Unyoo.jp特別対談:コンバージョン・プラットフォーム&パートナーでありたい?Ve Japan石黒氏

Ve Japanの概要と自己紹介

清水:それでは本日はVe Japan株式会社のマーケット開発ディレクターでいらっしゃいます石黒様にお話を伺いたいと思います。

 

清水:石黒さんとは20014年の8月か9月頃に初めてお会いしましたが、日本でVe Japanが設立したのはいつでしょうか?

 

石黒:2014年2月に日本のCEOとCFOが日本法人を立ち上げ、私とアカウントマネージャーの奥村が4月に参加しました。入社してすぐにイギリスでトレーニングを行い、5月から日本向けの資料作りをして、6月から営業を統括する河嶌が加わり本格的に営業を開始しました。

 

清水:日本法人の立ち上げから、凄いスピードで組織作りと営業がスタートしていますね。本社はイギリスですよね。

 

石黒:はい。イギリスでは2009年から事業を行っています。

 

清水:御社の立ち位置として”コンバージョン・プラットフォーム&パートナー”と謳っていますが、どういう意味がこめられているのですか?

 

石黒:我々が目指すのは、クライアントのコンバージョンの改善をしていくことです。一つのタグを入れていただければ、あらゆるサービスを提供してコンバーションを最適化していきます。導入後も当社のアカウントマネージャーがデータを確認して気づいた点があったり、クライアントが困っていれるようであれば、ほかのツールや新しいクリエイティブの提案をしていきます。そうした意味でプラットフォームやパートナーという言葉を使っています。

 

清水:そもそもVe Interactiveはどのような背景で設立されたのでしょう?

 

石黒:英国本国のCEO、デビッド・J.・ブラウンは元々プロのピアニストだったのですが、音楽や映画のスタジオを貸すビジネスの方が軌道に乗り、さらにそれを売却して次に何をやろうかというときに見つけたのが、このアイディアでした。最初はリターゲティングでメールを送る仕組みだけでした。

 

清水:ピアニストからこの業界に、珍しいですね(笑)

 

石黒:はい(笑)。彼は他にもワインやスーツのリテールなど、いろいろな事業を展開していて、ヨーロッパでも起業家のアワードを4回取っています。この事業で世界中に約800名、ロンドンだけで400〜500名いるのですが人材獲得にコストがかかるため、人材紹介会社を買収して、さらに企業が契約しやすいようにビジネスモデルを変更したことで、今ではロンドンで最も大きい会社になっているようです。

 

清水:イギリスという競合が多いマーケットの中で、グローバル展開して伸びているのは素晴らしいと思います。何カ国くらい展開されているんですか?

 

石黒:アメリカだけでも3拠点あり、全27拠点で各国の言語対応を行っていて、配信先としては47カ国あります。そのほか、ブラジル、ロシア、ドイツ、フランスなどで大きなビジネスとして動いています。

 

清水:では、日本に上陸されたのは他の拠点から見ても最近なのですね。

 

石黒:そうですね。アジアでは以前から上海とオーストラリアにも拠点がありましたが、昨年から東京、香港、シンガポール、ベトナムにオフィスを作り、本格的にアジア圏を強化しています。

 

清水:そのグローバル展開の中で、日本での現在の進捗はいかがでしょうか。

 

石黒:昨年は始まったばかりであまり多くなく、申し込みいただいたのは昨年末で60社くらいですね。年明け以降、代理店さんからの紹介が増えたり、1つのクライアントに複数の代理店さんから紹介していただいたりするなどして数が増え、現在は250社ほどに申し込みいただいています。

 

清水:Ve Japanの組織体系はどうなっているのでしょうか。

 

石黒:全16名のうち、営業担当が5名、システムサポート系の担当者が5名ほど、新しい開発担当が2名、そのほか広告担当やデザイナーがおり、イギリスからも転勤で4名来ています。それまでは本社に頼ってシステムを設定していたのですが、スピードの問題やクリエイティブのデザインや日本語の表現が難しく、なるべく日本で全てローカライズできるようにイギリスからスタッフを呼びました。

 

清水:石黒さん自身は、前職では何をされていたのでしょうか。

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石黒:ヤフーで10年ほど働いており、2年前に退職しました。その後はコンサルとして、海外のサービスを日本にローカライズするのを手伝っています。そんななか昨年、Ve Japanが設立されるときにある方から紹介いただいて、面白そうだなと。

