マーケッターが知っておくべきAPIのキホン(2/3)〜Web APIを使う上で考慮すべき点

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前回はAPI、Web APIとはについての説明をしました。
http://unyoo.jp/2014/11/webapi_basics1/

 

今回は、もう少し踏み込んで、マーケッターがWeb APIを使う上で考慮すべき点について触れたいと思います。

1. APIは複雑なことをするためだけにあるわけではない

前回コラムの中で、APIを使って実現できる世界について少しシミュレーションをしてみましたが、APIはあのように複雑なことをするためだけにあるわけではありません。例えばGoogleやYahoo!などのサービス提供者は、いわゆるサービスにアクセスするための管理画面を提供していますね?サービス提供側の視点に立つと、上級ユーザーも初心者ユーザーも混在していることがわかります。ですので、多くの場合、管理画面というのは、最大公約数的に、誰でも使える機能を備えています。ただ、管理画面の機能だけはできないことを実現するために、APIを開放して、外部で複雑、高機能なことを実装するわけですが、逆に管理画面よりももっとシンプルにしたい、というニーズもあるのです。初心者向けに機能を制限した簡易管理画面といったことも実現できます。

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 2. 何のためにAPIを使うのかを明確にしよう

当たり前に聞こえるかもしれないですが、何のためにAPIを使うのかを明確にした上で進めましょう。言うまでもなく管理画面と同じことができるだけでは、さほど意味がありません。手作業でやっていた処理を自動化・効率化したいのか、コンピュータでないとできない大量データ、複雑なデータを扱いたいのか、データを集約したいのか、目的とゴールを決めましょう。APIを使ったシステムの場合、それ以前の状況と比較して「〜時間分、〜人分省力化を実現」、またはAPIを使った施策経由の「コンバージョン、売上が〜%増加」、などのシミュレーションをした上で、開発を計画しましょう。

 

3. API提供会社の力のかけ具合を見極めよう

API提供側がどういう目的でAPIを提供し、どういうメリットを得ようとしているのか知り、継続的にAPIを提供しサポートしてくれるのかを見極めるのが重要です。力を入れていないと突然提供が中止になったりすることもありますので。すでにAPIを利用したシステムを開発し、ユーザーがいる場合などは痛手どころの話ではありません。

API提供会社は、APIの利用が拡大し、エコシステムを構築できれば、自社で開発リソースを抱えないくても便利な機能が世の中でどんどん増えていきます。そうすることでユーザーの利便性が高くなり、その結果、サービスへの満足度が高くなったり、より便利な機能が増えることで、より多くの利用につながる=利用者が増える/売上が増える、ということが考えられます。API提供会社がそういったことをどれだけ理解し、API提供にどの程度力を入れているかを見極めましょう。見極める上でのポイントは以下のようなものです:

  • APIの有無について情報発信しているか
  • API利用の環境は充実しているか(利用できる機能が制限されすぎていないか、開発用サンドボックス、ライブラリはあるか、サーバーは貧弱すぎないか)
  • APIに相応のサポートをつけているか(特に海外の会社の場合、日本での支援体制があるか)、ドキュメント類は充実しているか
  • 他の会社でAPIを活用している実績はあるか(API提供側もメリットを享受できている状況か)

 

4. APIは万能ではないということを理解しよう

APIは万能なのでいろんなことができると思う人もいます。まずAPIはただの規約であって仕組みなので、それ自体では何もできません。それをいかに便利に活用する機能が考え、実装できるかによります。それができれば確かに今までになかった優れたシステムを世の中に広めることだって夢ではありません。ただ、一方では利用にあたって制限が設けられていたり、使うことができない機能があったり、前述のサポート体制によっては、管理画面よりも遅れてAPIで機能が実装されることもあります。

APIを上手に使っている企業は、それが非常に便利であるという面と制限されている面を両方持ちあわせていることをよく理解しています。要するに、そのバランス感覚をもってうまく活用するというマインドセットが大事なのです。

 

5. APIを使うことはコミットメントを要するものである

APIといっても各社の提供方法は異なります。よって、一つ一つの調査が必要になります。APIによってはクセもありますし、不具合が起きることも普通にあります。一番大きな点は管理画面上での変更などがある場合、API側の更新があり、システムへの追加開発が伴うことを認識しないといけません。認証方法の変更、機能追加、アーキテクチャーの大幅変更など、さまざまなアップグレードが発生します。Google AdWordsなどは、ここ数年、アップグレードの発生頻度が早まっています。古くなったAPIのサポートは打ち切りになりますので、その前に実装を完了させる必要があるなど(もちろん新機能を使いたいユーザーの利便性を考えれば一刻も早く実装する必要があります)、API提供側の変更スピードについていく(継続的に開発リソースを投じる)コミットメントがあるかは慎重に検討する必要があります。多くの場合、始めてみてからその大変さがわかった、ということも多く見受けられます。

前回コラムで、APIのメリットはプラットフォームが提供するのと同じ機能を必要なときだけ借りることができる、ということを書きましたが、少しシビアな見方をすると、同時に特定のプラットフォームに依存するということでもあります。その重みは常に感じつつ利用していくことをお勧めしたいと思います。

 

最後のコラムでは、Web APIの今後について書いていきます。

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