著者インタビュー:『実践 Googleタグマネージャ入門』 畑岡大作氏

『実践 Googleタグマネージャ入門』

「Googleタグマネージャ」を解説した国内初の書籍。Googleタグマネージャ認定パートナーであるアユダンテ株式会社でマークアップエンジニアとして活躍する畑岡大作氏が、タグマネージャーの基礎知識から実際の設定方法までをていねいに解説した良書です。

tagmanager_250_『実践 Googleタグマネージャ入門』
著者: 畑岡大作(アユダンテ株式会社)
ファイルサイズ: 6025 KB
ページ数: 198ページ(Kindle版の場合)
価格:1,000円+税
(販売するストアにより価格が異なる場合あり)
出版社: インプレス (2014/11/10)
リンク:Web担当者Forumの記事, アユダンテ株式会社の記事

著者の畑岡大作氏へのインタビュー
 
2014年11月に発売された本書は、今後少しずつ出てくるであろうタグマネジメント関連書籍の草分けとなる存在であり、発売から約半年が経つ2015年4月末の時点でも国内唯一のタグマネジメント本です。

タグマネジメントという非常にマニアックなジャンルでありながら、電子書籍としてはかなり好評を博したと噂される本書。その著者である畑岡さんに執筆の背景や動機、書き上げる上での苦労やエピソードについてインタビューしました。
(インタビューは2015年3月に行いました)

タグマネージャー人口を増やしたかった

hataoka-san岡田:この本が昨年の11月に出た時に、「まさにこれが欲しかった!」という感じで飛びついた方も多かったんじゃないかと思うんですよね。それくらい、重要なのにまとまった情報が少ない分野がタグマネジメントなのではと思います。そこで、まずは畑岡さんが本書を執筆するに至った背景や動機について、まずはお聞かせ願えればと。

畑岡:いきなり大きな話になってしまうんですけれども、そもそもタグマネージャーについて知らない方が多いじゃないですか。必要だとは認識していても、勉強するための題材がまだ少ないですし、実際に始めてみようと思っても、本書を執筆しようという話が出た2014年初頭の時点では情報がまだ少なく、体系的に学ぼうと思ってもそれがなかなか難しい状況でした。

タグで困っている方や、もっと活用したいという方のニーズはあるわけですから、情報が出てくれば利用人口も増えやすくなると思ったのが本書を執筆した最大の動機です。自分自身も、試行錯誤しながら学ぶ過程で、ブログ形式の良質な記事はあるものの、まとまった情報がないなと感じていたので、こういう本があったら助かるのではないか、と自分が思える本を書いてみようと思いました。

本書のリリース当日にコラムを書かせていただいたのですが、アクセスが結構ありまして、「ああ、需要があるんだな」と改めて思いました。

執筆で苦労した点

岡田:本書はKindle版だと約200ページ、他のフォーマットだと300ページ近くになるものもあります。読む方としても結構大変だったので、書く方はそれ以上に大変だっただろうなと思いますが、執筆は苦労されたのでは?

畑岡:気が付いたら増えてしまった、という感じです。それまでコラムなどでタグマネージャーについて書いていたものを手直しすればある程度書けるかなと思っていたのですが、最終的には全部書き下ろしになってしまいました。ボリュームの都合で削ったものや、現場で使ってもらいやすいように補足的な文章を加えていく作業が大変でした。

岡田:ツールを解説する類の書籍の場合、「管理画面が変わる(ことによって書籍の寿命が短くなる)」という問題は避けて通れないように思いますが、そのあたりはどのように出版社と相談されたのですか?

畑岡:執筆段階では、その時点の画面を前提にまずは進めて行こうという話をしていました。アユダンテは GACP(Google Analytics Certified Partner:グーグルアナリティクス認定パートナー企業)ということもあり、ある時点から Googleタグマネージャーのユーザーインターフェースが新しくなることは知っていたのですが、具体的な日付は執筆時にはまだ分かりませんでしたので、新しい管理画面が一般に公開された時点で差し替えればいいという感じで。

実際には、「さあ出そう!」となった段階で新しい画面が発表になったので、画面の差し替えは土壇場の作業でした(笑)。あの時は編集の方に本当に助けられました。おかげさまで2014年10月にリニューアルされた新インターフェースに完全対応しています。

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Googleアナリティクスの入門書でもある

岡田:次の質問ですが、タグマネジメントはまた登場してから日が浅く、習熟している方もいれば初心者の方もたくさんいるという状況で出る最初の本ということで、本書の難易度の設定については悩まれたのではと想像していますが、実際はいかがだったのでしょうか?

