FacebookとGoogleがしのぎを削る動画広告市場の変遷

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動画視聴ボリュームの急伸

ベンチャーキャピタルの AGC Partners が発表したレポート『AdTech M&A in 2014 and Beyond: Trends and Drivers in an Evolving Landscape』によると、2014年の動画広告市場は非常に活発で、M&A の件数も2013年対比で約2倍になったようです。
 
これまでテレビなどのオフラインに投資していた大手広告主も動画のモバイル視聴による効果測定や広告展開に可能性を感じており、広告主側のモメンタムもついてきていることが動画関連プレイヤーの積極的な動きを後押ししていると考えられます。
 
昨年の動画関連 M&A のハイライトは、やはり Facebook による LiveRail の買収です。投資が活発化している背景には、利用状況の大幅な伸長が影響しています。
 
Facebookが2015年1月7日に発表した動画利用動向をまとめたレポート記事によると、ニュースフィードに表示される動画のボリュームは、この2013年末から2014年末の1年間で約3.6倍増加したほか、ユーザー1人当たりの動画の投稿件数は75%増加しているとのこと。この1年での動画の利用は急速に進んできています。
 
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画像:Facebook Video: New Universal Language |
 
 

増え続けるデータ量への対処

一方で、動画によって大幅に増加するデータ処理やサーバコストへの対処は、プラットフォーマーとして生命線になります。
 
Facebookは2015年1月8日、動画の容量を品質を落とさずに圧縮するサービス「QuickFire.TV」を提供している QuickFire Networks の買収を発表し、動画コンテンツの転送やサーバコストを大幅に削減できる道筋を立てました。
 
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1日10億回を超えるともいわれる動画再生の環境を保持し、2014年の3月から開始した動画広告を通じた収益基盤を強固なものにするために必要な買収だったと思われます。
 
Facebook は 2015年の最初の1週間で既に2件(もう1つは自然言語処理のWit.ai)の買収を発表しており、矢継ぎ早にモバイルや動画を前提にしたインフラ強化への手を打っていることが伺えます。
 
 

動画の投稿は Facebook が YouTube を凌ぐ勢い

ソーシャルメディア関連マーケティングを手がける Socialbakers によると、Facebook や YouTube などの動画プラットフォーム上に自社のブランドページを持つ企業がポストする動画の投稿件数は、2014年の11月に初めて Facebook が YouTube を超え、その差が急激に広がってきていると発表しています。
 
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参考:Facebook Video is Now Bigger Than YouTube for Brands | Social Media Statistics & Metrics | Socialbakers
 
 
Facebook のCEO マーク・ザッカーバーグは、昨年の11月に “In five years, most of Facebook will be video(5年以内にフェイスブックの投稿は動画ばかりになるだろう)” と発言したこともあり、2015年以降の動画マーケットは Facebook が最右翼だと目されています。
 
その目指す先にはやはり Google、つまり YouTube があります。2014年までは、YouTube は明らかに動画市場での圧倒的覇者でした。動画の投稿件数も試聴回数も他の動画ネットワークを圧倒的に上回っており、動画と言えば YouTube という認識が大勢を占めていました。
 
それは動画広告においても同様で、eMarketer によると動画広告市場全体の約2割が YouTube だと言われています。下記のグラフは2014年の9月に発表されたものですが、今後も YouTube は動画の覇者であり続け、広告費の伸びは鈍化するものの引き続きナンバーワンのシェアを維持すると予想されていました。
 
 
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参考:YouTube Owns Nearly 20% Share of US Digital Video Ads – eMarketer
 
 
ただ、Facebook の動画投稿件数は圧倒的な速度で成長しており、Facebookの広告プラットフォームの整備や改善が追いつけば、eMarketer の予想は外れる可能性もあります。動画市場における巨人のつばぜり合い、引き続き注目していきたいと思います!
 

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