データフィードマーケティングの基礎

Data Management

データフィードとは?
データフィードとは、あるデータのデータ元からデータ受取先へ更新されたデータを送受信する仕組みである。元々ITシステムではデータの受け渡しによく使う方法の一つで、データ形式や通信プロトコルさえ双方で決めておけば手軽にできることから、非常によく使われている方法であると言える。20120926_1

ちなみにウェブ上でのデータフィードのことをウェブフィードとも言う。以前から一般ユーザーにもおなじみなのはニュースフィードやウェブ、ブログの最新投稿などを受け取るRSSフィードあたりである。最近はFacebookでニュースフィードという言葉を見る機会も増えたので「フィード」というのは何となく聞いたことがある人も多いだろう。

データフィードはある意味上位概念というか総称で、その下にいくつかの種類のフィードが存在する、ということだ。

その観点から行くと今私のほうで推進しているのはデータフィードの中でもとりわけプロダクトフィードである。プロダクトフィードはEC事業者を中心に、デジタルマーケティングの世界で非常に重要な取り組みになっているのをご存じだろうか?

プロダクトフィードについて解説したいと思うが、言い回しが違う同義の言葉が出て混乱するので以降「データフィード」で統一したいと思う。

 

データフィードとは?なぜ重要か?
データフィード(プロダクトフィード)は何かというと商品データベースの情報をシステム間接続やマーケティングのために様々な形で外部利用するためのものだ。このコラムではマーケティング外部利用にフォーカスして話そうと思う。

商品データベースには様々な情報が含まれることが多い。商品名、商品ジャンル、商品コード、価格、送料、商品画像、在庫数などなど。

ECサイトであれば商品の情報はかなりの部分はウェブ上でも公開しているだろう。
多くの企業はその商品が売れるために様々な網を張っているはずだ。

外部のECプラットフォームに出店しているだろうか?
ショッピング比較サイト/エンジンには情報を出しているだろうか?
リスティング広告はやっているだろうか?
ディスプレイ広告はやっているだろうか?
アフィリエイトはやっているだろうか?

こういった先に出す情報はほぼ同じなのに、それぞれの登録にかなりの手間をかけていないだろうか?

しかも出し先のメディアはどんどん増えている状況だ。まさにメディア・フラグメンテーション(消費者が接触するメディアが断片化していること)の時代。これからもどんどん増えていき、一つ一つの消費者の密度は希薄化するが、企業としては広く網を張らないと消費者はさらに獲得しづらくなる一方だ。

また商品データベースは変化が激しい。商品点数が多岐にわたるEC事業者はそもそも何千、何万と情報がそもそも多い上に、新しい商品やバリエーションは日々追加され、既存商品の価格も変わる。在庫は絶えず変動し、在庫切れした際には販売もプロモーションも止めないといけない。つまり情報の更新性をかなり求められるのだ。これを手作業でやるとスピードに追い付けないため網も広げず、古い情報が出ることによって消費者の満足度も低下する(「ネット広告が出てたからクリックしてサイトまできたのに在庫切れって売る気本当にあるの?」という例はわかりやすい)。

つまり、広くスピーディに、かつ効果的に消費者にリーチするためには自動化、効率化が必要となってくる。

こういった理由でデータフィードが重要になるのだ。

 

データフィードで何ができるのか?
アメリカなど海外では在庫連動型のリスティング広告入稿管理などは10年前から大手広告主はほぼ当たり前に実施している。商品データベースのデータから使えるフィールドを抽出してキーワードを生成(「商品名_地域」など掛け合わせ系ワードも自動生成)し、新商品が出た際などは商品データベースに追加されたらすぐに広告に反映できる。広告文はテンプレートに商品名、価格、在庫数などを流し込む。価格(50,000円から)や在庫数(あと2セット)など数字情報が広告文にあると多くの場合、効果が高い。URLもトラッキングコードのルールを決めておけば自動的に生成可能でいちいち手動で付与し入稿する手間が省ける。また、在庫数がゼロになったら広告配信を止めることで無駄なクリック/コストを削減し、不満足な顧客を作るのを避けることができる。