畑岡:お察しの通り、しんどかったですね。Googleタグマネージャーの用途を考えると、Googleアナリティクスのタグ管理が需要として多いだろうと想定していましたので、まずはそれを念頭に置いて、なおかつマニアック過ぎない感じで、ところどころに機能や役割の解説をできるだけ入れた構成を心がけました。GoogleタグマネージャーやGoogleアナリティクスを触ったことがある方なら読みながら進めていただける難易度にはできたのかなと思っています。

岡田:私は読んでいて、「ちょっとした一言が優しい」と感じたのですが、それはその解説の心配りが要因だと思います。例えば「GoogleアナリティクスのトラッキングIDの設定は、たとえ単一のトラッキングIDしかなくても変数として登録しておいた方がいい」とか。ああいう細かいTipsこそ、まさに現場のための知恵だなと思いました。

畑岡:本文の方では基本的な説明を行い、小技は補足として本文とは別にまとめた形ですね。

岡田:最初は「タグマネジメントとは」という、本当に概要から始まって、「これは易しいんじゃないか」と思っていると、4章くらいから一気に難易度が上がるという構成になっていますよね。これは、やはりここまで書かないとしょうがないということなんですよね。

畑岡:「どのサイトでも、こういう設定にしておけば大丈夫」というものではありませんので、とにかく基本の解説だけはしようと心がけた結果、色々盛り込んで少し複雑になってしまいました。

岡田:いや、でも気を使われているのはとてもよく分かる内容でした。あれだけTipsも含めて網羅されていると、一息で読むのは正直大変なんですが、その後に索引として使えるといいますか、実際に作業をしながら読む本として価値を感じています。タグマネージャーはリスティング広告の管理画面のように業務で毎日欠かさず見るというものではないという方が多いと思いますし。

畑岡:一応、Googleタグマネージャーの入門本ですが、簡単なGoogleアナリティクスの入門本でもあるのかなと。なるべく意識してGoogleアナリティクスに関する補助的な文章を入れました。あまり詳しくない方でも、何となく「こういう機能があるのか」という発見をして頂ければと思っています。

岡田:確かにそうですね。例えば、タグマネージャーからアナリティクスに値を渡す、とかですかね。

畑岡:あとは、例えば仮想URLの計測とか。

岡田:ああ、なるほど。仮想URLとか、地味に知らなかったりする人もいるかもしれませんね。

畑岡:はい。普通にアナリティクスを見ている分には、あまり使わない機能じゃないですか。タグマネジメントを通じて、「こういう風にすると使えますよ」と伝えられればいいかなと。あとは、カスタム変数もですね。ユニバーサルアナリティクスなのでカスタムディメンションですけれども、そのあたりもなるべく、本書の執筆時期ですとまだユニバーサルアナリティクスにしていない方も結構いらっしゃったので、それも踏まえて説明をしてみたつもりです。

タグマネージャーは色んな使い方ができるおもちゃ

岡田:本書は電子版だけじゃなくて、紙で出すという話はありますか?

畑岡:幸いなことにご好評を頂いているので、実は紙の書籍化の計画が現在進行中でして、5/22(金)に発売の予定だったりします。電子書籍から紙の書籍化、という流れはなかなかないですし、面白い試みだと思っています。元々の電子書籍の内容を改めて最新版の内容にアップデートしたり、ご要望の多かった活用ネタをいくつか追加する形で出版予定です。

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実践 Google タグマネージャ入門 増補版
著者: 畑岡大作(アユダンテ株式会社)
サイズ: 単行本(ソフトカバー):
ページ数: 256ページ
価格:1,800円+税
出版社: インプレス (2015/5/22)
リンク: Amazonインプレス

岡田:なるほど、素晴らしいですね! また拝読させて頂きます。それでは、最後に一言お願いできますでしょうか。

畑岡:タグマネージャーは、使える人にとってはとても楽しいツールなので、本書の方向性からは外れますけれども、javascriptが分かる方とか、意外とデザイナーさんなども、触ってみると面白いかもしれません。タグマネジメントですが、タグじゃなくてもいけますので。

岡田:そうか、カスタムhtmlだったら何でもいけますもんね。

畑岡:極端な話、例えばGoogleから流入した人にはランディングページの背景を真っ赤にするとか、CSSを出すこともできるので。そういう遊びもできます。

岡田:使い方次第では、ABテストツールとしても使えるということですかね。

畑岡:一瞬タイムラグが出てしまうので厳密には少し難しいかもしれませんが、そういうことです。あと、簡易的なレコメンドなども出来るかもしれないですね。ブログのフッターのあたりにスペース設けておいて、ライターがこの人だったらとか、ブログのカテゴリがこれだったらこの内容、という感じでメッセージを差し込んだり、というのも多分できると思います。使い方はいろいろあるおもちゃ、みたいなものですね。

岡田:確かに。全ページ入っているわけですからね。

畑岡:広告だけでも使えますけれども、広告以外の方が多分面白いことができますね。

岡田:なるほど。どうしても私は広告脳計測脳になってしまいがちですが、必ずしも広告である必要はないんですよね。本日はどうもありがとうございました!

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リンク:アユダンテ株式会社 畑岡大作のコラム

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