ヤフーでは、ヤフオク!などに参加するためのYahoo!プレミアムや、Yahoo! BB、Yahoo!パートナー、ジオシティーズといった月額課金の会員サービスを統括する立場でした。

 

清水:月額会員をいかに入会させたり退会させないための、プレミアム感のあるサービスを戦略的に企画されていたということですね。

 

石黒:そうですね。細かいところでは、登録フォームのどこで離脱するかを改善したり、数種類のバナーやページをABテストするなど、今の仕事にも役立っていますね。

 

成果報酬型のVe Japanのサービスとは

清水:では改めて、Ve Japanが提供しているサービスについてご説明いただけますでしょうか。

 

石黒:弊社では、ユーザーがサイトを離脱するときにポップアップを出したり、離脱後にメールを送って1人でも多くのコンバージョンに繋げるといった、離脱に特化したコンバージョン改善を行っているのが特徴です。導入も簡単で、弊社で発行する数行のタグをサイトに入れていただきます。YTM やGTMでは認定ベンダーとなっていますし、そのほかの主要なタグマネージャーにも対応しており、開発担当者の手を煩わせることなく、マーケティング担当者がタグマネージャーで設定すれば、すぐに導入できます。

 

清水:利用料金が成果報酬型とお聞きしました。

 

石黒:それがもう1つの大きな特徴で、初期費用や月額運用費用などを一切いただいていません。しかもアフィリエイトと同じような価格帯で提供しているので、成果報酬を支払っても必ず利益が出るようなモデルになっています。

 

清水:その成果報酬の金額は、クライアントの希望をもとに設定しているのでしょうか。

 

石黒:基本的には、アフィリエイトに出稿していれば、その金額を定価としてお願いしています。出稿していない場合は、競合他社の金額を調べて提示しています。

 

清水:具体的に VeChat、VeContactなどのサービスについてご説明いただけますか。

 

石黒:まずVeChatは、例えばユーザーがECサイトで「この洋服が欲しい」とカートに入れます。弊社の統計では、カートから購入完了に至るまで、平均87%ほどが離脱してしまうというデータが取れています。ただ、カートに入れるということはある程度その商品に興味があるので、弊社では背中をひと押しして買っていただく仕組みを用意しています。

具体的には、カートページで金額を確認して離脱するケースが多いのですが、ここでタブを閉じようとしたり、ブックマークなどから別のサイトに飛ぼうとするとポップアップが出るようになっています。ポップアップで離脱防止をした先では、入力フォームに入力して購入に進みます。

 

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メールリターゲティングでのコミュニケーション

VeContactでは、決済のページで離脱してしまった場合、45分経っても購入が完了していないと、フォームに入力したメールアドレス宛てにメールを送信します。

メールは弊社で作成し、クライアントが送り主として送信できます。カートに入っている商品をメールのテンプレートに入れ、購入手続きがまだ終わっていないという案内をしています。

 

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清水:ポップアップもクライアントのトーン&マナーに合わせたようなクリエイティブになっていますよね。これも御社が作成されるんですか?

 

石黒:ある程度はテンプレート化していますが、サイトのブランドイメージに合わせたものを1つ1つ作成しているのでテンプレート感はなく、多様なデザインになっています。まずは大体こんなイメージでできますとお伝えして、クライアント側が持っている素材やサイトの雰囲気と合わせて我々がデザインするという感じです。

 

清水:デザインも融通が利くわけですね。

 

石黒:これらは年に6回まで差し替えできるので、季節やキャンペーンによって変えられます。

 

清水:7回目以降のご依頼をする場合は有償になるのでしょうか。

 

石黒:そうですね、そのときはまぁご相談に応じてということで。

 

清水:ポップアップについては、バナーサイズやメッセージに規約はあるのでしょうか。

 

石黒:横720px×縦530pxと決まっていますが、訴求文言はサイトやページによっても変わります。一番多いのが、例えばカートページから離れようとしたときに、「新規会員登録で10%OFF」といった割引案内や、安心して買い物ができるという保障の案内、送料無料、アフターケアについて訴求をしています。

 

清水:通常のリターゲティング広告でコミュニケーションする考え方と似ていますね。

 