また、検索エンジンによるクロール→インデックス登録に時間がかかっていた頃、自然検索の結果に早く反映されるように有料でインデックスに登録するペイド・インクルージョンというサービスが一時期Yahoo!などで存在した(日本では未実施)。このサービスはやはり新しい商品情報を早く検索エンジンに反映させたいEC事業者には人気があり、商品情報が大抵の場合多いため、データの登録は検索エンジンにデータフィードで登録する形をとっていた。この頃(2000年初頭)から米国にはデータフィード登録事業者なるものが存在している。現在も元Overure出身者が活躍しているDataPopなどは元々ペイドインクルージョンに特化したデータフィードソリューションプロバイダーだ。

リスティング広告、自然検索、シッピングサーチなど、検索エンジン寄りのソリューションだったのが、ここ数年で最も注目を浴びているデータフィード活用型施策はCriteoだろう。Criteoはパーソナライズドリターゲティングを標榜しており、一度商品情報を見た人に対して、その商品情報(写真など含め)をダイナミックに広告に挿入し、のリターゲティングをかけるという画期的なものだ。実際に効果も高いと評判も高い。Criteo広告を出すためにはデータフィードの構築が必要になってくる。

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データフィードでは、上記のリスティング広告、ディスプレイ広告の他、ECサイト、アフィリエイト広告、ショッピングサーチ/比較サイトなどに自動的にデータを登録し、更新させることが可能になる。

 

どんなツール/ソリューションがあるのか?
アメリカでは前述のDataPopの他、Edgenet、GoDataFeedなどが有名だが、日本にも同じような機能を提供するデータフィード特化型ソリューションが日本でも出てきている。フィードフォース、TAGGYやコマースリンクのデータフィード最適化ソリューションである。これらはカバーしている施策が広いし、データフィードの自動投稿に特化しているため価格も比較的安価である。

統合キャンペーン管理プラットフォームもリスティング広告を中心に、管理できる施策を徐々に増やしている。若干エンタープライズ向けのソリューションが多いのと、その他の機能もかなり充実はしているため、トータルソリューションを求めている企業向けと言える。

 

データフィードの課題
データフィードの課題は大きくは二つ。

一つは商品データベースへのアクセスの問題。商品データベースは多くの場合IT部門の管轄で、なかなか外部利用のためと言っても大事なデータにアクセスさせてくれない。マーケティング部門におけるITの知識が低いため、交渉するにも難しいというケースも多く見受けられる。これからはマーケティングとITがかなり密接に連携していくことがますます必要になってくるので、最低限のITの知識を持ち、ITチームとの交渉能力が問われるようになってくる。

もう一つは商品データベースの中身の問題。往々にして、マーケティング外部利用を想定して商品データベースを設計しているわけではないので、そのままでは活用できないケースが圧倒的に多い。そのため、きちんとデータの整形などを行う中間処理をかませた上で各施策にデータ投入するという流れになる。この中間処理が肝であり、マーケティング外部活用した際の設計、プランニングや日本語の言語特性などを理解した上で変換ロジックを作らないとなかなかうまくいかない。

 

今後に向けて
マーケティングは非常に多岐に渡る施策をカバーしないといけない上に、それぞれが複雑に複雑になっている。また、部分的な最適化ではなく、全体で最適化をしていく必要がある。マーケティング受難の時代なのだ。成功するためには相当の労力は必要になる。自動化を推進し、効率化を図り、より頭脳を使う分析やプランニングに時間を充てることが求められる。

アメリカはこの分野では数年先もリードしている。実施した企業としていない企業との差が出やすい時代だ。必要なインフラであると理解し、いち早く取り組んでほしい。Slideshareをまとめたので、もう少し細かい点はそちらで確認してほしい。

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