(ダイヤモンド社)。

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