石黒:サイト内に特徴や特典を載せてはいるのですが、1ページに入っている情報量が多いために見過ごしているユーザーが多いんですね。そこをポイントだけ伝えることで「じゃあ買おうか」と留まっていただくと。

 

清水:クリエイティブを何パターンか作られると思いますが、ローテーションで訴求を変えてメッセージを出すのか、固定で決めたメッセージを出すのか、どちらなのでしょう。

 

石黒:後者ですね。会員登録のページであれば、登録に関する特典のメッセージであるとか、カートページであれば購入に関するメッセージといったように、ページごとに出すものは変えられます。

 

清水:行動パターンによって訴求するメッセージを変えられると。具体的な例を教えてもらえますか?

 

石黒:例えば5000円以上で送料無料になるけれど、カートに入っている商品がそれに満たない場合、「あと一品購入すると送料無料になります」といったメッセージを出すなど、フィルタリングをして出し分けもできるようになっています。

 

清水:なるほど。2つ目にご紹介頂いた、VeContactでは、日本の風土も考えると、例えばユーザーが自身のメールアドレスの情報を抜き取られるのではないか、といった懸念もあるかと思うのですが、そのあたりの対策はいかがですか。

 

石黒:今はVeContactを使っていただいているのは全体の2割くらいですね。基本的にはプライバシーポリシーに途中の入力情報も取得している旨を記載いただく必要があるのですが、それと合わせてプロモーションメールではなく、クライアントが本来行うべき購入手続きをサポートするような運用メールを送ることが条件となっています。送信したメールからはオプトアウトができるようになっていますが、ユーザーの立場になるといきなりメールを受け取ることは不快なこともあると思うので、オプションを用意しています。一文字でも入力欄に打ち込むと吹き出しを表示し、メールを許可した人だけに送る仕組みで、約6割のクライアントにこのオプションを使っていただいています。

 

清水:ありがとうございます。この辺りは繊細な所なので、できるだけユーザーにとってもクライアントにとっても安心なのはよいですね。

 

ページレコメンドでマッチさせる

話を戻して、ユーザーが商品をカートにいれてなくて、離脱した場合はどうなりますか?

 

石黒:もう一つのVeAssistがその機能になっていまして、例えば、ファッションブランドのページに、ワンピースを探してユーザーがやってきます。特に欲しいものがなく離脱するときに、「他にもこういうワンピースがあります」といったポップアップが出てくるようになっています。ここではワンピースですが、行動情報に応じた商品が表示されるようになっています。Googleから来た場合や検索キーワードの情報がない場合はページ内に表示されている情報を参照していますが、Yahoo!やBingからの検索であれば、検索キーワードをそのままリファラーとして、ユーザーが調べていたキーワードにマッチするものを出せるようになっています。

 

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清水:サイト内検索でマッチするような結果とも連動させているわけですね。

 

石黒:表示する商品データについては、ユーザーが商品を見たときに弊社のJavaScriptが動き出して、画像のURLや商品名、価格をデータベースとして溜め込んでいるんです。見れば見るほどそのデータベースが溜まっていき、先ほどのキーワードにマッチしたものを出す、という仕組みになっています。ですので、データフィードをご用意いただかなくても、我々のJavaScriptさえ入っていれば、全て出すことができるようになっています。

 

清水:検索キーワードの引き継ぎについてYahoo!、Bingには対応していて、Googleにも対応していますか?

 

石黒:Googleはキーワードのリファラーが取れないので、対応していません。同じように広告やブックマークからサイトに来た人はキーワード情報を持っていないので、そういった場合はサイト上のパンくず情報や何かしらそのページ上に表示されている商品に関連するワードでサイト内検索できるように設定し、マッチした商品を出すようにしています。

ロジックとしては現状、Cookieは扱っていないので、サイト内に表示された情報やユーザーが入力した情報をもとに最適なものを出しています。

 

清水:セッションの中で行動している情報を出しているということですね。

ちなみにサイト内で表示させている、これらのポップアップバナーはVe Japanのサーバーから配信しているのでしょうか。

 

石黒:はい。JavaScriptのタグをクライアントに貼ってもらい、必要な情報をJavaScriptが弊社のサーバーから呼び出しています。

# 次のページ[2]:<VeJapanプロダクトを運用するには>に続く

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